コジ・ファン・トゥッテ/新国立劇場10-11
作曲:モーツァルト、演出:ダミアーノ・ミキエレット
指揮:ミゲル A.・ゴメス=マルティネス、演奏:東京フィル
出演:
フィオルディリージ:マリア・ルイジア・ボルシ
ドラベッラ:ダニエラ・ピーニ
デスピーナ:タリア・オール
フェルランド:グレゴリー・ウォーレン
グリエルモ:アドリアン・エレート
ドン・アルフォンソ:ローマン・トレーケル
絶海に浮かぶ孤島のような、小山になったところに、キャンプ場の建屋の「キャンピング・アルフォンソ」がある。右が宿舎で左が売店。売店の売り子がデスピーナ。売店の横にキャンピング・カー。裏が池。本物の水が張ってあって、歌手たちが水着を着て入る。全体の中央部分は小高い頂上で、その周囲に細い小道が付いている。衣裳やセットはパステルカラーで、木や芝草の緑が良く映えて美しい。このキャンプ場は回り舞台に出来ていて、その舞台を回しながら様々な位置で芝居が繰り広げられる。登場人物はリラックスした軽装でキャンプに来ていて楽しそう。
バカンスの休日、日常から逃れてキャンプを楽しむリフレッシュな気分。でも、うらはらに、物語はとてもビター。
ダニエラ・ピーニは美しい。声も美しい。良いドラベッラ。後半のソロは美しく強く楽しくスイングしていて、グリエルモとの二重奏はうっとりと甘くこれも美しい。声質はやや高い音が混ざるピュアな感じのものではなかったが、肉声の美しさを感じる声だった。低音も高音も安定していた。ボルシのフィオルディリージは高音が良く伸びて強いが、やや不安定な感じではあった。フェルランドとの二重奏が美しく印象に残った。
フェルランドとグリエルモは芝居が激しく、テントを作ったり、殴りあったり、歌の途中で斜面を数メートル転がり落ちたり、大変そうだったが、それでも歌は崩れなかった。アルフォンソはトレーケルで長身の安定したバスだった。タリア・オールは活発で元気の良いデスピーナだった。
それ程出番は無かったが、合唱が力強く歯切れ良く、気持ち良かった。
演出の最後はかなり手厳しい。甘くない。今回の演出は全体に厳しいものだったが、本来は甘い愛のささやきに満ちた楽曲であり喜劇であると思う。モーツァルトはアロイジアとコンスタンツェのことを想いながらこれを作り描いたのであろうか?
震災の影響で指揮者キャストに大幅な入れ替えがあった。当初予定は以下の通り。
指揮:パオロ・カリニャーニ
フィオルディリージ:アンナ・サムイル
デスピーナ:エレナ・ツァラゴワ
フェルランド:ディミトリー・コルチャック
11.06.05 新国立劇場
作曲:モーツァルト、演出:ダミアーノ・ミキエレット
指揮:ミゲル A.・ゴメス=マルティネス、演奏:東京フィル
出演:
フィオルディリージ:マリア・ルイジア・ボルシ
ドラベッラ:ダニエラ・ピーニ
デスピーナ:タリア・オール
フェルランド:グレゴリー・ウォーレン
グリエルモ:アドリアン・エレート
ドン・アルフォンソ:ローマン・トレーケル
絶海に浮かぶ孤島のような、小山になったところに、キャンプ場の建屋の「キャンピング・アルフォンソ」がある。右が宿舎で左が売店。売店の売り子がデスピーナ。売店の横にキャンピング・カー。裏が池。本物の水が張ってあって、歌手たちが水着を着て入る。全体の中央部分は小高い頂上で、その周囲に細い小道が付いている。衣裳やセットはパステルカラーで、木や芝草の緑が良く映えて美しい。このキャンプ場は回り舞台に出来ていて、その舞台を回しながら様々な位置で芝居が繰り広げられる。登場人物はリラックスした軽装でキャンプに来ていて楽しそう。
バカンスの休日、日常から逃れてキャンプを楽しむリフレッシュな気分。でも、うらはらに、物語はとてもビター。
ダニエラ・ピーニは美しい。声も美しい。良いドラベッラ。後半のソロは美しく強く楽しくスイングしていて、グリエルモとの二重奏はうっとりと甘くこれも美しい。声質はやや高い音が混ざるピュアな感じのものではなかったが、肉声の美しさを感じる声だった。低音も高音も安定していた。ボルシのフィオルディリージは高音が良く伸びて強いが、やや不安定な感じではあった。フェルランドとの二重奏が美しく印象に残った。
フェルランドとグリエルモは芝居が激しく、テントを作ったり、殴りあったり、歌の途中で斜面を数メートル転がり落ちたり、大変そうだったが、それでも歌は崩れなかった。アルフォンソはトレーケルで長身の安定したバスだった。タリア・オールは活発で元気の良いデスピーナだった。
それ程出番は無かったが、合唱が力強く歯切れ良く、気持ち良かった。
演出の最後はかなり手厳しい。甘くない。今回の演出は全体に厳しいものだったが、本来は甘い愛のささやきに満ちた楽曲であり喜劇であると思う。モーツァルトはアロイジアとコンスタンツェのことを想いながらこれを作り描いたのであろうか?
震災の影響で指揮者キャストに大幅な入れ替えがあった。当初予定は以下の通り。
指揮:パオロ・カリニャーニ
フィオルディリージ:アンナ・サムイル
デスピーナ:エレナ・ツァラゴワ
フェルランド:ディミトリー・コルチャック
11.06.05 新国立劇場
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