手足を動かすことができない、排尿排便ができない、それどころか自分で呼吸することできない、残った人生を石のように生きていくしかない。
一生、生命維持装置のお世話にならなければならない。
ある日、ヒロインはコーチに頼みごとをする、
「わたし考えていることがあるんですけれど、お願いしてもいい」
「なんだ、今さら、なんでも言ってくれ」
「ピータービルドのトランスミッションよりも大きなことでも」
“Bigger than that,if you want.”
「おまえが望むならな」
彼女の目がまっすぐに彼に向けられた、
「父が愛犬のアクセルにしたみたいに、私を始末してほしいの」
「そんなことをしたら、おれは、死んでしまうよ」
“I’ma dyin ever’day.”
「わたしは、毎日、死んでいるのです」
排便どころか呼吸もできないで生きている、こんな私の唯一の最後の望みを聞いてくれませんか、究極の問題が突きつけられた。