09国立劇場2月/女殺油地獄/文楽
(第3部)
女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)
徳庵堤の段
河内屋内の段
豊島屋油店の段
勘十郎の与兵衛。親に意見をされて、柱を背に座り込みプイとそっぽを向いて歯向かっている姿が寂しげで悲しそう。弱い性格の男が強がって見せる破滅的な人格の表現。人生とは悲しく世はせつない。親が可哀相だ。
豊島屋油店の段の最後はすさまじい。油がまかれた床を与兵衛がすべりまくっている。遣っている勘十郎や左遣い、足遣いは大変だ。右に左にと舞台を激しく走り回っている。与兵衛でなくて人形遣いの息が切れてしまうのではと思うほど。一方の紋寿が遣うお吉も元気いっぱいだ。襲ってくる与兵衛に対して必死の抵抗。こっちも激しく動きまくる。油桶の蓋を投げる。油桶を倒す。逃げる。防ぐ。戦う。
陰惨で厳しい場面だけれど、激しく動きまくる人形と人形遣いの元気よさが楽しかった。自分も元気が出る。
物語自体は厳しい。現代でも連日報道されているような陰惨な事件を扱ったもので、表面的には勧善懲悪の物語なのだろうけれども、深く見ればそう単純なものでは無さそうだ。人の世のそうした恐ろしい部分を表現しているのだろう。深刻に受け取ると難しい話だと思う。
4段目以降もあるらしく見てみたいと思った。
09.02.15 国立劇場
(第3部)
女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)
徳庵堤の段
河内屋内の段
豊島屋油店の段
勘十郎の与兵衛。親に意見をされて、柱を背に座り込みプイとそっぽを向いて歯向かっている姿が寂しげで悲しそう。弱い性格の男が強がって見せる破滅的な人格の表現。人生とは悲しく世はせつない。親が可哀相だ。
豊島屋油店の段の最後はすさまじい。油がまかれた床を与兵衛がすべりまくっている。遣っている勘十郎や左遣い、足遣いは大変だ。右に左にと舞台を激しく走り回っている。与兵衛でなくて人形遣いの息が切れてしまうのではと思うほど。一方の紋寿が遣うお吉も元気いっぱいだ。襲ってくる与兵衛に対して必死の抵抗。こっちも激しく動きまくる。油桶の蓋を投げる。油桶を倒す。逃げる。防ぐ。戦う。
陰惨で厳しい場面だけれど、激しく動きまくる人形と人形遣いの元気よさが楽しかった。自分も元気が出る。
物語自体は厳しい。現代でも連日報道されているような陰惨な事件を扱ったもので、表面的には勧善懲悪の物語なのだろうけれども、深く見ればそう単純なものでは無さそうだ。人の世のそうした恐ろしい部分を表現しているのだろう。深刻に受け取ると難しい話だと思う。
4段目以降もあるらしく見てみたいと思った。
09.02.15 国立劇場