The orthodox civilization is the festival politics of Japan

「安藤真の『世界文明の正統は』」の続き、祭政は人間中心を超え物質文明を越える、これを受け継いでいるのが日本の伝統と文化

杉原千畝の青春 冬

2016-07-23 06:02:20 | 世界経済
       
 外交官とは、人間の悪を知りつくした人種であろう、そうでなければ仕事はできない、きれいごとであるわけがない、ちょっと調べてみたら、スギハラを聖人みたいに扱っている、これでは、浮かばれないだろう。

 虚虚実実の駆け引きがあり、そして、彼は、なかなかのやり手、ソビエト政府からマークされていた、若いころの杉原は、すばしこく、芸者遊びではイチバンのきれいどころをかっさらったという、そして、杉原の最初の結婚はロシア人、この人を、深く愛していたようだ、このところをスルーしているのが多い。

 ひとりのユダヤ系アメリカ人が、これに注目し、調査のあげく、彼女がオーストラリアの病院にいることを突き止め、飛行機を乗り継ぎギリシャ正教の経営する病院を訪問し、彼女に面会、彼女はこころよくその事情を話してくれた、そして、間もなく、亡くなる、だから、なんとか間に合った。

 こういうところが、アメリカ人のいいところ、これによって、一人の日本人外交官の青春が蘇えった、彼は、語らなかった、それだけ大切な思い出だったんだろう。

 今となっては、その内容を証明できる人はいない、しかし、私は、真実であると思う、それには、意外な事実が、
 1、離婚を申しこんだのは杉原ではなく、彼女の方であった
 2、杉原は子供を欲しがっていたが、彼女は堕胎(だたい)する
 3、離婚後も杉原は経済的援助を続けた
 そして、アメリカからの訪問者に、
 4、着物姿の写真をプレゼント 

 ロシアの老婦人は、
 「ロシア人の医師に 処置してもらいました」
 「亡命ロシア人社会の目が あったのです」
 「若かったわたしは おろかでした・・・」
 「杉原は知りませんでした なにも知らなかったのです」

 悔いても悔いても悔やみ切れない青春の傷・青春の挫折、ロシア貴族の血が・ロシア貴族の誇りが、日本人の子供を許せなかったのだろうか。

 異国の病院でひとり死を迎える老婦人のこころに去来するものは、愛を奉げた奉げつくした、東洋の紳士の誠意と純粋、
 「ああ わたしは しあわせだった」
 おそらく、ほほえみながら旅立ったのだろう。


 宇宙のかなたに美しい星があり、その中心に世界樹がそびえている、やさしい声が聞こえる、
   ここで 永遠に生きるのです
   ここで 永遠に生きるのですよ
   生きるときに あまりにも苦しく
   生きるときに あまりにも悲しく    
   それでも それでも つらぬき通した 
   愛と誠意とsincerityの人生     
   愛と誠意とsincerityの人生    

 花びらがふっている、
 「人間の営みの真実と愛情は 保たれました」

 それゆえにこそ、
 「人類文明の正統は あなたたちが守ったのです」