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ファルスタッフ/昭和音大2011

2011-10-16 | オペラ
ファルスタッフ/昭和音大2011

作曲:モーツァルト、演出:マルコ・ガンディーニ
指揮:松下京介、演奏:昭和音楽大学管弦楽団
出演:ファルスタッフ:三浦克次、フォード:上野裕之
   アリーチェ:納富景子、クイックリー:本多直美
   ナンネッタ:伊倉睦実、フェントン:江口浩平
 カイウス:新後閑大介、メグ:田中千晶
 バルドルフォ:高嶋康晴、ピストーラ:佐々木典

上野は輝かしく良く響くバリトン。2幕目で強烈な怒りのアリアを歌って大きな拍手をもらっていた。三浦は手馴れた感じのファルスタッフで、大きな芝居と歌。芝居全体を大きく見せていた。余裕のある感じで、歌っている最中に、多分滑って転んだらしい所があったが、余裕で歌い続けて大過なかった。本多のクイックリーも余裕を感じさせる歌と芝居で、特に低い音が安定していた。頼もしい感じで印象に残るメゾだった。ほぼ、このクイックリーとファルスタッフが芝居の芯だったように思う。納富も安定したソプラノで、低い音が良く出ていた。地味だけどしっかりしている印象だった。田中のメグはメゾのはずだが、高い音の方が良く出ているように思えて、納富のソプラノと田中のメゾが逆のように感じてしまった。伊倉は繊細で軽いソプラノ。3幕目のアリアでは拍手が出ていた。新後閑は出だしを担当。快速に飛ばしてこの劇の景気付けに成功した。

演奏は締まった感じ。ヴェルディの迫力が良く出ていた。全体のバランスも良かったように思う。学部生主体のオケ。ヴェルディの故か管楽器が良いと感じた。合唱は3幕目のナンネッタのアリアの所でのコーラスが強く優しく美しく、アリアと共に拍手を受けていた。

演出はオーソドックス。大掛かりな仕掛けを使えない制約の中で工夫をし、メリハリをつけて良い舞台を作っていた。2枚のスクリーンを上げ下げすることで場面転換を早くしていた。最後の幕で、太い木を数本天井から下げて、上部をスクリーンで隠す形で森を表現していた。この木がゆらゆら微かに揺れて、それがちょっと幻想的で面白かった。衣裳ではクイックリーの紫が鮮烈で印象的だった。

ワイワイ、がやがや忙しいオペラでアンサンブルが難しそうだったけれども、みんな頑張っていた。

11.10.09 テアトロ・ジーリオ・ショウワ

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