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ドン・ジョヴァンニ・石の招待客(まろうど)/新国立劇場オペラ研修所試演会2017

2017-07-15 | オペラ
ドン・ジョヴァンニ・石の招待客(まろうど)/新国立劇場オペラ研修所試演会2017

G.ガッツァニーガ、指揮:河原忠之、演出:久恒秀典
ピアノ:石野真穂、髙田絢子、チェンバロ:岩渕慶子

ドン・ジョヴァンニ:荏原孝弥、
ドンナ・アンナ:斉藤真歩
ドンナ・エルヴィーラ:砂田愛梨
ドンナ・ヒメーナ(新たな彼女):平野柚香
騎士長:氷見健一郎
オッターヴィオ:濱松孝行
マトゥリーナ(ツェルリーナ):十合翔子
パスクワリエッロ(レポレッロ):伊良波良真
ビアージョ(マゼット):野町知弘
ランテルナ(給仕):水野秀樹
当初予定されていた吉田美咲子は体調不良のため斉藤真歩に交代した。

モーツァルト版に先行する作品で、大筋では同じ部分が多い。2時間弱でモーツアルト版より短い。モーツァルト版では、屋敷のパーティやその後のレポレッロとドンジョバンニを入れ替えた場面などが追加になっていて、これはガッツァニーガ版のバージョンアップとも言える。モーツアルト版ではドン・ジョバンニの「女たらし度」が落ちていて、ドンジョバンニやレポレッロが他の登場人物から、かなりやり込まれる。各キャラクターの描写はモーツアルトの方が深い。ガッツァニーガ版ではドン・ジョヴァンニはテノールで、この違いも役柄を描写する上で大きいと感じる。

カタログの歌に相当する部分は重唱になっている。ツェルリーナへの口説きは独唱で、ドンナ・アンナの横やりは入らずに誘惑がまんまと成功する。ドンナ・アンナとエルヴィーラがやりあう重唱があって、これはモーツアルト版には無い。

モーツアルト版との差分を見れば、モーツアルト版が何なのかが良く分かるということのようだ。

砂田は強いソプラノで、歌うようなレティタティーボが美しい。氷見は重厚でとても良かった。演奏はピアノに迫力があり、すごく良かった。細腕なのに、良くもあんなに多彩で凄い音が出るもんだ。

(Constanze - Constan) + (Maturina - Matur) + l = zerlina
Biagio -> Masetto ≒ Mozart
かと思ったけど、ちょっと無理があるかな。

17.06.30 新国立劇場、小劇場
コメント
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