Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

フルトベングラーの「運命」

2009年11月30日 | ピュアオーディオ

昨夜は久しぶりにフルトベングラーの「運命」を聴いて見ました。モノラル録音ですので音質と音数は大したことは有りません。彼の演奏はブラームスにしろベートーベンにしろ「テンポ」の緩急とメリハリの利いた演奏が素晴らしいといつも感じます。

作曲家の指示通りに演奏した方が良いのか?作為的な演奏が良いのか?は一概に言えませんが、彼の演奏は「基本的な模倣」を終えて「フルトベングラーの世界」を築いている点だと思います。

我々オーディオマニアも「模倣」を越えて「オリジナルな世界」を築く様になりたいものです。個人的には「独創的なSPシステム」や「アンプシステム」を作って挑戦しています。


私のスピーカー考

2009年11月29日 | ピュアオーディオ

オリンパスシステムをマルチアンプでドライブしているので、低音、中音、高音のON・OFFやバランスの変更が直ぐに出来ます。

3ウェイのSPで低域(500Hz以下)の占める「音の量」の比率は70%くらいに感じます。中音で25%、高音で5%くらいでしょうか。

中高音には色々と優秀なユニットが多く、それらのユニットのパラレル化をすれば割合簡単に「音質」の優れたシステムを作る事は出来ます。しかし、肝心要の低域の良いユニットに選択肢が少ないのが悩みの種です。

最近のSP(1970年以降)のユニットはJBLのプロ用ユニットかアルテックのトーキー用ウーハーぐらいしか、SPユニットで手に入るものが有りません。1980年代以降、ユニット売りよりメーカーオリジナルSPシステムとしての販売に移行している為です。

私のこれまでのウーハーの音質比較ではJBLプロ用ユニットは使えない代物だと思っています。同じJBLならむしろ1970年以前のコンシュマー用ユニットの方が「音数」も多くてバランスが良いのでこちらを使いたくなります。

AV用の需要の為か、トールボーイのSPが増えていますが、まずこの形では私は満足できません。JBLのK2 S9500SE のキレの良さは認めますが、バッフル面の少ないサウンドにはメリット・デメリットが有ります。「生演奏」の雰囲気を求めるなら「バッフル面の大きさ」も必要だと思っています。

同じくAV用になって「ウーハーの情報量」よりも「音圧」(迫力)を求める方向に性能が移っているようで、有りもしない「ドカーン」のサウンドの快感に酔う様なリスニングスタイルに変わって来ているようにも思います。音楽好きにはチョッとつまらないサウンドです。メーカーもなんかイージーさに向かっているようで、「技術力」ではなく、ウーハーの数で勝負みたいに感じるのは私だけでしょうか?。

システム全体の70%を500Hz以下の帯域で占有するのですから、「音質の良い・情報量の多い」ウーハーを私は求めて行きます。多分1950年以前のウーハーになると思うのですがどこまで遡るのか楽しみでも有ります。


電源系の音質アップで試したい事

2009年11月28日 | ピュアオーディオ

電源系での「音質アップ」の実験をやりたいと考えています。まだ確実に「音質アップする」という確信はありませんがアイデアを持っています。

電源系では
1)壁コンのオーディオグレード化
2)壁コン~タップ間のケーブルの極太化
3)タップ内配線の交換
4)タップのコンセントのオーディオグレード化
5)117Vステップアップトランスの高音質化

をして来ましたが、まだ他に実験をしたいと考えています。中身はしばらく秘して置きます。


「音質アップ」への障壁

2009年11月27日 | ピュアオーディオ

現在所有する6セットのSTEREOシステムは、個人的に「現在出来る最善の対策」を施しています。一般に云われるケーブル類を除いています。

「具体的にどのような事か?」と言うと、
1)SPユニットに使われている「鉛半田」を「鉛レスAg半田」に交換。
2)コンプレッションドライバーの内部配線交換。
3)SP側及びアンプ側のSP端子の交換。
4)SP内部配線の交換(ネットワークも含む)
5)管球パワーアンプの内部配線の交換。
6)タップ内配線の交換。

等です。

この中で 5)の管球パワーアンプをはじめとする「アンプ」、「CDP」の機器の「内部配線」が大きな障壁となっています。管球アンプなら「手配線」ですので何とか交換は出来ますが、Tr型アンプではプリント基板と内部配線の細さが「ネック」となっていると思っています。

今後の「音質アップ」はアンプ・CDPの内部配線の「ルシファー化」を大きなテーマと考えています。言うは易いですが実際にやるとなると「とんでもない負担や負荷・リスク」が有ります。

現在の「Trail仕様管球アンプ」でさえ「ブルースーナー」しか使っていません。これを「化け物」や究極の「ルシファー」ケーブル仕様で出来ればとんでもない「音質」を確保できると推定していますが如何せん「部品配置やレイアウト、パーツの選択等」の障壁が非常に高いのです。


Haltron 6L6G 予備球の音質確認

2009年11月26日 | ピュアオーディオ

先日落札したHaltron 6L6G 予備球が来ましたので、動作確認を兼ねて音質確認をしています。6L6Gのアンプが6セット有りますので、その予備球も数多く集めています。

Haltron_6l6g1

この球はルックスが良いので試して見たいと思いました。使って見ての感じもルックスと光り方が穏やかで好ましいものです。
Haltron_6l6g2

ルックス的にはWEの350Bやナショナル ユニオンの350Bに近いものが有りますが、内部構造は違います。ハイトロンは商社ですのでOEMで色々なメーカーに作らせています。その主な発注先は日本の工場の様です。ですので「日本製」的な音質に聴こえます。

今回は8本セットで購入しましたので1本当たりの単価は意外と安くてに入りました。音質も一応使える範囲なので、作りの良さと相まって安心して使えると思います。


鳴らし込みの目的

2009年11月25日 | ピュアオーディオ

昨日は真冬の様な寒さから今日は一転して小春日和で清々しい気持ちで「音楽」を楽しんでいます。

Itaria

先日から「コレルリ:合奏協奏曲8番ト短調」の演奏を集中的に聴いています。イ・ムジチ、イタリア合奏団、イ・ソリスティ・ヴェネティの3枚の聴き比べはもとより、今日はイタリア合奏団のモノを事務所の方に持ってきて、「オリンパスシステム」や「RCAシステム」でも聴き比べをしています。弦楽器を得意とするBC‐Ⅱでも聴きましたが「格」が違いすぎます。

聴き比べの目的は「弦楽器群の音色の違い」、「低音の違い」、「全体のバランスの違い」等を比較して、一番良いものにバランスを合わせようとしています。

自宅の707Jシステムも合わせて3セットのSPシステムでも「全体のバランス」が違う為、演奏の印象が随分異なります。やはり「オリンパスシステム」の演奏が一番生々しいし、鮮度感が最上位にきます。JBLのSPから信じられないくらいの「艶やかな弦楽器の音色」が聴こえます。低音の分解能や音の弾み方、ゴリッとしたリアル感は最右翼です。

707JシステムもRCAシステムも低域のウーハーはD130の16Ωを使っていますので、この辺にひと工夫すれば更に良くなると思います。D130の最初期型に「フラットバックのD130」が有ります。LE15Aで味をしめた「最初期型」のユニットが非常に気になります。

機器の組み合わせやSPユニットの組み合わせも一段落しまして、現在は次のステップの為の「鳴らし込み」期間中です。この時期に沢山の試聴をして次のトライをするポイントを探ります。自宅の707JシステムもRCA箱システムもまだまだ良く出来る余地が沢山あります。この冬の間に沢山のCDを聴いて問題点を洗い出し、次のステップへの準備をします。


自分の「物作り」の方針

2009年11月24日 | ピュアオーディオ

一般の製造メーカーは「コストダウン」するものだと先のブログに書きました。今、自分がやっているのは「夢を売る商売」だと思っています。良い「音質」がすべてだと思っています。オーディオの趣味を楽しんでいる皆さんに「安易なコストダウンの商品は販売しない」事を守りたいと思います。

「オーディオの基礎技術」の見直しの成果で「商品」が出来ています。だから、その分野を追求していて「最高に良いもの」を作り出して行きます。それを維持して販売をしています。

ただ、研究の成果で出来ていますので「もっと良い商品」(もっと音質が良い)が出来れば追加で販売をしますが、コストダウンで商品の品質を下げて販売するような事は致しません。

現在、SPスタンド、ケーブル類の商品開発が終わり、一部規格品も有りますが受注生産方式で展開中です。

他にも管球パワーアンプ、電源タップ、SP内配線の技術、SPユニットの組み合わせの技術等が完了していますが、商品化できていないものも相当有ります。これらをどう商品化して行くかが今後の課題です。

個人的に「ポジティブ」な考え方を大事にしています。「減点方式」のネガティブは発想は好みません。

オーディオの世界はまだ未開明な部分が多く、今まで「オーディオの常識」みたいに言われていたことを実際に確認すると、「未完の技術」で有ったり「迷信」で有ったりと云う事を痛感しています。今までのオーディオの考え方では「追求し切れていない」部分が多いと考えていますので、今後も「ポジティブ」な考えで「良い音質」(生の音に近づける)を目指す努力をコツコツと積み上げて行きます。


基本的に優秀なSPユニットは?

2009年11月24日 | ピュアオーディオ

私は電子部品の工場で25年間「もの作り」の現場の最前線で働いていました。その中で重要なポイントは「4M」(人・機械・方法・材料)だと学びました。この4Mのうち何処か一か所変わっても「別の品物」になると云う事をいやと云うほど経験しました。その為、「作り方の平準化」として「作業標準書」を作る様にしています。しかし、作業する人が「標準書」を理解し、「技能」を尽くさないと同じものは出来ません。「作業標準書」では伝えきれない部分が有りますので「技能の伝授」が必要です。

同じ事をやっていても企業ですので常に「コストダウン」の命題が有ります。この為色々と実験や創意工夫を現場で実践して行きます。

どこのメーカーでもまっとうな企業は同じ事をやっていると思います。それがSPを作るメーカーでも同じ事が云えると思います。

アメリカのオーディオ商品で「黄金期」は1950年代です。この頃のSPユニットは今現在でも素晴らしいサウンドをしています。

それが20数年たった日本のオーディオ商品の「黄金期」が1970年代になります。日本のメーカーは「模倣」から始め、「一球入魂」の商品までをだしていたのかもしれません。でもアメリカでは「コストダウン」の時代に入っていたのです。

D130やLE15Aのユニットを製造番号で追っかけて行くと、「古いものほど良い」と云う結果を持っています。1950年前後のモノに落ち着きそうです。

同じJBLでもSPユニットは同じ年代に合わせないと「違和感」を覚えます。ウーハーに1950年代、中音・高音が1970年代では「音の質感」が変わってなかなかしっくりきません。


クラシック向き?JAZZ向き? のSP

2009年11月23日 | ピュアオーディオ

よく「クラシック向きのSP」とか「JAZZ向きのSP」と云う言葉で自分のSPの性質を述べられる方が多いが、私はSPは「音変換機器」としての「性能」で考えます。

「生の音」は我々の直ぐ身近に有る「空気」を震わす「波」の事で有り、クラシックもJAZZも楽器や録音されたホール等の場所の違いだけで「同じ空気」の中で演奏されています。だから私には「クラシック向き」や「JAZZ向き」もない訳で、「その場で演奏された雰囲気をそのまま再現させる」事を目指しています。

逆説的に云えば「クラシック向き」とか「JAZZ向き」とか言われている方のシステムのサウンドは「大きな欠陥を抱えている」と申し上げたいと思います。

「オーディオの基礎的技術」の本質を無視して、単なる機器の付け替えだけでは進歩は有りません。「基礎技術」の見直しをすれば大きな変化をさせる事が出来ます。「音質」に対して小手先の対策に大金を投じるより「基礎的技術」の見直しの方がはるかに効果が高いのです。

私のJBL3大ホーンシステムは、クラシックも弦がぬれた様な再生と、オーケストラならスケール感の大きい再生音をします。編成の小さい室内楽なら目の前で演奏している様な再現をします。この同じ状態でJAZZのシンバルも繊細で、スネアのブラシはドラムの革の上を擦っているのが判りますし、抜ける様な余韻も出して来ます。ダイナミックな躍動感や叩きつける様な躍動感も再現します。

クラシック向きとかJAZZ向きの範疇でしか判断できない装置はまだまだ重大な欠陥を持っていると思います。


オーディオシステムの「音質」に対する占有率

2009年11月22日 | ピュアオーディオ

オーディオシステムの「音質」に対する占有率を今までの経験から考えて見ると、(乱暴では有りますが・・・)

1)SPシステム・・・占有率約50%
2)ケーブル類・・・占有率約30%
3)CDPやアンプ類・・・占有率約20%

と云うのが私の実感です。

システムの要は何と言っても「スピーカー」です。ここで 「どこまで出せるか!」 が決まります。20cmウーハーのシステムには20cmの世界が有り、38cmウーハーシステムには38cmの世界が有ります。この差は如何とも埋めがたいです。

またSPシステムには 「音変換ロス」 と云うものが有って、信号でSPターミナルまで送られた 「電気信号」 を 「音変換」 する訳ですが、 「全ての信号を音変換している訳ではない」 と云う事です。ユニットのパラレル化」と云う事を通じて、ここの部分への対策が必要だと云う事を掴んでいます。一つのユニットでは 「音変換」 出来る 「位相」 と 「量」 が限られると云う事です。

試しに、インピーダンス整合や定位は無視して、低域、中域、高域のユニットにパラレルに正反対の特徴を持つユニットを組み合わせて出てくる音を確認すれば理解出来るでしょう。

2)番目のケーブル類は 「伝送ロス」 の象徴です。機器間を接続するケーブルで 「情報が消える」 と云う事はショックかもしれませんが事実です。この時のキーワードは 「抵抗値」 です。「抵抗値」が大きいケーブルほど「伝送ロス」が大きいと云えるでしょう。

信号系(インコネ・SPケーブル)と電源ケーブルトに分類されますが、どちらも重要です。電源ケーブルは「機器」に付属するものだと認識しています。

3)番目に機器類ですが、システムへの占有率は約20%くらいしか有りません。多くの機器がその「性能」の数分の1しか使われていない実態をお感じになられた事が有るだろうか?機器は「電源ケーブル」と一緒に評価されるべきものだと思います。一般にメーカーオリジナルの「直出し配線」の機器ではその性能の「1/10」くらいしか取り出せていないと思います。

CDPやアンプ機器に対する個人的な感想は 「抵抗体」 で有ると思っています。この機器たちの「インピーダンス」値を下げる事が非常に大事です。これが「電源ケーブル」を良いものにしますと出来るのです。それを私は 「活眼/覚醒・機器の活性化」 と呼んでいます。そうして「一本のケーブル化」にする事が出来ると思います。

上述の占有率はそのまま機器の「配分金額」の目安にもなります。SPに50%、ケーブルに30%、機器に20%。これくらいの比率でいけます。アンプに弩級のものを持ってきても良いのですが、金額対効果はそれほど占有率を左右しません。