「ねんねこ半纏」 の想い出 2015年03月10日 14時27分02秒 | 日暮らし通信 日暮らし通信日暮らし通信■□ 写真タイトル と 撮影場所 □■よく咲くすみれ自宅庭にて● 写真の上でクリックしてご覧ください ● 皆様は朝刊を手にした時、まず最初に読む場所が決まっているでしょうか? 私は一面下段のコラムを必ず最初に読むことが習慣となっていて、このコラムを読むことが私の毎日の勉強時間になっています 昨日朝刊のコラムには次のような内容が載っていました 『昔のお母さんはおんぶする時、「ねんねこ」 と呼ばれる半纏(はんてん)を着て子供の体を包んだ俳人の飯島晴子さんに季節の変わり目を詠んだ句がある』 ねんねこから 片手でてゐる 冬霞 以上はそのコラムの一部だが、その句は半纏からのぞく赤ちゃんの手が春近しと思わせたのだろう、との注釈だった 俳句とはこのように詠むのか? と、感心するばかりだが、この句からは半纏の隙間から赤ちゃんのモミジのような小さい手が見える情景が浮かんで、何故かほっとする気持ちになってくる だが今のお母さんは 「ねんねこ半纏」 では無くて 「抱っこ紐」 を使っているようだが、私はこのコラムを読んで 「ねんねこ半纏」 の忘れられない想い出が蘇ってきた それは私がイギリス出張から帰った羽田空港 (当時は国際空港) の到着ロビーでのことだった 帰国審査も終わって ”ああ、やっと日本に帰ってきた” と、安堵の気持ちに満たされたが、到着ロビーは出迎えの人たちでごった返していた 私は妻が来ているはずだが? と探したがあまりの人の多さにすぐには判らなかった だがその人並みの中に 「ねんねこ半纏」 を着た女性がいることに気付いた ”もしかしたらあれが妻?” と良く見ていると妻も気付いてやっと私の方に近付いてきた 私は妻に声を掛ける前に背中の子が気になって、半纏の襟を少し持ち上げて見ると、そこには前年12月に生まれた次女が ”スヤスヤ” と気持ち良さそうに眠っていた それを見ると出張疲れも吹っ飛んだが 「ねんねこ半纏」 の背中は見るからに暖かそうだった 「空港ロビーにねんねこ半纏姿の女性」 は今では違和感があるかもしれないが、当時女性は子育てにまだ当たり前に半纏を着ていたから別に気になることもなかった しかし、妻は片田舎からよくも 「ねんねこ半纏」 着て子供をおぶって国際線ロビーに私を迎えに来るなんて考えたものです コラムの小さな文字から蘇った 「ねんねこ半纏」 の想い出、もう38年以上も前のことでした 今はこの 「ねんねこ半纏」 もあまり見なくなりましたが、もし私が幼子で ”ねんねこ半纏か抱っこ紐” か、どちらがいいか選びなさいと問われたら、即 「ねんねこ半纏をお願いします」 と答えます こんな爺さまになっても、遠い昔を辿ると、半纏に包まれた母の背中の温かさが想い出されてきました