全身麻痺のヒロインは、ミズリー州の南西部セオドアの出身で、一家は貧しいトレラーハウスの生活だった。
夢よりも自分の足元を見て育った、13歳の少女は、色褪せて小さくなった服を着て、泥水の中を裸足で走り回っていた。
それでも父親が生きているうちは幸せだった、
「自分のトラックのことをイースタ・エッグみたいに大切にしていたんです。アクセルっていう大きな年寄りのジャーマン・シェパードを飼っていて、どこに行くのも一緒でした」
「父さんが自分に使うお金は、仕事の他は、カミタバコだけだった」
ここには、poor whiteとして位置づけられるアイルランド系アメリカ人の現実がある、彼らはアメリカ社会の中層部から底辺にいて、過酷な生活を余儀なくされている。
だから、彼らの支持政党は、「自由競争経済」の共和党ではなく、「社会保障と福祉制度」のオバマの民主党ということになる。