Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

ケーブル類の選択 その② (音質アップの基礎技術追求)

2016年04月30日 | ピュアオーディオ
自分が「ケーブル」に目覚めたのは12年ほど前になります。それ以前は「ケーブル」について疑心暗鬼でした。ごく一般の方と同じで「ケーブルはどこのメーカーを使っても大したことはない」と思っていました。当時7Nや8N、OFCケーブル等を使って来ましたが、「気持ち変わった分」くらいの変化しか体験できていませんでした。

劇的に「ケーブルの重要性」を認識したのは、「スーナーケーブル」との出会いです。スーナーケーブルは古くはM・レビンソン氏が自社製のアンプに使って一時話題になった様ですが、世間に疎い私はそのような事も25年後に知った状態でした。他社のケーブルと何が違うかと云うと「音圧が高くなる」(同じボリューム位置では音が大きくなる)事と「鮮度感」(質感)でした。

最初に入手したのは「φ11mmブラックスーナー」と云うケーブルを使ったRCAケーブルでした。8Nケーブルで使っていたCDP~プリアンプ間に使ったら、それまでのナローな音色が「キレ・ヌケ・ノビ」を感じる「リアル」なサウンドに変わりました。この変わり様は一種「劇的」な変化だと感じました。次にとった行動は、「ブラックスーナー」を100mm発注していました。

価格も考えずに即納できる処を探して頼んでいました。頼まれた方も100mも注文されるとは思っていなかった様で、入荷するのに2週間ほどかかりました。入荷後は先ずすべての「RCAケーブル」を交換する事を実施しました。RCAケーブルも作成した事の無かった私ですが、手本を見て、プラグ類や半田材を集め、工具を集めて自分なりに工夫して作り上げました。プラグの選定にも色々なメーカーのプラグを買って試聴を繰り返し、「どんなプラグが良いのか?」を自分なりに会得して、100個単位で注文しました。半田材も色々なメーカーのモノを取寄せて比較試聴をしました。幸いにも「半田付け」に関しては、電子部品製造の会社で「半田付け工程」を担当していた時に、原理から勉強していましたし、半田材のメーカーも色々知っていました。

そうやって、すべてのRCAケーブルを交換しました。結果は「激変」レベルで音質がアップしました。しかし、この時点ではRCAケーブル(ラインケーブル)だけで、SPケーブルや電源ケーブルの統一までは行きませんでした。

次回に続く。

ケーブル類の選択(音質アップの基礎技術追求)

2016年04月29日 | ピュアオーディオ
今朝は熊本市の常連さんと連絡が取れてご家族皆さん無事で本当に良かった。仕事がら災害時は超お忙しくなる方なのでこちらからは電話する事も躊躇われた。SPも無事だった事が判った。下述のSPスタンドとSP(ALTEC #614(604-8G))を使っていただいている。SPが落下する事はなかったとの事。震度7にも耐えた事になる。想像以上に地震に強い事が判った。



さて話を元に戻して、今日は「ケーブル類の選択」について述べて行きたいと思う。ケーブル類については各オーディオ雑誌でもほとんど「原理」を追求してこなかった。ありきたりのケーブル類を使っての試聴や比較のお話で、自分にとっては「話にならないレベル」の類の記事しか見た事が無い。

「ケーブル類」も重要な「オーディオ機器」で有ると認識している。どうもこの辺が「雑誌の影響」で「機器偏重主義」にすり替えられている。メーカーと評論家の癒着、広告媒体の雑誌が一体になって、「機器偏重主義」を植え付けてしまった。もちろんその時々の新商品の紹介等良い部分も有るが、この辺に「功罪」が有る。

ケーブル類は「電気が流れれば良い」と云うのが一般の認識だろう。最近はケーブルの重要性に気付いていらっしゃる方も増えては来たが少数派である。機器に数千万円の投資をしても、ケーブル類には総額で10万円以下のモノを使って有るのが実状だ。機器に100万円をポンと出してもケーブルに10万円も出す人はまずいない。それが現状だ。私から見れば非常にアンバランスに感じる。

その原因は、ケーブルに対しての認識の無知と「音質」への拘りの如何であろう。初めに「ケーブルに対しての無知」については、皆さんの「固定概念」が大きな障害となっている。オーディオマニアだと自称される方が、ホームセンターで販売されている「赤黒」のSPケーブルを今でも平然と使っておられるのを見ると・・・。

ここで原点に返って「ケーブルの役目」とは何ぞや?と疑問を持っていただきたい。「電気の流れる導線」で有れば基本的にオーディオ機器にも使える。良い例がSPケーブルだろう。配線を長さを合わせて切って、端末処理をすれば直ぐにSPケーブルとして使える。(音質云々は別として)こればかりは「実際にやって」いただかないと実感が湧かないだろう。そして何種類か作成し、比較して見れば良いだろう。

その場合のキーポイントは①低抵抗値 と②ケーブル断面積 ③どんな材質であるか?だろう。そして追加で実験していただきたいのが、「色々なケーブルを集めて1本のケーブルにして見る事」だ。非常に多くの暗示をもたらしてくれる事だろう。

電源の安定化 (音質アップの基礎技術追求)

2016年04月28日 | ピュアオーディオ
理屈を積み上げて「音質追求」をして来たが、今でもはっきりしないのが「電源」である。

例えば各家庭の壁コンの場合、ブレーカーからオーディオ専用線を引いて来るぐらいは誰でも出来ると思う。専用線で壁コンを作ったから、「壁コン」から直接機器に接続すれば最短距離で一番いい音質がしそうである。しかし、実践で「伝送ロス対策」をした4口タップを使うとそれが逆転してしまう。壁コンから直接接続するよりタップから接続した方が「音質」が高くなる。理論的には「抵抗」が増えて「音質劣化」するはずであるが、実際には「逆転現象」が出てしまう。もっともどんなタップでもそうなるかと云うとそうではない。この辺が良く理屈の判らない処である。

私の電源対策は、

①ブレーカーから専用線(一般の配線)を引いている。
②電源トランス(約21Kg)と壁コン4口を内部で配線し特注の木箱に入れて使っている。それを4セットメインシステムに使っている。(16口)
③各機器への電源ケーブルは最高級クラスを統一して使っている。
④各機器にはすべてFXヒューズとフルテックのオーディオグレードヒューズを使っている。

②の電源トランスを使ったタップを使った時は、その音質効果は「音数の増加・音の厚み・立体感・音の密度アップ等」に如実に現れ「激変」した。もうこれなくして私のシステムのサウンドはないと思う。

しかし、やはり「理屈」が判らないのである。抵抗値は増えているのに「なぜ音質がアップするのか?」・・・自分なりに考えてみたが、「電位差」が関係しているのではないかと思う。電気は「水の流れ」と一緒で、「高い処から低い処に流れる」理屈と一緒ではないかと思っている。自作の電源タップは、「伝送ロス対策」として「低抵抗」の配線で作っている。

しかし、大元のブレーカーから壁コンを通って電源トランスに入って来ても、このブレーカーからの配線、電柱から引き込む配線は何も変わっていない。大元の配線にそれだけ余力が有ると云う事でなければ理屈に合わない。限界点が有るのかも知れないが、いまだその限界を見極め切れない。ただ「実践」でやって見ると極端に効果が出て来るところだと思う。まだ理屈で良く判らない処です。

レイアウト(配置・セッティング)その② (音質アップの基礎技術追求)

2016年04月27日 | ピュアオーディオ
SPのセッティングには「原理」が有る。ただポンと置くだけではまともなセッティングとは言えない。その理由は、「SPメーカーがセッティングの原理を知らない」からだと思っている。出来た製品(SP)の理想的なセッティング等考えずに、安定して「座る」事や、「見てくれ」をメインにしている。現在でも「袴」や「スパイク」を取り付けたSPをよく見るが、「SP箱を自然に響かせる」原理から程遠い設計である。SPメーカーの怠慢だと思う。

結局「原理」を無視した設計である為に、床面への振動伝播を助長して、出て来るサウンドエネルギーを音変換せずに振動エネルギーとして放出している。「部屋鳴り」はその典型的なもので、「部屋の強度」とも絡んでくるので、ユーザーに責任転嫁しても判り難い処でも有る。

SPのセッティングでは「如何に床面への振動伝播を減少させるか?」が一つの命題として出て来る。その簡単な答えは「振動吸収」や「極小化」の手段である。頭の中で考えれば簡単だが、それを具体策に実践する事はチョッと大変な部分が有る。それでも考えてやるのが「オーディオマニア」だろう。「良い音質」を求めて追及するのがオーディオマニアだと思う。

レイアウト(配置・セッティング)その① (音質アップの基礎技術追求)

2016年04月26日 | ピュアオーディオ
次はレイアウト(配置・セッティング)について。

まずはSPの配置ですね。SPは部屋の隅に配置するより約50㎝位以上は離して設置したいですね。部屋に対して「縦長配置」よりも「横長配置」の方が、「音の広がり」の面で優位に有ります。しかしその分「ニアフィールドヒアリング」になりますので、出て来るサウンドの「粒子」を出来るだけ小さくする必要が有ります。(音質アップが必要)聴く音量や、SPと向き合う高さ等、横長配置に出来ない時も出て来ます。(例えば聴取位置からSPを見上げる様な配置は落ち着きませんし、耳の高さの上から音が降り注ぐようでは、正常な音場表現とは言えません)

次にアンプやソース機器のレイアウト。何処に設置するか?は各人の理由や部屋の関係も出て来ると思いますが、少なくとも「プリアンプ」を身近に設置したいですね。現在はリモコンが有りますので、フロントの方が良い場合が有ります。

よく雑誌とかを拝見すると、「SP間にアンプを並べてある」のを見かけます。場所的にその位置が悪い訳では有りませんが、SPの振動を受けない様に対策する事が求められます。例えば60Kgを超える重量級のアンプだからと云って、そのままポンと置いて有るのはあまり感心しません。振動を吸収する様な対策が有ればもっとクッキリしたサウンドになると思います。

振動対策と云えば、その発生源であるスピーカーへの対策は非常に重要です。方法は色々ありますが、特に「低域」の振動伝播を防がないといけません。重力に引っ張られて「下に下に・・・」と伝播して行きます。一番良いのは「吊り下げ」が良いと思いますが、この方法は「安全」面であまりお勧めできません。また「部屋の壁をバッフル」にして使うのは、強度不足で部屋鳴りをし易いのでお勧めしません。ここは素直に一般的は「箱スタイル」のSPが無難と思います。

続く。

「ソース機器編その②」 (音質アップの基礎技術追求)

2016年04月25日 | ピュアオーディオ
昨日は「ソース機器の全般」について述べました。今日は「ピンポイント」の重要な処を述べたいと思います。

デジタル機器には「クロック」が必ず付いています。「デジタル信号を読み取る精度」が重要です。以前スチューダーのA730の「内部クロック」をサウンド・デン製に交換したことが有ります。その時の変化の素晴らしかった事。ですので現在私のA730の中には「純正クウォーツ」と「サウンド・デン製クウォーツ」が入っています。しかし、現在ではサウンド・デン製は使っていません。「外部クロック」で「ルビジウムクロック」を使っています。

クロックは一般的に「水晶発振器」(クウォーツ)が用いられています。他には「セシウムクロック」、その応用で「衛星クロック」で読み取り誤差を減少させようとしています。乱暴なお話かもしれませんが、昔のLPやテープデッキの「ワウ・フラッター」だとイメージしていただければ理解が早いかも知れません。デジタル機器ではこの「クロックの精度」とその「伝達」が非常に重要です。

「クロック精度」は日進月歩で進化していますので、数年経ったら交換する事を考えると、内装型より外部クロックの方が取り扱いが良いと思います。(内装型の方が非常に割高に感じる)

ここで重要なのは「クロック精度」とその「伝達(伝送)」です。中でも「伝達」の部分が非常に大事だと思っています。一般に外部クロックの場合BNC端子が使われていますが、このBNC端子はオーディオ用に使うにはとても貧弱で、音質劣化の原因でもある。本当はこの端子をRCA端子に交換できれば良いのですが、そうするとオリジナル性を壊してしまいますので、BNC/RCA変換プラグを使って、BNCケーブルを使わなくします。RCAケーブルを使用した方が音質をアップし易くなります。(BNC端子ではその構造上使えるケーブルが限定される)

「外部クロック~CDPクロック端子間」までの「ケーブル」の試聴実験をしたことが有ります。ケーブルの実力がそのまま音に出て来ます。グレードの差が有ればその差がそのまま出て来ます。結局この部分も「最高級クラス」のケーブルにしないと満足できなくなりました。知っている方もいれば知らない方もいます。意外とこの部分は疎かにされている方が多いと思います。この話はアース線でも同じ事が云えるようです。アンプのシャーシアースやXLRケーブルのアース・大地アースにも基本的に同じ事が云えるのでしょう。まだまだ機器内部のクロックへの配線の問題対処とかも有ります。すればするほど音質に効いて来ます。


 「ソース機器編」 (音質アップの基礎技術追求)

2016年04月24日 | ピュアオーディオ
「音質アップ」と簡単に言うが、そもそも音質アップとは?何がどうなる事なのだろうか?。周波数帯域が拡大する事もその一つかもしれないが、それはユニットの特性に大いに影響される。それだけが「音質アップ」とは言えない。長年「音質アップ」とは?を自問して来た。その回答が漸く判りかけて来た様に感じる。

自分なりに「音質アップ」とは・・・と云おう命題に一つの回答を得たように感じている。それは「音の密度」(音数・情報量)で有ろうと思う。「ソースに入っている情報をすべて出し切る事」だと思う。大概の方はソースには入っている情報の1~2割しか出せていないのではないか?

例えば「CD」を例に取って見よう。CDはCDP(トランスポート+DAC)で読み取ってプリアンプに送り出している。元々機器の作りや精度にグレードの差が有る。これが高級機程「情報量」が多い傾向にある。自分でも何種類かのハイエンドのCDPを使って見たが、一般のCDPとはチョッと比較するのが嫌になるほど違う。しかし「トランスポート」としての「読み取り性能」にはたぶん大きな差はない。差が有るとすれば「DAC」の出来の差だろうと推測している。

「DAC」は日進月歩の進化をしているが落とし穴も有りそうだ。サンプリングレートが上がり、24bit190Hzなどの音を聴くと、「音数」が増え繊細な音まで聞こえる。しかし、「音の線の太さ」がおかしくなってくる。それが故に私は古い16Bit機を使っている。この辺は好みが分かれる処である。CDPは出来ればトランスポートとDACが別々に使える機器を選択する事が良いと思う。後日DACを交換するだけで最新の機器にする事が出来ると思うから。

ソース機器の「音質アップ」に私は以下の点を必ず実施している。

1)電源ケーブルを最高級品にする。・・・機器の性能は電源ケーブルの質で決まるから。
2)ヒューズ交換・・・一般的なガラス管ヒューズをオーディオグレードヒューズクラス以上に交換する・・・音の密度(情報量増・滑らかさ増・音のバランスが良くなる)が必ず上がる。
3)最高級のラインケーブルを使用する。・・・プリアンプまでに入っている情報をすべて送り出せなければ、それ以後の機器で増幅しても「ないモノはない」のである。
4)セッティング対策をする。・・・機器が安定して動作出来る様に「振動を受けにくく」する事(振動対策)・・・読み取り性能に効いて来る。CDPの回転軸を垂直方向にする事。

基本的に見える部分ではないが、見えない部分にこそノウハウが一杯ある。

 「スピーカー(SP)編その⑤」 (音質アップの基礎技術追求)

2016年04月23日 | ピュアオーディオ
SP編もこれが最終回。いくつか「基本的な事」を書いて来ましたが、実際に「やって見る事」が大切です。私は「頭の中で理解する事」は10%の進捗と捉えています。残りの90%は実際にやって見て「体験」(実践)する事で得られると思っています。そうしますと120%や200%の到達点も見えて来るでしょう。やって見て初めてその奥深さが見えて来ます。所詮固定概念の頭で考えられるのはそこそこのレベルです。

実際に実験する為のシステムを作って見てはいかがかと思う。その為の機材をご紹介しよう。

1)シングルコーンシステム(SP)を手に入れる事です。・・・お勧めはSP-LE8T。他の機器でも構いません。
2)鉛レス半田材(¥2000円以下、量で変わる)・半田吸い取り器(¥800円以下)・フラックス(松脂、¥500以下)
3)ケーブル材・・・出来るだけ多種多様な種類を準備する。・・・最低5種類以上、長さは各々10mぐらい。

実際にやって見る事。

4)標準のSPケーブル、SP内配線、SPユニットおよび箱の組み合わせで、ベンチマーク(スタート地点)の音を頭の中に覚えさせる事。・・・1週間ほど頭の中に入れます、(記憶)
5)SPユニットのモール線のSP端子側の半田の入れ替えをします。・・・SPユニットを上向きにして、ダンパーにカバー(革。段ボール等)をして、半田が落ちてもユニットに損傷が出ないようにする。

6)半田の入れ替えが終わったら元通りに組み付けて試聴します。・・・どんな変化をするでしょうか?この変化を大事にしてください。

次に、SP箱内配線の交換。・・・オリジナルの配線より「太く」してください。交換する配線は「SP箱SP端子裏からユニットのSP端子間」ですから、プラス・マイナスそれぞれ80㎝も有れば十分でしょう。準備したケーブルを1種類づつ試していきます。一通り終わったら一番良かった線で「W線」(2倍の断面積)にして見てください。最後に「準備したすべての配線をすべて組み合わせて」鳴らしてみてください。・・・どんな変化になるかワクワクする事でしょう。

次は、SPケーブル(パワーアンプ~SP箱端子間」の作成。

前述、SP箱内配線の項で一番良かったケーブルの組み合わせにします。これで、「パワーアンプ~SPユニット」まで「同じケーブル」になったことになります。これで音出し確認すれば、ベンチマークと比べてどのように変化したのか理解できます。

SPケーブルは「電線」で有ればなんでもSPケーブルになり得ます。それも、1種類だけのSPケーブルよりも多種のケーブルを組み合わせた方が豊かな音になるでしょう。組み合わせで「合わないモノ」と「合うモノ」が有ります。その辺は自分の好みで変更可能です。ここが「出発点」です。これからどの様に発展させるかはご自分の力量と努力次第です。

 「スピーカー(SP)編その④」 (音質アップの基礎技術追求)

2016年04月22日 | ピュアオーディオ
スピーカーの「音質アップ」で気を付けなければならない点についていくつか書いて見ます。一番効果絶大なのが「SP箱内配線のグレードアップ」です。SPユニットに直結していますので、この部分のグレードを上げるとダイレクトに「ケーブル(配線)」の性能を出して来ます。一度交換してその効果を確認するとメーカーオリジナルには戻れません。但し、低域用・中域用・高域用とケーブルを変えるのは良くありません。音の質感や粒立ちがそれぞれ違いますし、スピード感や音数・余韻も変わって来ます。ここはすべて揃える事が肝要です。

こうして書いてくると、「メーカーオリジナル」では「一般的」な事しかやっていない事が判ります。その先に進むには「自作」の範疇に入って行きます。元々「オーディオの常識」と云う「固定概念」は雑誌等で作られたもので、それを真に受けている状態では「本質的な音質アップ」は望めないでしょう。元々オーディオには「こうすれば良い」と云った「最終到達点」は有りません。個人の財力とスキルと嗜好、環境のバランスの上に立っています。何処まで良くするかは個人の判断です。自作できない方は「本質的」にSPによる音質アップは望まない方が良いでしょう。SPの選択の段階で決めるべきでしょう。

マルチアンプに挑戦して失敗した方の例を何回か見る事が有りました。当時は私自身も勉強中で判りませんでしたが、アンプやチャンデバはメーカー製の高級機を使って有り、この部分では問題はないと云えます。問題は「電源ケーブル・ラインケーブル・SPケーブル」が揃えられていない点を感じました。低域・中域・高域のユニットを鳴らすのに「違うケーブル」が使われている事が大きな問題です。ケーブルによってグレードも質感も音数も・・・すべてが違って来ます。必然的にちぐはぐな音やバラバラの音になってしまいます。

結局は「マルチアンプ方式」にして「音質アップ」を図った筈なのに、その辺に転がっている間に合わせのケーブル類を使ってバラバラに組んでしまった為に、ネットワーク方式のよりバランスの取れたサウンドに負けてしまっているのです。

まだ私も「先が見れていない」点が有ります。それは「何処までSPケーブルを太く出来るか?」と云う事。ケーブルの「断面積」をどれ位までにしたらパワ-アンプで増幅した信号をすべてSPから引き出せるか?と云う事です。ホームセンターで売っている赤・黒の平行線を使って「良い音だ」なんて言っている方は、「音質アップ」をするまでもない「耳」が出来ていないとしか言いようがない。ベルデンやWE、無酸素同、OFC・・・等のケーブル類も、私から言わせれば、「ゴミ」(過去の遺物)だと思っている。時代と共にケーブル類も進化している。本当に進化しているケーブルを見つけ出す事が「音質アップ」の早道かも知れない。

今までSPケーブルの断面積を2倍<2倍<2倍・・・と思って、出来るだけ断面積を大きくして来ましたが、すればするほど「音数・余韻」が多くなり、その終着点がまだ見えません。と云う事は、「パワーアンプは何処まで音を出せるのだろう?・・・」。どんなSPケーブルを使えば「アンプの実力を100%引き出せるのだろうか?」と云う命題が私の前に有ります。

 「スピーカー(SP)編その③」 (音質アップの基礎技術追求)

2016年04月21日 | ピュアオーディオ
昨日は「低域ウーハー」の「音質改善ポイント」(ユニットSP端子裏の半田入れ替え)について述べました。出来れば「モール線」も高性能な配線(線抵抗値が低い)に交換すればもっと良い改善になると思うが、コーン紙の一部をはがすのは素人には無理なので、もしやるならSPユニット修理のプロに依頼するしかない。

低域のユニットで効果が有ると云う事は、基本的に中域・高域ユニットにも同じ対策が出来、同じ様な効果が出て来ます。システムを構成するすべてのユニットに同じ対策をして、「質感」や「性能」を揃える必要が出て来ます。でないと「反応スピード」が違い過ぎて違和感を覚えます。

前述の対策で分かった事は「低抵抗値」にしてやる事が「原理」として言えます。と云う事は「配線(ケーブル)」他機器類にも同じ事が云えます。「低抵抗」にしてやると「ハイスピード」な反応の良い音になります。ハイスピードな分「一瞬に出せる音の量」が増える事にも繋がります。当然「音数」が多くなります。そては「実音」ばかりでなく「余韻」も増えて来ます。

SPユニットの事でもう一つ大切なことが有ります。「一つのユニットでは出せない音」があると云う事。コーン型にはコーン型特有の音が有り、コーン型でしか出ない音も有りますが、裏を返せば、コーン型で出ない音も有ります。これを私は「音変換ロス」と呼んでいます。

ウーハーは殆どが今ではコーン型になってしまいました。その他の方法のユニットを探してもなかなか手に入りません。それなら同じ500Hz以下の音を出すのに38㎝ユニット一発ではなく、Wにして見たり、異径のユニットを組みわせて見るのも面白いと思います。Wウーハーにすれば「音の厚み」と「エネルギー感」が倍増します。異径のユニットを組み合わせれば、本来のウーハーでは出難い帯域の分解能を上げる事が出来ます。

今まではウーハーを中心に述べて来ましたが、これは中・高域ユニットにも同じ事が云えます。中高域用のユニットには色々な種類の方式(静電型、ホーン型、リボン型、イオン型、ドーム型等)が有りますので、質感の合うユニットを探して、メインのユニットと並列や直列接続して組み合わせると「音数の豊かな」サウンドに出来るでしょう。

ウーハーのW化はパワーアンプにかなりの負荷をかけます。パワーアンプの電源部に余裕のある組み合わせが良いですね。出力は200W前後あればそつなく鳴らせるでしょう。同じ様に中域・高域のユニットも、組みわせるユニット同士の「合計インピーダンス」に注意して置く必要が有ります。複数のユニットを使う場合は「直列接続」と「並列接続」を使い分けや組みわせを考えて、アンプの負荷を合わせます。

アンプへの「インピーダンス」負荷は低域が非常に高く、中域・高域と行くに従い弱くなる傾向が有ります。振動板の重さが効いているのかも知れません。