「美味しかったんだけど伸びていた」
「美味しかったんだけどヌルかった」
とか
そんなに伸び伸びで
そんなにヌルヌルなコメントを
必死こいて作ったラーメンに
言われてしまったとき
オレはいったい
どうすりゃイイんだろう
いや
必死こいてなかったから言われたにキマってる！！
コレがオレの柔らかさだと
コレがオレのスープの温度だと
言い切れてしまったら
死んだ方がイイ
言い切れないからこそ
まだオレたちには
生きる価値があるというもの
次はゼッタイそんなこと言わせねぇぞ！！
丼は当然温め
乗せる具材は湯煎の中
時間差の鍋は算数を超えて
複数杯のカンマな麺揚げに
平ザルはもはや自己満足に過ぎず！！
ハイ！！お待ち！！
おっ！！今度は美味いね！！
麺が絡まなければもっとヨカッタね！！
一から (゜д゜lll) やり直し！！
ハイ！！
トッピングオッケー！！
皿にレンゲもオッケー！！
ひとつ 炒め始めの野菜に
ひとつ 沸騰手前のスープ
もひとつ 麺の投入は今でしょ！！
三方が平行に進行するという
算数を超えた
もはや数学！！
ハイ！！麺アガリ！！
スープもオッケー！！
熱々にしておいた丼に
キッチリ湯切りの麺を投入！！
すかさず
野菜を押さえながらの
スープだけを注ぎつつーの
麺をスープにインテグレーション
髪を解かすように
柔らかく流しながらーの
シャキシャキの野菜を
その上にドーン！！と
熱にほぐれてトロンとしたところの
チャーシュー
ドーン！！の
とろけた味玉
ドーン！！の
レンゲをカツーン！！の
ハイ！！
味玉醤油野菜！！お待ち！！
どうよ！！
今度は！！
美味いじゃ (゜д゜lll) ないっスカ！！
コレコレ！！
この計算こそ！！
ラーメン愛がなせる
カンペキタンメン魂！！
なんて白昼夢を見ていました
ハッ！！と
我に帰りつつ
閑散とした店内
終わりかけのレディオ
オーダーしてから
一分足らずで出てきた
「本場の」チャンポンの水面を
止めどなく震わせる
オレがいました
「本場」が泣いていれば
「チャンポン」も泣いていて
アナタが泣いていれば
オレも泣いていました
コレで野菜マシで
コレで1050万円という
足りない野口が
全力で号泣していました
美味しいチャンポンを作りたい
美味しいチャンポンを食べさせたい
あるべきのもの
その全てがなくて
成れの果ての
その全てがありました
「美味しくない」
とだけ言われた方が
まだ救いがあるかもなと
オレなら思ったはずでした
長崎飯店 虎ノ門店 （ちゃんぽん / 虎ノ門駅、内幸町駅、霞ケ関駅）
昼総合点-
