スピカが逝ってしもた。
ふた晩、一緒に過ごして、
スピカを抱いて火葬車の助手席に乗せてもろて、
静かな山寺に向こうた。
お坊さんのお経は私がお断りしたので無しにしたけど、
もう動かへんスピカの、
おつむや背中やしっぽや、体中撫で撫でして、
お花で飾って、
「ありがとう」と書かれた白い布かけて、
用意してくれはった部屋の窓から、
スピカがゆらゆら、空に昇って行くのん眺めてた。
手元のカプセルに入れる骨だけ別にして、
これがスピカのぜーんぶ。
これを、粉骨して、桐の箱に入れてもらうことにした。
一足先に亡くなってた「いち」のお骨も粉骨して、おんなじ箱に入れてもらう。
昨日、粉になったスピカと「いち」を届けに来てくれはった。
「いち」、そっちでまたスピカの上に乗ってんのか?
スピカ、雨あがったら、「いち」と一緒に畑行こな。
おかちゃの畑見るのん初めてやろ、スピカ?