(奥の1本が整流管)
アンプの音質傾向は「整流デバイス」によって大方の傾向が決まる。一般には「管球アンプ」と「Tr型アンプ」(ICデバイス含む)で違う様に言われるが、間違いではないが、むしろ「整流デバイス」によっての基本性能が決まる様です。
一般的に整流デバイスとしては、
1)整流管方式
2)セレン方式
3)ダイオード方式
の3つに大別されると思います。それぞれに質感が大きく変わります。整流管方式でも同じ規格の球でも、作ったメーカーや時代が変われば大きな質感の変化が出てきます。1枚目の写真の奥の1本が整流管です。写真では大型の米国製整流管が写っています。2枚目の写真では英国オールドムラードの5AR4です。かなり小型ですが、性能は「つきとすっぽん」ほど違います。オールドムラードの質感はしっとりして緻密な音の傾向があります。前述の米国製(軍用球)は何処かフォーカスの合っていないような音になります。
セレンを整流子に使った機器で有名なのは「マランツ#7」(管球式)です。しっとりして整流管に近い緻密で柔らかいサウンドが出てきます。私も1台しか聴いたことがないので断定はできませんが、「ノイズ」が気になりました。
こちらも管球式ですが、「ダイオード整流」の管球アンプです。どちらかと云えば「カチッと締まった音」のする傾向になります。同じ管球アンプでも整流のデバイスや前段管・出力管が違えば「質感」は大きく変わります。
TR型アンプでは「ダイオード整流」が一般的です。前述した様に「ダイオード整流」はSN感が良く、「カチッと締まった」音の傾向があります。Trデバイスで使われるN形・P型の整流子を使います。Tr自体もNPN型・PNP型の種類があります。ダイオードも「石」と呼ばれる存在です。Tr型アンプはその点で管球式より「カチッと締まった」サウンドになり易いです。この性質は「コーン型SPユニット」との相性が良くなります。
自分の好みに合ったアンプを作ったり、見つけてシステムを構築するのが楽しいですね。