ノイバラ山荘

花・猫・短歌・美術な日日

金のピアス

2009-08-13 23:00:04 | 夢と死
おととい二十夜、夢を見た。
金のピアスをプレゼントされたのだ。

私は耳にピアスの孔を開けていないので
「あれ、こまったな」と思ったのだけれど、
きらきらしてとても綺麗で、持っているだけで
幸せになりそうなピアスだった。
貰った相手は、昔の恋人だった。

不幸に終った恋だったのですっかり忘れていたのだが、
彼には装身具をついぞプレゼントされなかったので、
余計嬉しかったのかもしれない。
一緒に歩いたり、食事をしたような気もする。
世界中が光り輝くような夢だった。

――蜩の声で、眠りの淵に浮かび上がった。
谷を越えて鳴きあう蜩。
まどろむうちに、みんみん蝉の声にかわった。
それが朝鳥の囀りにかわり、また眠りに落ちた。
目覚めると5時50分だった。
目覚めてからも幸福感が続き、
仕事をしながら荒井由実の歌をくちづさんでいた。
「Good luck and Good bye」(1976)
ああ、そうだこの曲もよく聞いていたのだ。

30年前は2度と会えないのがあまりに辛くて泣き続けたが、
夢を見てから、一緒に歩いたり、おしゃべりしたり、
食事をしたりした時間を思い出して、本当に幸せだったと思った。
彼のほうが先に「駄目だ」と思って、サインを出していたのに
ぼんやりの私は気がつかなかったのだ。
ある日、突然電話を切られて驚いたが、
しかし2度と電話しようと思わなかったのは、
どこかで私もわかっていたのかもしれない。

甘えん坊の私は多分、怜悧な彼が怖かったのだ。
いつもいつも、私よりも魅力的な優れた女性が彼には合うと思い、
劣等感に打ちひしがれていた。

今ではもう、私の息子が、あの時のわたしたちの年齢だ。
私を解き放してくれてどうもありがとう。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿