ヒロインは舌を噛み切って自殺を図るが、かろうじて助かる、だが、話すことができなくなってしまった。
終に、フランキーはヒロインの要求を叶えることにする、彼女の舌に塩化アドレナリンを注射する。
ヒロインが死んだ瞬間、
“A bird passed through the glass of the domed window .”
「一羽の小鳥が部屋を横切り、半球形の窓を通り抜けていった」
誇り高いアイルランドの女性は、天上の世界に帰っていった。
なんと見事な一行になっていることか、これこそ、ケルトの叫び・ケルトの自由・ケルトの魂。
今は亡き作家のペンの先に、創作の妖精が舞い降り、この作品を書かせたのかもしれない。
ケルトの名誉と伝統が、神秘と幻想が、21世紀に甦り、一輪の白い花を咲かせてくれた。