ノイバラ山荘

花・猫・短歌・美術な日日

映画「シュヴァルの理想宮」シネマ歌舞伎「廓文章吉田屋」

2020-01-14 13:59:59 | 映画
新年あけましておめでとうございます ! (*'ω'*)

本年もはるばる「ノイバラ山荘」までお運びいただき、
ありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
ご挨拶が遅くなって申し訳ございません。
年末年始ばたばたぜーはーしているうちに、
ほぼ半月たってしまいました。

先週、新年歌会が終わり、ほっとひと息ついています。
映画も1ヶ月ぶりに行ってまいりました。



「シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢」

シュヴァルの理想宮( Palais idéal du facteur Cheval)は、
フランスに現在する建築物です。

 
郵便配達員シュヴァルが愛娘アリスのため
こつこつと33年間かけて作り上げました。
不器用な男の精一杯の愛情表現。

 
シュヴァルは最初の妻を亡くし息子シリルを手放さざるをえず、
アリスは後の妻との間にできた娘でした。

    
入り口に書かれた文字より「理想宮」と呼ばれ、
ナイーヴ・アートの一つとみなされているそうです。
幼いアリスは建築途中の宮殿の中を走り回って遊びます。
シュヴァルは次々と襲う不幸に打ちのめされながらも、
ついに宮殿を完成させるのです。


「奇人」と言われ村人の理解は得られませんでしたが、
家族の理解と愛を得、宮殿完成ののちに
死の直前までかかって家族のための霊廟も作っています。

理想宮の存在を初めて知りましたが、すごい・・の一言です。
美術教育も建築技術もない男がこんなものを遺していたとは・・。
自分で感じ自分で考えたことを大切に
ひたすら内部の声を貫いたんですね。

頑固一徹のシュヴァルを演じるジャック・ガンブラン、
妻のレティシア・カスタの演技も素晴らしかった。
「生きる」とはどういうことなのか考えさせられました。

地味な映画の次は華やかな映画です。


シネマ歌舞伎「廓文章 吉田屋」

仁左衛門と玉三郎の黄金コンビによる若旦那伊左衛門と太夫夕霧の恋物語。


何しろ歌舞伎のことは何も知らないので、
冒頭の仁左衛門と玉三郎のインタビューによって
上方歌舞伎やこの作品の概略を知りました。


舞台は遊郭、お正月にふさわしくセットも衣装も華やかです。
勘当されて身をやつした伊左衛門の衣装は、
夕霧の文を張り合わせて作った「紙衣(かみこ)」。
やたら模様に字が多い思いました(´・ω・`)


夕霧は伊左衛門の身を案じて病に臥せり、
紫の「病鉢巻」をしてお座敷に上がっています。
顔の左にゆらゆら垂れていて、あれ、何だろう、
きれいだなと思っていました。

伊左衛門と夕霧が会うまでの長さ。
痴話げんかのあたりは眠くなりましたが、
最後は身請けの金が届きハッピーエンド。

鬱々としてでかけたのですが、
きらきらした舞台の映画を見て
晴々として帰ることができました。

シネマ歌舞伎、今年度の11作品のうち、
4本を見て、残るは「アテルイ阿弖流為」1作を残すのみ。
1週間から長くても2週間という上映期間のため
なかなかスケジュールが合わず行けませんが、
来年度もできるだけ見たいと思っています。


映画月イチ歌舞伎「幽玄」「ヤマトタケル」から「永遠の門」まで

2019-11-15 17:00:00 | 映画
みなさま、こんにちは(^ω^)

台風の10月、穏やかな11月、いかがお過ごしでしたか。

ノイバラは短歌の歌会、勉強会と
母の病院付き添いなどをしつつ、
鎌倉、犬山、常滑を訪れ、
久しぶりに落語を聞き、
絵画を見て過ごしました。

その間に見た映画4本。


月イチ歌舞伎「幽玄」
坂東玉三郎と太鼓芸能集団「鼓童」のコラボ。


橋本MOVIXでやっている月イチ歌舞伎、
玉三郎の出ている回はなるべく見ようと、
特別鑑賞ムビチケカード3枚セット(5,400円)
を買いました。1回2100円なので、お得です。

 
「幽玄」では能の代表的演目「羽衣」「道成寺」「石橋」を題材に、
力強い太鼓の音を融合させて、日本の美を描きます。


玉三郎は舞台の主演・演出に加え、
映像編集・監修をつとめ、
新たな世界を作り出しています。
素晴らしかった~。さすがだわ~。


月イチ歌舞伎「ヤマトタケル」
「古事記」を題材に哲学者、梅原猛が
三代目市川猿之助(現 猿翁)のために書き下ろした、
日本神話のヤマトタケルの波瀾に満ちた半生。
初演は昭和61(1986)年、
猿之助(現 猿翁)自身の演出によります。
来夏には「スーパー歌舞伎Ⅱヤマトタケル」も上演されるそうです。


市川猿之助演ずるタケルが熊襲征伐のため、
大和の女に扮するシーン。
し、しかし・・「美しい」と言われても、
私にはがっちりした中年男性にしか見えず
かなりの想像力が必要となりました。
コメディでもあったのか?(違)
(ファンの方ごめんなさい)


次に注目されるのは何と言っても
香川照之こと市川中車と初舞台の市川團子親子でしょう。
中車がタケルの父(景行天皇)、團子が子(のちの仲哀天皇)として出演しています。

 
父に命じられ、南へ北へと休む間もなく
闘いに明け暮れるタケル。


最期は大和を望む鈴鹿峠のふもと能褒野で
「やまとしうるはし」と亡くなります。


白鳥となって大和へ帰るタケル。
華麗かつ感動的な舞台に最後は泣きました(´;ω;`)
素晴らしかった~。
(歌舞伎はよくわからないので、ほめる語彙が少なくなる)


「真実」
是枝裕和監督作品。ということで見に行きました。


カトリーヌ・ドヌーブ演ずる女優とその娘が
家族の絆をとりもどすまでの葛藤が描かれています。

「万引き家族」の密度と比べると
映像はきれいだけど物足りなさを感じました。、
ドヌーブファンは彼女を見ているだけで満足でしょう、
ドヌーブのドヌーブによるドヌーブのための映画です。
娘役のジュリエット・ビノシュ、よかったです。


「永遠の門」

何度も映画化されたゴッホの映画。
死後出版された書簡をベースに、
新たに発見されたデッサンのことも折れ込まれ、
最期は「自殺ではなかった」という衝撃のラスト。


アルルでは戸外での制作に打ち込むゴッホ。
ゴッホ役のウィレム・デフォーは
第75回ヴェネチア国際映画祭で男優賞を受賞、
他の賞にもノミネートされています。
今まで怪しい悪役として見ることが多かったですが、
まさにこの狂気を孕んだゴッホは、はまり役でした。


テオとフィンセント。アルルの病院で。


ゴーギャンと「黄色い家」でジヌー夫人を描く。


有名な「耳切事件」。

自殺ではなかったというのは、銃弾の入る角度が
自分で撃ったにしては不自然ということらしいのですが、
確定的な証拠はないようです。
「私は銃を持ったことはない」というゴッホの
医師への最期の言葉は映画の中だけのものでしょうか。

すべては謎ですが、
私には事故死であった方が
与えられた境遇と闘いぬいた彼の最期として
ふさわしいものと思えました。

映画「Sir(あなたの名前を呼べたなら)」から「引っ越し大名」「トールキン」まで

2019-09-10 20:53:33 | 映画
みなさま、こんにちは(*'ω'*)

この2ヶ月にみた映画6本です。
美術館の暗さと字の小ささに目が追い付かなくて(´;ω;`)
しかもこの作品は昔観たことがあるな~と思うと、
猛暑の中でかける気力もなく・・。
映画館は座っていていい、目が楽、
観たくなければ寝ていてもいいので、
体力の落ちた私には何よりの娯楽です。


「あなたの名前を呼べたなら」
まずはBunkamuraル・シネマ。


原題は「Sir」というのですが、
こちらの方がずっといいです。
「あなたの名前を呼べたなら」だと、甘ったるい恋愛ものか~
それならインド映画だから、突然踊りだしたりするのかな~
と思って観たら、全然違いました。

ずっと「Sir」と呼んで仕えていた御曹司を
最後の電話でやっと「アシュヴィン」と呼んだラトナ。

階級の差、貧富の差をのりこえようとする意志が
その一言に現れていて、すごくいいタイトルと思います。

ムンバイ出身の女性監督ロヘナ・ゲラが
経済発展著しいムンバイを舞台として
女性の自立を描いたラブロマンス。


「カーライル」@Bunkamuraル・シネマ

ニューヨークの五つ星ホテル
「ザ・カーライル ア ローズウッド ホテル」の魅力を
ホテルを愛したセレブたちや従業員の証言で描き出すドキュメンタリー。


ジョージ・クルーニーは見たような気がしますが、
あとは寝てしまっていたので、よくわからない。
出演するセレブをよく知らないし・・
五つ星には縁のない私・・。


「命みじかし、恋せよ乙女」@立川キノシネマ


これは樹木希林の遺作というので、観たかった作品です。
「万引き家族」「あん」「モリのいる場所」「日日是好日」、
そして「命みじかし、恋せよ乙女」と最期の映画はどれもよかった。

 
死んだ人が出てくるのですが、かなしくて美しくて。
希林さんは説得力のある演技でした。


「引っ越し大名」@立川シネマシティ


「のぼうの城」の犬童一心監督の作品というので、
わくわくしながら見ました。


しかも星野源主演。高橋一生が幼馴染役、高畑充希が妻役。
及川光博が大名松平直矩役・・今が旬の役者さんばかりで、楽しかった~。


江戸時代、国替え(引っ越し)を命じられた
大名を中心とするお侍たちの七転八倒を
ユーモアたっぷりに描いています。
お金がないのを知恵と真心で乗り切ったのは
「のぼう」と似ているかなぁ。


国替えの距離が半端ないです~。
この映画は兵庫から大分の引っ越しですが、
このあとも東北を行ったりきたり。
大名松平直矩、幼少時は江戸に残ったこともあったようですが、
彼の代に7回も引っ越したらしいです・・。
参勤交代のみならず、国替えで
藩はどんどん貧乏になるのですね。
史実とは少し違うらしいけれど、
日本史苦手の私でも面白かったです。


「ディリリとパリの時間旅行」@恵比寿ガーデンシネマ
予告編でアニメーションの美しさに魅了されてしまいました。
昔のディズニー映画のような優美な動きです。


ベル・エポックと呼ばれた
19世紀末から20世紀初頭の美しいパリが舞台。
ニューカレドニアからやってきた
小さな女の子ディリリと友だちのオレルが、
パリで頻発する少女誘拐事件に巻き込まれ、
事件を解決に導くまでを描きます。


きら星のごとき有名人たち・・パブロ・ピカソ、
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックや、
オペラ座の人気歌手エマ・カルヴェ、大女優サラ・ベルナール、
科学者マリー・キューリーら素敵な女性たちが力を貸してくれます。
大好きな時代にタイムトリップできて、ああ、素晴らしかった。


「トールキン」@立川キノシネマ
『指輪物語』の作者J.R.R.トールキン。
映画「ロード・オブ・ザ・リング」は見たものの、
彼のことはほとんど知りませんでした。


孤児となるも、母親の友人で後見人となってくれた
モーガン神父のサポートにより、
名門キング・エドワード校への入学を果たしたトールキン。
そこで3人の仲間と出会い、
「芸術で世界を変えよう」と互いに誓い合います。


妻となるエディスと。
第一次世界大戦より生還したジョンと結ばれます。

第一次世界大戦の戦闘シーン、
次々と親や親友を失っていく体験は壮絶で、
「指輪物語」のあの世界の深さは
こんな体験が反映されているのだろうな、
と思いました。いい映画でした。



映画「アラジン」から「シンク・オア・スイム」まで

2019-07-23 23:11:51 | 映画
みなさま、こんにちは(*'ω'*)

この2か月の間に映画5本を見ました。


ディズニー映画「アラジン」
1992年アニメーション作品の実写化。
ほぼアニメーションと同じストーリーと聞いていましたが、
ややっ、ジャスミンが国王になりたいとなっ!!
時代の流れなんでしょうね。
王子さまを待ち望むプリンセスから、
ついに国王となるプリンセスまで。
80年の時の流れは少女のあこがれのプリンセスを
作り変えてしまったのでした。


アラジンとジャスミン。


ランプの魔人、ジーニー。ウィル・スミスが演じています。
魔法のじゅうたんに乗って飛び回るシーンは
スピーディでスリリングでした。
時々「うん? インド?」という場面もあり、
もともとファンタジーの世界なので、フュージョンokなのでしょう。

*************


府中で月イチ歌舞伎の「鷺娘 / 日高川入相花王」を見ました。
玉三郎を見たいと思っていましたが、
ようやく6月になって行くことができました。
私が行った日は解説付きで、ラッキー。
「日高川・・」の方は特に
人形浄瑠璃を模しているということ、
聞かなければわからなかったと思う・・(・ω・;A


「鷺娘」美しゅうございました。
舞台中央、彼がひとり衣装を脱いで変化していくだけで
ストーリーがわかってしまいます。
よくできているな~、と感心。


「日高川入相花王」清姫が蛇になって川を渡る場面ですね。
映画は見やすかったです。
歌舞伎座では全体を中央から見るいい席には座れないです~。

        ***********



「アマンダと僕」
フランス映画。
夏のパリ。突然の悲劇で姉を失った青年と、
母を亡くした少女が、悲しみを乗り越えるまでを描く。


新しい「家族」が淡々と描かれていて、心にしみました。

************


「マーウェン」

1ヶ月前、近場に映画館ができて、初めて行ってみました。
デパートの8階、こじんまりしていて、割と地味な作品をやっています。
椅子がデラックスで大変気に入りましたので、2作、午前午後に見ました。

あまり期待していなかった「マーウェン」、意外な面白さです。
フィギュアがリアルに動き回る画面に引き付けられました。
最後、マークが自ら作り出したフィギュアの架空の世界に癒されて
勇気をもって新たな一歩を踏み出したところで泣いてしまいました。

************


「シンク・オア・スイム」

男性のシンクロだというので、コメディかと思ったら、
それぞれの男たちがかかえる事情が結構シリアスでした。
世界選手権に向けてハードトレーニングが始まったので
多少は体型が変わるのかと思ったら、
ずっとおじさん体型なのでした・・(・ω・;A
う~む、あの体型でメダルはとれないだろう、ふつう・・。
しかし、ファンタジーなんだよな、と納得して
しみじみとした結末に満足しました。


映画「日日是好日」から「ダンボ」まで

2019-05-10 12:48:55 | 映画
昨秋の「ボヘミアン・ラプソディ」以降の備忘録。
すでに上映終了しているものもあります。

2018年11月

「日日是好日」
森下典子が茶道教室での日々をつづり人気を集めたエッセイ
『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』を、
黒木華主演、樹木希林、多部未華子の共演で映画化。
お茶の先生役の樹木希林、素晴らしかった。
多部未華子も黒木華も好きな女優さんなので、好演うれしく。
お茶室での四季が静かに丁寧に描かれ、
主人公は人生での大切なことに気付いていく。
滝の掛け軸の前で滝を感じるシーンなど、
絵画の鑑賞に通じるところがあって、興味深く見た。


「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」
「ハリー・ポッター」シリーズの原作者J・K・ローリングが自ら脚本を担当し
同シリーズと同じ魔法ワールドを舞台に、
魔法動物学者ニュート・スキャマンダーの冒険を描いた
「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」から続く物語。
黒い魔法使いとの対決が軸となっており、前編よりも戦闘的。
ファンタスティックな魔法生物に会えるのを楽しみにしていたので、
少しがっかりする。
「ハリー・ポッター」でもだんだんと戦闘主軸になって、
悲しくなったが、同じ感じ。

2019.2月

「メリー・ポピンズ リターンズ」
1964年公開の名作ディズニー映画「メリー・ポピンズ」の20年後を描いた続編。
大恐慌時代のロンドンが舞台。
バンクス家の長男マイケルは今では家庭を持つ父親となり、
あのメリー・ポピンズが再び家族の危機を救う。
前編は見たはずだが、すっかり細かいことを忘れていて、
見ながら復習した。単純に楽しかった。

2019.3月

「翔んで埼玉」
魔夜峰央原作の「 翔んで埼玉」の実写映画化。
壇ノ浦百美役を二階堂ふみ、麻実麗役をGACKTが演じた。
監督は「テルマエ・ロマエ」シリーズの武内英樹。
魔夜峰央とキャスティングにわくわくしながら見にいき、
埼玉ネタにずっと大笑い。
この感覚は日本人だけにわかるものかと思っていたら、
地域格差は海外でもあるらしく、同じく大ウケ。
アメリカ・シカゴで行われたアジアン・ポップアップ・シネマで
観客賞を獲得したのに続き、
イタリアで開催された第21回ウディネ・ファーイースト映画祭で、
マイ・ムービーズ賞を受賞したという。


「ねことじいちゃん」
大好きな動物写真家・岩合光昭の初監督作品というので、
ぜひぜひと思い見に行った。
ねこまき原作の同名コミックを落語家の立川志の輔主演で実写映画化。
主演のにゃんこには大満足だったが、
タレント猫さんたちがきれいすぎるのに違和感を感じる。
仕方がないことだろうが。

2019.4月

「マイ・ブックショップ」
「ダンボ」を見るつもりが時間を間違えて行って
代わりに見た映画だったが、映像が美しく満足。
ロケ地は北アイルランドの Portaferry や Strangford らしいが、
イギリスの海辺の町サフォーク州ハードボローが舞台。
自然と町並みが美しい。
愛する人を喪い、親しい人に裏切られながらも
最後のシーンで灯った希望。
精神状態不安定の今の私には辛くて
「ハッピーエンドにしろ!!」な感じだったが、
秀作と思う。


「ダンボ」
子供の頃、アニメで見た「ダンボ」を実写で見られるとは。
長生きはするものである。
ネズミさんたちの活躍が見られなかったのは残念だが。
代わりにサーカスの子供たちが重要な役をつとめる。
子供たちを対象にした作品なので、
子供たちを励ましたかったのだろう。
アニメよりも人間臭い作品になっていたが、
これはこれで楽しめた。




映画「ボヘミアン・ラプソディ」

2018-11-22 17:36:33 | 映画
みなさま、こんばんは(*^_^*)

11月に入ってからしばらく暖かな秋の日がつづき、
あちらこちらにでかけていましたが、
そろそろ朝晩の冷え込みが厳しくなってまいりました。

11月もあと一週間で終わりではないかっ
・・ということに気付いて、
あわててやってきました(・ω・;A

11月は京都、甲府、猿橋にでかけ、紅葉を楽しみました。
たくさん写真もありますが・・これから年末の忙しさに突入するので、
アップは難しいかもしれません。

映画も23日のファンタビまでは
見なくていいかと思っていましたが、
知人がよかったというので、以前から気になっていた
ボヘミアン・ラプソディ」を見てまいりました。


伝説のロックバンド「クイーン」のボーカル
フレディー・マーキュリーの伝記映画。

これが何とも素晴らしい映画で!! 
(´;ω;‘)泣けて泣けて・・。
2度見に行きました~。2度とも泣きました。
2度同じ映画を見たのは、私史上初めてです。

クイーンとフレディー・マーキュリーの名を知らないわけではなく、
曲も知らないわけではなく、
しかし、クイーンとKISSとごっちゃになっていたり、
フレディとミック・ジャガーがごっちゃになっていたり、
あれ? これもクイーンの曲だったんだ!
っていう程度の理解でした。

そんな私がすっかりクイーンが好きになり、
フレディー・マーキュリーの素晴らしさに
打ちのめされたのですから、
映画の出来がすごかったのだと思います。


左が本物。右がラミ・マレック演じるフレディ。
私は本物を見たことがないのでわかりませんが、
1年かけて動作や表情を研究しつくしたラミの演技は
「生き写し」「乗り移った」と評判です。


彼の生い立ちや人間関係が丁寧に描かれていて
曲の成り立ちが自然と理解できる作りになっています。


彼の野心、挑戦、挫折、傷心・・
こんなふうに彼の人生が曲に反映されていたのかと、
歌詞を読むだけでは理解できなかった
裏の部分を見ることができました。

パフォーマーとして生まれてきた
自分の人生を探しあてるまで、
彼がいかにに苦難や孤独にもがき苦しみ、戦ったか。

生きる勇気を与えてもらえる映画です。

あ、フレディは猫派ですにゃん(´・ω・`)。
飼猫が何匹も出てきました。
映画の画面で猫がくつろいでごろごろと
喉を鳴らしているのを初めてみました。
音声だけ、後でつけたのかもしれませんが、
こういう細かいリアリティが猫派にはうれしいです。



映画「旅猫リポート」「ルイスと不思議の時計」

2018-10-30 18:21:42 | 映画
みなさま、こんばんは(*^_^*)

10月はすごしやすかったですね。
後半、お出かけ日和、洗濯日和が続き、
秋晴れを楽しまれたことと思います。
その10月もあっという間に終わろうとしています。

今月観た映画2つ。


旅猫リポート

 
にゃんといっても、主人公悟役の福士蒼太くんと
猫ナナ役のトムくんがよかったです~。

福士さんとノイバラはお誕生日が同じ5月30日。
うふふ~。

 
ある事情でナナを飼うことができなくなった悟が
飼ってくれるという昔の友達のところへ、
車で旅するのです。


いいお話、泣きましたにゃ(´;ω;‘)
これからご覧の方はハンカチ必携です。
猫好きの方々、必見です。

原作は有川浩。猫種、ロケ地、など少しずつ違うそうですが、
原作を読んでいないノイバラには気にならず。
しかし、元野良猫という設定を生かすには
三毛猫の方がよかったとは思いますが・・。
トムくんのかわいさに免じて許します。

トムくんはCMにもでている、タレント猫なのです。
実写の難しさはありますが、実写ならではのリアリティもあり、
「あ~今この子抱かれるの嫌がってるな~」なんていう
猫好きならではのつっこみをしつつ、楽しみました。




ルイスと不思議の時計
ファンタジー映画です。
原作はジョン・ベレアーズの児童小説『壁のなかの時計』。


事故で両親を亡くした10歳の少年が、
魔法使いである伯父が暮らす古い屋敷で
恐ろしい力を持った魔法の時計を見つけたことから、
不思議な出来事に遭遇します。

 
私のお目当ては伯父さんの仲良し魔女
ツィマーマン役のケイト・ブランシェット。
映画「エリザベス」でお会いしてから好きなのです~。

同じ魔法系ファンタジーでは「ハリー・ポッター」シリーズの
スピード感に慣れてしまっているので、比べて
この作品はイマイチといった感じを受けました。

11月は「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」が
封切られます。楽しみです~❤





映画「プーと大人になった僕」

2018-09-17 12:00:02 | 映画

映画「プーと大人になった僕」、封切の日に見てまいりました!

よかった~。
感動的で、泣きました(´;ω;‘)


100エーカーの森に住むプーさん、ピグレット、
イーヨー、カンガとルー、ティガー、ラビット、オウル・・。

 
大人になったクリストファー・ロビンとプーの再会。

 
それは風船よりも大切なもの?
ロビンが忘れかけていた大切なものを
プーさんは思い出させてくれます。

時代設定が第二次世界大戦前後ですので、
モデルとなったクリストファー・ロビンの実人生が
反映されているのかもしれません。

 
みなさまご存知M.M.ミルン『くまのプーさん』(1926)
ミルンの息子クリストファー・ロビンのための物語です。
ロビンもキャラクターの1人となって物語に登場します。


『プー横丁にたった家』(1928)
いずれも挿絵はE.H.シェパード。

石井桃子訳でノイバラも読みました~。
のちにディズニーも「プーさんとはちみつ」(1966)をはじめ
新たなキャラクターも参加させ、
短編アニメーション映画を制作し、
プーさんはディズニーを代表するキャラクターとなっています。

私はシェパードの挿絵が好きですが、
ディズニーの黄色いプーさんの印象が強いのでしょう、
友達は「汚れている?」と思ったらしいです。

ミルンがハロッズで購入し、
クリストファー・ロビンにプレゼントした
プーさんはファーネル社製のもので、
現在でもニューヨーク公共図書館に展示されているらしいです。
挿絵のモデルになったのはシェパード家の
シュタイフ社製のものらしいですが、
現在では失われています。

物語の舞台となる100エーカーの森も
ミルンが家族を連れて訪れた別荘のある
サセックス州のアッシュダウンの森であり、
現在ではプーさん詣での観光客が訪れています。

しばし昔読んだプーさんの世界に浸りました。



「プロヴァンス物語 マルセルの夏」「マルセルのお城」

2018-08-21 11:11:11 | 映画
みなさま、こんにちは(*^_^*)

今日も爽やかないいお天気ですね。
2日続けて映画のお話です。


つい先日、「プロヴァンス物語 マルセルの夏」と
続編「プロヴァンス物語 マルセルのお城」を見てまいりました。
フランスの国民的作家マルセル・パニョルの自伝的小説「少年時代」3部作をもとに、イブ・ロベール監督が映画化した2部作。制作は1990年。今回はデジタルリマスター4k版でのリバイバル上映です。


恵比寿ガーデンプレイスです。舞台が設営してあるので、
後でコンサートか何か開かれるのでしょう。


あ、ここでランチを食べよう❤
なにぶん、2本の間の休憩は20分。
食べに行っている暇はありませんので、おむすび持参です。


「マルセルの夏」


「マルセルのお城」

南仏プロヴァンス オーバーニュの自然と
少年マルセルの家族のエピソードを楽しみました。

前編の時代に1900年(明33)、
後編では1914(大正3)-1918の第一次世界大戦がでてくるので、
100年以上前のお話、ということになります。

前編、少年の眼を通した世界が生き生きと描かれているので、
物語の世界に入り込むことができます。
後編には大人になるまでの時間が凝縮されていて、
幸福ばかりではないのですが、
たどりついたところは1つの幸というべきでしょう。

「現実と違う世界にひたりたい」
ノイバラには何よりの映画でした。



映画「ジュラシック・ワールド―炎の王国」と恐竜フィギュア

2018-08-20 13:13:13 | 映画
みなさま、こんにちは(*^_^*)


一時期の猛暑はなりをひそめ、昼間は暑いものの、
35℃を越えることはなくなりました。
夜は虫が鳴きはじめ、秋の気配が少しずつ。
熟睡できますし、昼間も眠くて眠くて・・。

みなさま、いかがお過ごしですか?

猛暑にアップする気力もなかった「映画」
続きをご覧ください。


ジュラシック・ワールド――炎の王国
7月の封切りの日に見てまいりました。
平日の昼間だったためか、
幅広い年代の方々が見に来ていました。

「ジュラシック・ワールド」に至るまでの
ノイバラの恐竜遍歴(?)をお聞きください。

みなさま、恐竜に興味はおありですか?

ノイバラは恐竜の名前はそこそこ知っていて、
三葉虫、アンモナイト、ウミユリなど
化石もいくつか持っています。


英国博物館の恐竜フィギュアも集めました。
およそ40年前に発売され、日本には80年代より輸入されたそうです。
ノイバラが集め始めたのは、90年代です。
20種類います。もう現在では絶版らしいですが
マニアの方のHPを見てもこれ以上ないので、
全種類と思います。


恐竜研究の世界も日進月歩ですので、
40年前のティラノサウルスが
尻尾をひきずっているのも御愛嬌です。


どどどどど・・。


どんな声だったのか、どんな色で、どんなふうに動いていたのか。


いろいろ想像して楽しんでいました。

当時、画や映像で見る恐竜は、このフィギュアと比べると
稚拙でぎくしゃくと見えました。

25年前に1作目の「ジュラシック・パーク」を
見た時には興奮しました。
リアルな恐竜が動いている!!!
夢中で2作目、3作目も見ました。

「ジュラシック・ワールド」1作目も見ました。
より恐竜の動きがスピーディになり、
最後の恐竜同士の戦いはすごい迫力でした。

今回は「ワールド」シリーズ2作目、
「ジュラシック」シリーズ全体の5作目ということですね。

この続編も作られていて、
「パーク」3作、「ワールド」3作の
計6作となるようです。


前作に続き、ラプトル「ブルー」の恐竜監視員オーウェンが
中心となってストーリーが展開します。

純粋な恐竜愛vs金への欲望の戦いは
全作を通したテーマですが、
遺伝子操作や新種開発に
手を出した末に「恐竜との共生」を打ちだした
ラストには茫然としました。
人は食われてしまう・・?(・ω・;A

いやしかし、次作がある。
人間の英知でもうちょっと
ましなことになるのではないか、
いやいや恐竜跋扈の世界になるのではと
期待させる作品でした。



映画「いつだってやめられる」「フジコ・へミングの時間」

2018-07-03 22:30:30 | 映画
みなさま、こんばんは(*^_^*)

お暑いですね。
この暑さも今日まで?
今週末には雨も降るようです。

映画2本を有楽町と恵比寿で見ました。


いつだってやめられる---7人の危ない教授たち


フジコ・ヘミングの時間」。

まずは有楽町。

 
映画館すぐ前のレストラン「コルティブオーノ」
以前も来たことがあります。
平日限定1000円のパスタランチ。


「おいしいシネマサービス」映画の半券で10%引きなのにゃ。

 
鰯と野菜のトマトソースのパスタ。
結構山盛りで、私には3分の2くらいでよかったかな。


コーヒー。香りがよくて、幸せな気分になります。

 
いいお天気。今回は窓際でしたが、
テラス席に座ると有楽町駅の線路が見えるようです。

「いつだってやめられる」は以前見た2作目の前篇。
こちらから見ればなるぼと、と合点がいきます。

教授の恋人がただがみがみ言う人ではなくて、愛情深く、
民生委員で麻薬中毒者の治療に関わっていたのだとか、
教授が失業する経緯、麻薬密売の「ギャング団」結成、
などなど丁寧に描かれています。

1作目の方がすっきりとしていて、
笑える場面が多です。
2作目は1作目を見ていたら、
もっと笑えたのかもしれないです。
まだの方は是非、1作目からご覧ください。

 
有楽町から恵比寿まで移動時間が40分しかなく、
ぎりぎりで滑り込みます。

 
「フジコ・へミングの時間」の方は、
2時間の長編だが、ひきこまれて、あっと言う間だった。
かざらず、てらわず、淡々と自身を語るフジコさん。


世界のあちこちにお家を持たれていて、びっくりしました。
日本に2軒、パリ、ドイツ、サンタフェ・・。
猫や犬も飼われていて、普段は世話をする人に任せています。
家の管理も任せているのでしょう。、
年に一度しかいかないが・・というところでもきれい。
世界中を演奏旅行、年に60回。
ほぼ、週1。多い時には1ヶ月10回。

天賦の才能は逆境でもピアノをあきらめさせなかったのです。
理智的で強い人なのだと思います。
たくさん彼女の演奏を楽しめました。


映画「万引き家族」

2018-06-18 13:43:00 | 映画
みなさま、こんにちは(*^_^*)

今朝からしとしとと降り続いております。
のんびりお休みしています。


是枝裕和監督作品「万引き家族」を見てきました。


カンヌ国際映画祭、パルムドール受賞。

混んでいました。
初回、年配の人が多く、
座席で前を通る人に何度も足を踏まれました。
そればかりか遅れてきた右隣のカップルが、
食べたりしゃべったりでうるさく・・。
左隣の席ではバッティングもあり、もめていましたが、
結局、片方が間違えて翌日のチケットを買ったらしいです。
話題の映画だといろんな人が来るんですね~。
映画が始まるまで退屈しませんでした。

老女の家と年金をあてにして集まったメンバーの、
足りない分は万引きによって生計を立てるという
かりそめの家族。
その「家族」はある事件をきっかけに崩壊し、
拾われた女の子がもとの血縁家族にもどされ、
救いのないシーンで終わります。
胸が痛くなりました。

また悲劇は繰り返されるのでしょうか。
かりそめの家族は福音であったのか、
あるいは悲劇のひとつであったのか。

家族とは何か。家族は機能しているのか。
子供に見捨てられ、終の日を迎える老人に、
血縁ではない「家族」は救いとなるのか。

家族の崩壊、独居老人、虐待、育児放棄、といった
現代日本の問題を、説明することなく、主張することなく、
映像と演技、短い台詞だけで見せていく・・。

外国人の共感を得られるということは、
日本の問題でありながら、
普遍の問題ということかもしれないです。

いい映画と思います。

映画「オンネリとアンネリのおうち」「ファントム・スレッド」

2018-06-15 11:10:22 | 映画
みなさま、こんにちは(*^_^*)


わが家のベランダに蝶の蛹がいます。


多分、プランターの柚子の木にいた青虫、アゲハです。
無事に生まれてくれるといいです~。

庭のミカンにいた青虫は全部
鳥さんに食べられてしまったのです。

さすがベランダの軒下は鳥さんも遠慮したのでしょうか。
早朝だと、人気がないから来られそうですけれどね。

さてさて、恵比寿で映画のハシゴしました~。
都心にでかけたら一挙に用事をすまそうとする田舎者です~。


オンネリとアンネリのおうち
目が覚めるほど色彩が美しいです!


元気でお茶目な仲良し2人の少女が
ふしぎな巡り合わせで買うことになった
かわいらしいお家で夏休みをすごします。

 
不思議な隣人や街の人に囲まれて、
小さな冒険やほのぼのとしたエピソードを体験します。


原作はフィンランドの作家マリヤッタ・クレンニエミ。
1967年の誕生以来、児童文学の定番として少女たちが熱中した
「オンネリとアンネリ」シリーズ。
日本でも1972年に大日本図書から発行されました。
お話を彩るのは、愛らしく美しいマイヤ・カルマによるイラストレーション。
・・らしいのですが、私は読んだ覚えがありません。

泥棒さえも同情して助けてしまう、オンネリとアンネリ。
しかし、オンネリもアンネリも、そして隣人たちも
それぞれのワケあり人生を背負っていて、
それが物語に深みを与えているのだと思います。

ワケは脇においておいて、とにかく楽しんじゃおう!
という人生全肯定な考え方が
私たちを勇気づけてくれるのだと思います。

ピュアな子供たちはもちろんのこと、
リアルな世界に疲れたオトナも癒されました(´・ω・`)←オトナ

テイストは違いますが、先日の「ビーター・ラビット」と同じくらい楽しめました。
私は物語の世界が好きなのかな?



ファントム・スレッド

こちらはダニエル・デイ=ルイスの引退作というので、見ました。


1950年代、ロンドンのオートクチュールハウスが舞台。
天才肌の仕立て屋レイノルズをデイ=ルイスが繊細に演じていました。


仕立て屋が見つけた理想のモデル、のちの妻アルマとの
究極の愛を描いています。

ファントムは幽霊、幻、スレッドは糸。
彼に洋裁を教えた亡き母親の幻が幾度となく現れ、
やがてそれはアルマと替わります。

普通ではないねじれた愛なので、
「ええっ、あり得ない」結末です。


オートクチュールのゴージャスなドレスと、
華やかな社交界にうっとりしました。


2本の作品の合間が30分しかなかったので、
(さすがにこの2本ハシゴをする人はいないだろうな・・(・ω・;A )
下のベンチで持参のおむすびを食べます。

ガーデンプレイスはお花や植物がきれいに手入れされていて、
中央の屋根の下や周辺にたくさんベンチがあり
お昼はオフィスのサラリーマンがくつろいだり、
観光客が飲食していたりします。

この日は風が気持ちよくて、最高でした。

2本終わると15時。さすがに疲れたので、
休憩していくことにしました。


いつものビアステーション、窓際の席。


映画の半券でグラスビールサービスです。
まんまとおガーデンプレイスの作戦にはまっています。
生春巻きを頼みました。


飲んだら帰るつもりが、ビールを飲んだら食欲がわいて、
焼きソバを頼みました。
これがお夕食、ということで(´・ω・`)


映画「犬ヶ島」「海を駆ける」「いつだってやめられる-10人の怒れる教授たち」

2018-06-02 16:00:00 | 映画
みなさま、こんにちは(*^_^*)


5月の末に封切られる映画作品が多かったので、
楽しみに出かけました。

 
「犬ヶ島」
ウェス・アンダーソン監督による
ストップモーション・アニメーションの冒険映画。
近未来の日本、メガ崎市が舞台。
12歳の小林少年が追放された愛犬を探しに
ゴミの島へと渡ります。
少年は愛犬と犬たちを救い出すことができるのか?

なつかしい感じがするストップモーション・アニメーションが美しい。
犬たちをはじめとして、登場人物が魅力的です。

   

何故かわからないのですが、以前見た「鎌倉物語」を思い出しました。
「鎌倉物語」で描かれた死後の世界が
ゴミの島の世界と似ている気がしました。


映画館にはフィギュアが飾ってありました~❤ 

 
暗くてよく撮れなかったけれど・・。



「海を駆ける」
深田晃二監督・脚本・編集作品.
ディーン・フジオカが海から来た謎の男ラウを好演。
2004年スマトラ島沖地震と大津波の被害を受けた
インドネシアのバンダ・アチェが舞台のファンタジー。

    

津波によって進路を断たれ、
人々の傷跡を取材しながら
ジャーナリストを目指す女性、
インドネシアにのこる日本軍の痕跡などが
ストーリーに組み込まれています。


「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」
イタリアン痛快風刺コメディ。
前作「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」の
ヒットに続き、シリーズ化された第2作。

第1作の日本での公開は今月末からなので、
見る順番が逆になりますが・・。

大学を追われた神経静物学者ピエトロは
仲間と合法ドラッグ製造を企てるも
逮捕されて服役している。
今作では合法ドラッグ摘発をもくろむ警部に
取引をもちかけられ、捜査協力のため再びチームを結成。

この人たち、本当にドクター?プロフェッサー? という
ぶっとんだユニークなメンバーたちが、
ぎりぎりに追い詰められながら、
問題を解決していきます。

「いつになってもやめられない」
まだまだシリーズは続きそうです。


   

2009年に始まった欧州危機により
研究費はカットされ、研究者は職を失い、
頭脳は海外に流出しました。
「主席の学者がごみ収集員」という記事が
監督の目に止まったのが作品制作の発端だったそうです。

今回の3本はアドベンチャー、ファンタジー、コメディと
表現の方法は違いますが、
いずれも現代の社会的な問題を背景に
物語が作られていると思いました。


映画「ジェイン・ジェイコブズ」「ピーターラビット」「モリのいる場所」

2018-05-21 14:31:44 | 映画

「ジェイン・ジェイコブズ--ニューヨーク都市計画革命」@渋谷ユーロスペース。
建築界のバイブルとして読み継がれる『アメリカ大都市の死と生』(1961)の
著者ジェイン・ジェイコブズのドキュメンタリー。


1950年代のアメリカでは、モダニズムを背景に、
自動車中心の合理的な都市計画が進められていました。
ニューヨークのダウンタウンに住むジャーナリスト、
ジェイン・ジェイコブズは、生活者の視点で街を観察し、
魅力的な街づくりのため、独創的なアイデアを提案します。
ジェイコブズとその仲間たちは、都市開発の「帝王」ロバート・モーゼスらが
強引に進める開発プロジェクトを阻止するため、壮絶な闘いを繰り広げていくのです。

当時の記録映像や音声も織り交ぜられており、見応えがありました。
この映画を見たあと、共同住宅の低層化が進められているという
オランダの映像を見ました。

日本では?
相変わらずどんどん住居の高層化が進んでいます。
そこに「家族」の幸せはあるのか?
1960年代の問題どころではなく、まさに今の問題であると思いました。



「ピーターラビット」
原作はベアトリクス・ポターの絵本『ピーターラビットのお話』。
ハッピーな映画です❤


皆さまご存知のピーターと、両親亡き後の家族。
隣家の心やさしいビアと仲良く暮らしていました。


CGのピーターがスピーディに駆け回り、
宿敵マグレガーおじさんの親戚トーマスと戦闘を繰り広げます。

ピーターがウィンクしたり、動物たちの表情が豊かすぎるかなぁ。
ハリウッド版なので仕方ないかしら。

美しい自然と、愛と、どたばた。ハッピーエンド。
久しぶりにこんなに楽しいエンターテインメントを見ました。

そして、以前訪れた「ピーターラビット展」で、
ポターは湖水地方の自然保護のために尽力していたことを知りました。
ナショナル・トラストに広大な土地を寄付し、
ヒルトップ農場には彼女の住んだ家も残されています。
ピーターの産みの親はただの絵本作家ではなく、
自然保護運動の闘士でもあったのです。



「モリのいる場所」@ユーロスペース
晩年の30年間自宅の庭から出ず、虫や魚、動植物を観察して描いた
画家、熊谷守一の晩年を描いています。


守一夫妻役の山崎努と樹木希林、好演。
隣にマンションが建ち、庭が日陰になるところで終わり、
庭が社会から切り離された楽園ではなかったことに気付かされます。

画家夫妻の自然体と反骨精神に心があたたまりました。

初日の初回を見たので、記念の絵ハガキをいただきました。
観客は希林さんファンか、年配の女性が多かったです。


この5月に見た3作に「『楽園』を守る女性たち」という
共通項があったことに気づきました。