Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

SCS-35の記憶

2008年11月30日 | ピュアオーディオ

昨年SPケーブルSCS-34(ルシファー)を作成した時に、最後に残った2種類のうち採用されなかったSCS-35と言うケーブルが有りました。

低域のドライブ力はSCS-34よりはるかに上の性能でしたが、高域とのバランスの問題でSCS-34の方が一歩上のバランスと判断しました。この判断が間違っていなかった事は既に購入されたユーザー様の反応で判ります。

この時はケーブルの太さに唖然として先を読めていなかったのかもしれませんが、商品化にはこの太さが限界と思っています。

と言う事は、「私個人用」には制限がないという事です。良いと思ったケーブルを無制限の仕様で造って見ようと思います。ルシファーのW仕様はSCS-34とSCS-35のサウンドを合体させたサウンドになるはずです。

LE15Aの重いウーハーがわずか10Wくらいのパワーでフルドライブできる可能性が有ります。そうなりますとアンプへの負担を大幅に減少させる事に繋がります。これは楽しみです。


新しい企画

2008年11月30日 | ピュアオーディオ

先日来「伝送ロス」に付いて思考を深めていまして、頭の中が随分と整理されて方向性が見えてきました。

V=RI・・・オームの法則です。

材料的にもAgとCuの抵抗値差につて確信を持てるようになりました。同じ線径なら6%の差が有りますが線径を大きくすればこれを軽く逆転できるもので、銀線と銅線の価格差を考えると現在の銅線に多層の銀メッキ線で対等と考えるに至りました。

現在一般的にオーディオケーブルの材質は銅線です。芯線径も約1㎜前後になっていますが、私から見れば「使い勝手」から来た線径の様に考えられます。

先ほどのオームの法則から行けば、同じ電圧で有れば抵抗値を下げれば電流値が増えると云う事になります。より沢山の信号を電流に乗せようとすれば電流値を上げた方が有利になります。

アンプの出力電圧を一定として考えると、SPケーブルの線径をより大きくしてやれば電流値は大きく出来ます。電流値を大きく出来ればより多くの信号を載せる事が出来ます。

ただこれから先の問題は「周波数バランス」や「位相のバランス」を取りながら進める必要を今までの経験から感じます。

次週現在手を付けている(準備している)中音の#375とハイルドライバーの伝送能力改善を行ってから実験してみたいと考えています。

単純に現在の「ルシファー」のW線化でまず実験してみようと思います。これで線径は2倍になりますのでより低抵抗になります。

現在オリンパスシステムは「オールルシファー」です。アンプ等の機器側ではもうこれ以上の線径の太さは無理でしょう。残るはSPケーブルとSP内配線の拡大です。

現在でもSPケーブルにΦ11㎜のケーブルを両chで36本使っています。これを72本にしようとしています。もう気違いですね。(苦笑) ケーブル屋をやっていなければ出来ない事です。


伝送ロスを突き詰めて行くと

2008年11月29日 | ピュアオーディオ

「伝送ロス」の極小化を突き詰めて行きますと、新しいケーブルの構造や容量(太さ)をイメージします。

またケーブルのみではなく「プラグ」や「ソケット」の構造も現状で良いのか?と疑問を持ちます。SPに付いても現状の考え方の主流(低音・中音・高音各1ユニット)にも非常に疑問を抱いています。

「直接音」と「間接音」とでステレオの音は成り立っていますが、一つのユニットではどちらも満足させる事は難しいのではないかと思いはじめています。実際私の装置ではツィーターは4種類のそれぞれ違う方式のユニットを同時に鳴らしてやっと満足しました。中音も現在2種類の方式が異なるユニットを同時駆動させて表現の豊かさを獲得しました。

要するにSPにも「出せない音」=「伝送ロス」が有るのだと気づいています。一つのユニットではすべての音を出す事は出来ないと思います。トーキー以来、マイクで拾った音源をすべて出せたと云う装置がまだないのかも知れません。


音が途切れて聴こえるのはなぜ?

2008年11月29日 | ピュアオーディオ

化け物ケーブルのSPケーブルを聴いている時は気付かないのですが、繋ぎ換えてルシファーケーブルを聴くと実になめらかに感じます。また元のケーブルに戻して聴くと明らかに音が途切れたように聴こえます。

どのように違うかと云いますと、ルシファーでは「あー」(つながっている)と云う声に聞こえるのに他のケーブルでは「ああああ」と云う風に聴こえるのです。

音は波ですので波の波形(サイン波)で説明すると、+側の「山」の部分で音が出て、-側の「谷」の部分では音が途切れる・・・そんな感じです。

ルシファーを作ってからその原因を色々と調べていますが、まだ良く知られていない「事実」が有るかもしれないと思っています。

案外三相電源であったらはじめからオーディオは簡単に良いサウンドを獲得できたかもしれないと真剣に考えるようになりました。電源の位相を120度ずらした三相構造ならば「途切れる」事はないからです。

しかし、目の前の事実から行くと単相100Vの電源を直流に整流しても尚交流の影響を受けているとも考えられますし、ルシファーの様なケーブル構造にすれば「効率よく」取り出せるのかも知れません。現在2種類のケーブルを組み合わせていますが理想はどうやら3種のケーブルの組み合わせと思っています。これらのケーブルを探す作業が実に大変です。


6L6のメタル管ついて

2008年11月28日 | ピュアオーディオ

6l6metal 管球アンプで6L6系の球を使ったTrail仕様管球アンプを揃えている件は既にお話しています。最初に使った球の印象が良くなかったので「使えない球」と思っていましたが、組み合わせに使ったアンプが良くなかったようです。当該アンプをTrail仕様化した事で半田材と配線類を一新され本来の性能を発揮し始めたようです。

RCAやケンレッドのメタル管は驚くほど安く手に入ります。これがGECのKT66と変わらない性能と云えば納得されるでしょう。

ただこの球はほとんどが「中古球」です。用途がほとんど軍用で有ったと推測されますので、真空管の寿命が判らなかった時代ですので指定の時間使われてから払い下げられた物がほとんどだと思います。

実際は非常に丈夫な球で「指定の時間」ではエージング程度の使われ方だと思います。しかし、その後誰かが使ったのかは外見からは全く判断できません。その意味では「非常に危ない球」かもしれません。

このメタル管の表面には電源をONしますと30V程の電流が流れますので、知らずに触るとビリビリっと「感電」します。もっともSWを入れると熱くなるので触る人はいないと思いますが知識としてはお持ちいただく事が必要です。

特にアンプがトラぶった時、通電しながら調整や測定をする時等は注意が必要です。


固体メモリーをカセット感覚で

2008年11月27日 | ピュアオーディオ

質の良いソース機器を探しています。

回転系を持たない固体メモリースティックをカセット感覚で使える商品が出ないか待っています。

現在PCに接続してつかうUSB-101なるインフラノイズ社の商品が出ていますが、まだ使い勝手の面とPCノイズが気になるのでとても手を出せません。技術の進歩は日進月歩ですので早晩希望するような機種が安価に出てくると予測しています。

ワディアの様にipodを挿して使うようなものですが、もっとシンプルなのが良い。PCでメモリースティックにダビングしてスティックのみオーディオの部屋に持って行ける様なのが希望です。


RCAケーブルの抵抗値

2008年11月27日 | ピュアオーディオ

オーディオに使うケーブルは「低抵抗」なものほど良いと云うのは誰でも判る話と思います。抵抗が有れば電気が熱変換されることは周知の事実です。(抵抗が高いほど音が濁る傾向に有ります)

ちなみに手持ちのRCAケーブルのDCRを測定して見ました。

1)某社 8Nケーブル   1m仕様・・・7.3Ω

2)自作ベルデン#8412 1m仕様・・・4.1Ω

3)自作SCR-15      1m仕様・・・0.9Ω

この抵抗値差は「ケーブル材+半田材+プラグ材」の総和です。プローブの当たり方で相当変化しますが10回ほど測定した平均値です。皆さんもお手持ちのRCAケーブルを計って見てはいかがですか?(測定部位は+端子:センターピン~センターピン間です)

初めてスーナーケーブルのDCRを測定した時に本当にびっくりしました。何度も測り直しました。ケーブルの1Kmの表示は50Ωですので理論的には0.05Ω/mと出ますが、測定方法の精度を考慮に入れてもこの値は「保障値」の様で現実的にはこれよりも更に低く出来ているようです。

音質は1)と2)では大差ありませんが3)では情報量に「大差」が出ます。この情報量を表す「管理指標」がまだよく判りません。現在は耳による「官能検査」を使うしかないと思っています。

RCAケーブルの音質は「抵抗値」だけで判断はできません。当然「材質」の音が載って来ます。また物性の音も載って来ます。


音の厚みに付いて

2008年11月26日 | ピュアオーディオ

昔から「真空管式アンプ」と「Tr型アンプ」では「音の厚み」が違うと言われています。実際自分も35年前(20才頃)にサンスイAU-9500からLUX CL35Ⅱ+MB88にアンプを交換した時に、「何でこんなに音の厚みが違うのか?」と思ったことが有ります。

立ち上がりの早さはAU-9500が良かった様に思いますが、出てくるサウンドの「音楽性」は断然管球式に軍配を上げました。

この時は「価格差」も有りますのでさほど気にも止めませんでしたし、サウンドが良くなった事に有頂天になっていたものでした。

昨年から本格的に「管球アンプ」の導入をはじめて考える事は、「音の厚み」=「情報量」 ではないかと云う事です。

アンプの蓋を開けて内部配線を見ますと一般の管球アンプもメーカー製のTr型アンプも皆一様に「細いケーブル」(16GA以下)の配線がほとんどです。

ですから、管球アンプもそのまま使いますと色々な面で「音質不足」を感じます。Tr型アンプに感じた「痩せた音」にも通じるものです。

今までのケーブル交換の結果から、アンプ内部の配線にも「化け物ケーブル」や「ルシファーケーブル」を使えたらさぞや良くなるのではないかと思いますが、線の太さが半端じゃありませんのでΦ6㎜の線径がやっと使える太さと判断し、自分用に交換をしたアンプを作って来ました。

こうして作ったTrail仕様の管球アンプはメーカー製のTr型アンプと比較しても「情報量」で勝っていますので、ついに交換する事になりました。

その結果、現在のオリンパスシステムの中・高域のアンプは管球アンプがTr型アンプを追い出して居座る事になりました。低域用も準備していますのでゆくゆくはすべて交換する事になると思います。

結果として中・高域の情報量(音数)が増して、「音楽の表情」がより豊かになりました。しかし、良い事づくめでは有りません。

予備の真空管の確保が大変です。少しづつ内部留保を増やしていくしか有りません。


電源コンセントについて

2008年11月25日 | ピュアオーディオ

前の記事で壁コン電源の写真をお見せしましたが、これはわざと手を付けていないのです。某メーカーの3P式壁コンに交換すればもっと音の厚みや質感が良くなる事は理解していますが、ユーザー様の環境に近い状態でのサウンドの方が説得力が有ると思うからです。


現在のオリンパスシステムの音

2008年11月25日 | ピュアオーディオ

200811251 オリンパスをドライブするアンプはまだ固定出来ていませんが、現在は左の写真に有るように、低域にM-100、中域に6L6Gpp、高域にKT66シングルの構成で楽しんでいます。

M-100はTr型アンプですが、管球式アンプと違和感は有りません。管球アンプの方がTrail仕様のアンプなので、立ち上がりやスピード感がTr型に負けていません。

200811252 これが中音を持たせている6L6Gppアンプです。出力15W/chですが#375には十分すぎるパワーです。このアンプに使っている球がSTCのCV1947です。GECのKT66よりもこちらの質感の方がより表情豊かです。

200811253 こちらが高域用のKT66シングルアンプです。もともとは三栄無線のKT88シングル用キットですがKT66専用にCR類をやり直して有ります。付いている真空管はGEC KT66でCVNoのモノです。

200811254 次にお見せするのは初めての写真です。オリンパスシステムのアンプ群の裏側の配線写真です。すべてのケーブルが「ルシファー仕様」ですので大変なボリュームです。この音質を確保する為にはどうしても必要なケーブルですのでレイアウト性を犠牲にして使っています。

実は管球アンプの導入前はもっと隙間が小さくて済んでいたのですが、配線の取り回しの差や長さを専用に合わせていないので隙間が大きくなってしまいました。

200811255_2 左の写真はこのオリンパスシステムのメイン電源の壁コンからの取り込みの写真です。SCE-46に市販のアダプターを介して30年以上前の2P壁コンに繋いでいます。

これでノイズレスです。アイソレーション電源も使っていません。このケーブルの先はフルテックの6個口タップに繋がっています。

小電流用とパワーアンプ用と2か所の壁コンから取っていますが、まったく同じ方法で接続しています。