1980年代辺りを境に、メーカー製の「オールインワン」のSPシステムばかりになって来た。現在もその傾向は続いており、更に「新幹線スタイル」になって来ている。
1970年代以前の高級品は「家具調」の作りが多く、手の込んだ格子やエンクロージャ(フロントロードやバックロード等)が多かった。1970年代以降「日本製」のトランジスターアンプとブックシェルフSPが世界を席巻して、オーディオがより安く、高音質で手に入る様になった。この事自体は非常に良い事なのだが、「悪貨は良貨を駆逐する」の例えの通り、上級機に限って見れば数が少なくなった様に感じる。
オーディオ機器は「耐久消費財」に実際になっていると思う。一般の方は1セット有って壊れなければ買い替えはしないだろう。「音質」を求めて買い替えするのは「オーディオマニア」ぐらいかも知れない。
ただオーディオマニアにも色んな方がいて面白い。
1)名器を集めるコレクター
2)音質追求型
3)自作派・・・(アンプ派、SP派等)
4)超高級機のみの買い替えを繰り返す方
5)比較試聴を繰り返す方
6)オーディオ訪問派 等々
現在では、オーディオマニアは希少な存在になりつつある。
本題に帰って、「疑問」に思う事が有る。中域や高域には色々なタイプ・方式のSPユニットが有る。例えばコーン型・ホーン型・ドーム型・リボン型・コンデンサー型等。しかし低域用は何処のメーカーを見ても、コーン型だけの様に感じる。(一部コンデンサー型のフルレンジも有るが・・・) 低域だけが70年以上SPユニットとして新規開発されていない様に思う。現在の技術力なら低域をコンプレッションドライバーやリボン型で、安価に作れないだろうか?
最近のSPには変わり映えしない事と、コストカットの印象が強く食指が動かない。SPユニット自体は進化しているのか?退化しているのか?疑問に思う。アンプは着実に良くなって来ていると思うが、その恩恵の上にSPの性能が成り立っているのなら本末転倒な事だと思う。