令和5年11月11日
細田博之衆院議員が死去
多臓器不全、79歳
島根の大物政治家が過去3年間で、次々と鬼籍に入った。
2021年の竹下亘元復興相に続き、23年には青木幹雄元官房長官が死去。
細田博之前衆院議長が亡くなり、保守王国・島根は転換点を迎えた。
島根県政界は、自民党の桜内義雄元衆院議長や竹下登元首相、細田吉蔵元運輸相が政治的な礎を築き、中央政界で影響力を発揮。
登氏の弟・亘氏、登氏の秘書を務めた青木氏、吉蔵氏の長男・細田氏がバトンを継ぎ、
大臣や党要職、派閥領袖に就くなど権力を長く維持した。
亘氏は兄・登氏の地盤を継いだ2000年衆院選以降、17年まで7回連続当選。
復興相や党国会対策委員長、党総務会長の要職を歴任した。
18年4月には、登氏が旗揚げした「経世会」をルーツとする平成研究会(現茂木派)の会長に就いた。
21年9月に食道がんのため、74歳で死去。
兄の代から数えて60年以上続いた「竹下」の名前は消えた。
官房長官を務めた青木氏は登氏の秘書を経て1986年の参院選で初当選し、
連続4期24年間務めた。旧民主党や公明党との太いパイプなど与野党に人脈を持ち「参院のドン」と呼ばれ、
2010年の政界引退後も平成研に隠然たる影響力を持っていた。
今年6月に老衰のため、89歳で死去した。
10日に死去した細田氏は、中選挙区時代の島根全県区で衆院議員を連続10期務めた父親の吉蔵氏の地盤を継ぎ、1990年に初当選。
島根1区となった後を含めて在職期間は連続11期34年だった。
2019年5月には参院島根選挙区選出の島田三郎氏が62歳の若さで亡くなった。
現職国会議員の死去は島田、竹下、細田氏の3人となった。
全国に先駆けて人口減少が進み、参院選も16年から合区となり、島根県政界を取り巻く環境は厳しさが増している。
中央政界でどう影響力を保つかが課題となる中、青木氏の長男の一彦氏(62)=参院鳥取・島根合区選挙区、
3期=は「(島根県選出国会議員の中で)最年長で議員歴も一番長い私がしっかりしないといけない」と話した。