ゴングが鳴ってラウンドが終了、その瞬間、相手がパンチを放つ、ヒロインはマットの鉄柱にアタマを打ち、転倒する。
4分間、酸素が送られないと脳がダメージを受ける、呼吸補助装置の働きで、なんとか酸素が送り込まれた、マギーはつぶやく、
「大好きよ、おとうさん」
MRIや他の検査の結果、彼女が自力で肺呼吸できないことが判明する、つまり、一生、人口呼吸装置を付けていなければならない。
さらに、CIとCZという頸部の第一第二椎骨の両方が損傷していた、
「つまり話すこと、わずかに頭を動かすことができるが、それ以外は何ひとつできないのだ」
手足を動かすことができない、排尿排便ができない、なによりも自分で呼吸ができなのだ。
「残りの人生を固まったまま過ごすのだ」
これが、若い女性に襲った、決定的な事実であった。