私の4つのシステムの「音質」の根源は、「ケーブル材」と「接続部品」・「ヒューズ」になると思う。人は「電線病」と云うのだろうが、そんな事を云う人は「科学的思考」が出来ない方だと思う。私が「ケーブル材」に目を付けたのは素朴な疑問から・・・。
オーディオ機器に使用されているケーブル材は本当に現状で良いのか?1970年代は扇風機に使用されている様な細いケーブル材がメインであった。1980年代後半になるとやや太めのケーブル材になって来て「音質アップ」したとの情報が出て来た。それなら、どのくらいの太さ(芯材の断面積)や材質など4Mを変えたらどう変化するのだろうか?
扇風機はモーターを回して「風」を送り出せば目的を達する。それに対して、オーディオ機器は「音」と云うものを使って、ソースから音を取り出して複製音を出し、「音楽」として楽しむ事で、目標が簡単には見えない。「音」と云うのは4Mが変われば直ぐに変化する。受け手の力量にもよるが、感性だけでも各人が変わる。もちろん経験でも変わって来る。オーディオには「本質を見抜く力量」が要る。
技術者には終わりがない。常に最高を目指して技術開発をして行く。他人の批判には謙虚さを持ち、理論的に対抗しうる原理を持つまでは謙虚さを忘れない。
ただ技術者も万能ではない。出会いの機会も必要であるし寿命もある。何処かで妥協して「音質アップ」活動を閉じる事も考えないといけない。オーディオの泥沼を抜け出して、「音楽を楽しむ」本来の目的に立ち返る事が大事だと思う。現在はそんな境地に建ったように感じる。