二銭銅貨

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フィガロの結婚/国立音大2014

2014-11-08 | オペラ
フィガロの結婚/国立音大2014

作曲:モーツァルト、指揮:増田 宏昭
演出:中村敬一、演奏:国立音楽大学オーケストラ
出演:フィガロ:照屋博史、スザンナ:佐々木麻子
   アルマヴィーヴァ:大槻聡之介、ロッジーナ:高橋希絵
   ケルビーノ:細井暁子、バルバリーナ:砂村郁
   マルチェリーナ:遠藤千寿子、バジーリオ:瀧川幸裕

終幕の25番のマルチェリーナのアリアはカット。26番のバジーリオのアリアが歌われた。しばしばカットされるこの部分はメゾとテノールの出番が少ないために作られたものだと思うけれど、若手の育成のためにテノールの方だけカットしなかったのだと思われる。マルチェリーナにアリアは無かったが、遠藤の声は深く安定して美しく、滑らかに歌われたレチタティーボは良かった。マイムは落ち着いていて貫禄があり、背筋を伸ばした姿勢の良さが目に付いた。衣裳も豪華で着こなしも良い。上品なやや年配の貴婦人の雰囲気。

演奏は元気良く強靭。その中でホルンが優しく、バランスが良いと感じた。弦が強く管が優しい。歌唱も全体的に強く強靭な感じがした。

スザンナの佐々木はかなり強いソプラノ。スザンナには強すぎると感じていたが、最後のアリアでスザンナ風では無いドラマチックな声を聴くことになって、ここでこの人の持ち味が了解された。良いソプラノだった。バルバリーナの砂村は装飾的な歌唱が美しく、バルバリーナにはもったいない程だ。ロッジーナの高橋も強いソプラノ。フィガロの照屋は硬質なバリトン。手馴れた感じ。「もう飛ぶまいぞこの蝶々」は軍隊行進曲のようだった。アルマヴィーヴァの大槻は迫力のあるバリトンで、伯爵の怒りをシリアスに表現していた。ケルビーノの細井は女性的なメゾでこの人にも強さが感じられる。"Voi che sapete"は舞台前面でコンサートスタイルでしっかり歌われた。ケルビーノの一生懸命さが感じられた。

美術はドアが両サイドにある簡単なもの。演出はオリジナルをしっかり丁寧に表現したもので分かりやすかった。

14.10.18 国立音楽大学講堂大ホール
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