新しい機器やSP、ケーブルを購入した時の嬉しさは、誰も「ワクワク・ドキドキ」しているモノだと思う。かく云う私もその一人です。「どんな音質か?」、「どんな音色か?」、「どんな音の拡がり方をするのか?」等、「サウンドの変化」を聴き逃すまいと神経を集中しているものです。
「第一声」が良い場合は、案外とすんなりと導入の喜びを味わえますが、逆に「今一」の場合は「落胆」は隠せません。しかし、私はこの場面でも過度な期待は持たない様にしています。
新品で有れ中古で有れそれらは、「眠っていた機器」ですので直ぐには目覚めません。「目覚め」させるのに約1ヶ月、「活性化」させるには約半年~1年は見ておかないといけません。少なくとも「目覚め」させる所まで行かないと「良否」の判断は出来ません。
CDP、アンプやSPの場合はだいたい繋いだ直ぐは「ぼんやり」したサウンドになり易いです。これは接続したケーブル類のソケットとプラグが馴染むのに必要な時間です。最低でも累計5時間は必要だと思っています。その後徐々に性能の片鱗を見せ始めますが、それを「本領発揮」と思っては行けないと思っています。まだまだ先は長いのです。
性能の高い機器程、「活性化」の時間が長くかかる傾向にあると経験的に学んでいます。大体のストーリーは、「ボンヤリ」→「やや明瞭」→「バランスを壊す」(苦行)→「バランスが元に戻り始める」→「活性化が本格化」→「本領発揮」と云う流れになると思います。
例えばSPを新品の機器に交換した場合は、「約1年かけて活性化させる」ぐらいに考えていた方が良いです。その間にSPのセッティングを詰めて置くべきです。「音を濁らせない事」がキーポイントです。部屋鳴りが出ている場合は「ハウリングマージン」を取らないと先に進めません。ケーブル類は初めはあまり性能が高いモノより、1~2段落ちしたケーブルで鳴らし始めるのが「活性化」期間を短く出来ます。そのケーブルで「活性化」したと判断してから高性能のケーブルにグレードを上げて行きますと、更に上の次元のサウンドを体験できるようになると思います。こうやって少しづつ「馴らして行く」のも一つの手です。
何事も一足飛びには行かないものです。この「活性化」の時に重要なのが「使用頻度」です。毎日2時間ほどは最低使ってやらないと活性化が進みません。1回(5時間)/週と云った使い方(まとめ聴き)では「毎回初期化」している様なもので、眠っている間にケーブルのプラグ・ソケット部分に酸化膜が載って、それを「取り払った」を繰り返している様なものです。
新しい機器の「活性化」のキーワードは「使用頻度」です。これが少ないと「本領発揮」は「道はるか」です。維持管理についても同じことが言えます。