ツルの日記

38歳からはじめたバレエ。49歳の今年はポワントでバリエーションを踊り動画アップがノルマです

レオタード姿でラジオ体操してるようなものだったんだとわかりました

2014年05月21日 | バレエ

 

 

バレエ歴約10年、47歳にしてようやくワタシの骨格なりのバレエの立ち方とターンアウトが完成した今の感想は「昨年のケガ前ののワタシのバレエは基礎から中級レベルまでいろいろなレッスンを受けてそれなりにバレエらしくなったと思っていたけれどレオタード姿でラジオ体操していたようなものだった」ということです。

 

 

ワタシの骨格なりのターンアウトはプロのバレエアシの見た目とは違うので細かく説明するとつま先重心になるよう足裏の3点(親指、小指、カカト)を踏みこんで骨盤の前側をしっかり上げて尾骨を下げ背骨を腰から首までできるだけ引き伸すと股関節と太ももの骨の間のすき間が広がり普通の状態で立っているときよりもアシが外旋する角度が広がるのでそれで太ももの内側と外側を親指と小指までバランスよく回すと土踏まずと足首とヒザが引き上がってロックされた状態になるわけです。

 

ということで自分のカラダなんですけれど道具っぽく感じられます。ターンアウトした状態を表現するのにぴったりな道具は思いつかなかったのですけれど、たとえばワインの栓抜きでドリル部分をコルクにねじ込んで両側の把手を下に押し下げるとテコの原理でコルクが瓶から抜けるとかコンパスで円を描くような感じといえばおわかりいただけるでしょうか。アタマのてっぺんからつま先までひっぱり合ってのばしきっているので動きが制約される分、カラダの中心が細くなり安定する感じです(ターンアウトを維持してアンシェヌマンができるようなるにはこれから訓練が必要なんですが)

 

 

今は踏ん張って立っているだけで全身の筋肉がつねにはたらいている状態になるので立つだけでなんですけれど立つだけでバレエになるとも言えますし筋トレ状態とも言えます。ということで最近はバーのタンジュの段階で汗が出てきます。本来バレエはそういう全身状態でプリエからはじまりタンジュ、ジュテ、ロンデジャンブアテールと続き最後はグランバットマンという一連の流れのバーレッスンで足裏のや軸を安定させる筋肉を鍛えながらカラダのあちこちの筋肉をひっぱり合ったり連動させたりして全身の動きを強化・洗練させて舞台でターンアウトを維持して踊れるようにするものなので、正しくターンアウトした姿勢を維持、向上しようとしながらレッスンを受けようとしないかぎり個々の動きの精度はまったく向上しないことになります。

 

 

この股関節からアシを外旋させるバレエの最大の特徴である基本テクニック「ターンアウト」は大人バレエでは周知のことですが、そもそも骨格により向き不向きがあり骨格的にバレエのために生まれてきたような人をのぞけば10歳前後くらいまでにレッスンで靱帯をのばさないと上級テクニックをカラダに無理なく身につけられる角度まで広げられないので(子供の場合同時期にバレエの美脚の要件である甲を出すという作業も並行します)成人の場合は無理のない範囲でアシを開くことになっています。そうすると骨盤をコントロールして上体を引き上げ股関節からアシの筋肉の向きを変えて下っ腹とつま先を連動させて使うターンアウトを前提としている5つの基本のポジションが機能不全になります。

 

 

ですから子供とは違い普通の大人のバレエはテクニック的に上達しないというのが常識的な考え方です。それで大人のバレエの一般的な効用としては「筋力・柔軟性がアップし、リラグゼーション効果がある」などが挙げられます。でも「不向きでも根気よく努力を続ければ大人なりに変化・進歩する」という旨もレッスンで聞いたり大人向けバレエ本・雑誌で目にしたりします。

 

 

大人のバレエの場合はレッスンを受ける目的、目標、環境もさまざまです。ワタシは素人考えで偶然にも7~8年前からターンアウトとセットであるにも関わらず素人が見落としがちな「背骨のコントロール(引き上げ)」を「インサイドバレエテクニック」という本を読んで自己流でやっていたために(その後方法は修正しました)骨盤の前側が2年弱前からすこしずつ持ち上がって背骨を腰から首までできるだけ引き伸した状態を達成したので上述のように太モモと股関節の間のスキ間を広げて股関節でワタシの骨格なりに目一杯アシが外旋回して土踏まずが引き上がるところまでもっていけたので10年近くかかって本来のターンアウト機能を身につけることができました。

 

 

そこまでいってようやく理解できたのは大人バレエで一般的な「無理なく開く範囲」だと本来のターンアウトを機能させられないのでバレエシューズではわかりにくいのですけれどトウシューズを履いてポワントで立ったとき関節が不安定な状態だということです。硬いトウシューズに立たせてもらってる状態です。ピンクサテンのトウシューズを履いてはいるもののの、実際にはもともと普通の状態で立っているときの筋肉で底の硬いスニーカーでつま先立ちしているようなものなんです。ターンアウトして股関節とつま先がダイレクトに物理的につながっている状態になっていればトウシューズの中で足指がつま先部分をつかんでカカトはカカトを押すので骨盤までの各パーツが引き伸されて上がりきって安定するわけです。

 

 

これまでいろんな大人向けポワントレッスンを受けてきましたけれどこれまでのワタシのようにかなりの割合の人がターンアウトの角度が不十分なために「つま先が靴底をつかめていない」ので足首とヒザが不安定な状態だという自覚がないままトウシューズを履いているということです。ワタシもまだカカトは踏めていません。大人のポワントは自己責任ですし人数もそんなに多くないので素人のワタシの感想もなにかヒントになればありがたいです。

 

初心者時代ポワントをはじめたとき幸いつま先が痛くならなかったので深く考えずよくわからないままレッスンを受け続けたら全身、とくに足裏の筋力が強化されていたので本来のバレエの筋肉を使うように2年半前から変更するときに役立ちました(筋力向上だけでなくその間レッスンでいろいろな指示をきいたことの蓄積も今になってわかったりできるようになったりしています)ポワントも週1回30分から1時間のバーとごく初歩的なセンターだったので足首やヒザが安定していなくても背中を上げるように意識していたのでよい筋トレになったようです。

 

 

 習いはじめた当初バレエの知識はゼロだったのでとにかくわけがわからないままレッスンを受け続けたもののレッスンでのバレエ用語が何が何だかとまごまごしているうちにバーが次にすすんでしまったり「もっと引き上げて細く立つ」「カタチを作るな」などの指示がさっぱり理解できず大人用のバレエレッスン本を買ったのですけれど何もわかりませんでした。一目見て普通とは違う筋肉の付き方で首と手足が長く足の甲のアーチが美しい細身のバレエの体型のプロのスラッとした立ち方と簡潔な基本ポジションは難しさをまったく感じさせないので(むずかしいことをむずかしく見せてはいけないのがバレエなんですけれど)お手本のスゴさはわかってもレッスンで鏡に映る自分のブザマな姿をどうすればすこしでもキレイにできるのかさっぱりわかりませんでした。バレエ向きではないにしても骨格自体はほぼ人類共通なわけで、しかもバレエではアシは前後左右に出すだけ、腕は上か横か下だけなんです。股関節が開く角度がぜんぜん違うことは見ればわかったのですけれど角度以外はなにがどう違うのかがわかりませんでした。

 

 

前後にアシを出すとき骨盤も前後にうごいてしまったり腕を上げるとき肩が上がったり上体がねじれてしまうのは全身の関節が人並み以上に硬いからというのは明らかだったので(今でもですが)せめて股関節の可動域を広げるために少しでも「ヒザを横に回してアシを使おう」という意識はいつも持っていたのですけれど、ヒザが横に向くまで外旋するというのは想像を絶したので「無理のない範囲でターンアウトしてレッスンを受け続けるとどうなるのか?」「それなりに上達するとはどういうことなのか?」というのは興味がありました。

 

 

実は「無理のない範囲でアシを開く」というのは合理的です。なぜなら普通のカラダの成人が股関節で大腿骨頭を回転させるのは非常にむずかしいからです。というのは太モモの骨はヒザからみると外側に斜めに向かってついているのですけれど上部はカラダの内側に向かっておれていて股関節におさまっています。股関節はカラダの前面近く、ヘソをはさんで15センチくらいのところに左右の関節があり太ももの骨の上部と股関節のあちこちが骨盤や背骨、ヒザなどと様々な向きと大きさの筋肉や靱帯でつながっているからです。ですから大人のバレエではターンアウトしているつもりが実際にはヒザだけ、足首だけ開いているというのはめずらしくありません。でも股関節は非常に重要な関節で無理に開いて痛めたら大変ですから回っていなくても気にしないほうがいいかもしれません。股関節から回っていなくてもレッスン頻度がそんなに多くなく筋肉がしっかりしていればとくに問題は起こらないようです。とにかくバーレッスンを5年以上続けていたらガチガチだった骨盤と股関節周辺も3年位前からは多少柔軟になっていました。股関節でアシを回し始めたのは2年半前からです。

 

 

そして昨年夏頃、ケガ後にアシの筋肉バランスを矯正していたらとつぜん骨盤の角度が変わり股関節でアシが回る角度が広がったのでした。ターンアウトは股関節、ヒザ、足首をバランスよく回すものなんですけれどワタシの場合股関節とヒザ、足首が回る度合いが異なっているのとO脚でアシの内側の筋肉のはたらきが悪かった股関節でまわしてそのつながりで土踏まずが引き上がるまでヒザ下からつま先までをまわしてつなげるのが難しかったです(このあたりのことはツイッターやブログでさんざんぼやいてきましたが)

 

 

最終的に内転筋を連動させてハムストリングから土踏まずを引き上げてつま先までつながるところまで股関節を回せるようになったのはこの週末です。できていると思っていたつま先重心をさらに修正したら骨盤の前側がしっかり上がったからです。ここまで骨盤の角度をコントロールできるようになったのは腰が上がったからということになります。

 

 

ターンアウトは基本でありレッスンのすべての前提なのですけれど週1回1時間や1時間半程度というごく限られた時間では基本ポジション、バーレッスン、センター、表現やマイムなど盛りだくさんで幅広いバレエの内容のうちのほんの一部しかカバーできないし基本姿勢はあまりに前提すぎるにもかかわらず、バレエのために生まれてきたような骨格と柔軟性を持ち合わせていない(ワタシのような)大人が股関節でアシを回してつま先までつなげるには地味で細かい点を矯正する練習を根気よく続けなければならないのでほとんどの人が習得前にあきてしまうということもありこれまで大人のバレエでは積極的にはカバーされてきませんでした。

 

 

バレエは何年も継続してこそわかってくる事が多く大人の場合オープンレッスンで行けるときにレッスンを受けているというのも長年続けるには好都合です。とくに30代、40代、50代やそれより上(つまり筋肉、骨や軟骨などバレエに必要な組織が硬くなっていく年齢)でバレエをはじめた人達に何をどう教えるかというのは各先生が独自に腐心してレッスンを組み立てていらっしゃいます。なぜなら子供を成長段階に合わせてカラダをバレエ向きに変えて筋肉を強化しテクニックを身につけさせてプロに育てる教授法は近代以降何世紀も経て確立しているのですけれどそれは普通の大人には使えないからです。日本で普通の大人がバレエを始めるようになった歴史はごく浅くせいぜい30年前からでワタシがバレエをはじめた10年前頃からは大人の生徒が増えて大人向けのバレエ本や出てきたりした時期になります。おそらく10年前からの本やレッスンはそれ以前の大人のバレエでの経験をふまえたものと思われます(プロが書いたバレエ関連書籍については拙ブログの昨年12月29日の「バレエ関連参考文献一覧」http://blog.goo.ne.jp/nokhayaaw/e/91d5060db450ecbe0867429589dfa076を参照してください)

 

 

バレエに詳しく海外バレエ団の同演目を違うキャストで見に行ったりする熱烈なバレエファンの方々やお子さんがバレエを習っていて厳格な訓練をよくご存知の方はプロとは違うからと割りきったスタンスでレッスンを楽しんでいらっしゃる方も多いのですけれどワタシのようにバレエの知識がないままはじめた場合は本を読んだり基礎に特化したレッスンを受けないかぎり3年5年と週3回も熱心にレッスンを続けたのに「なぜ上達しないのか?」とか、ポワントレッスンで「足指が痛い。どうして?」ということになったケースを見聞きしたこともありますし、子供のように同年代とカラダの成長に合わせて同じお教室でステップアップしていくのと異なり7年ほど前から都合の良い時間に出られる90分のいろいろなレベルのオープンレッスンでバレエを続けてきて自分なりに本を読んで立ち方やターンアウトについて知識はあったつもりだったものの実際やってみたら上記のような感想になったので素人のワタシが考えたことをまとめてみました。(立ち方については昨年末Youtubeに動画をアップしたのですけれど2月からの基礎に特化したレッスンを受けてその後かなり変更しましたが立ち方のイメージの参考になるかもしれませんhttp://www.youtube.com/watch?v=NZOvwKMnYec

 

 

大人のバレエは子供に比べて年齢も生活スタイルもレッスンも多様です。運転免許のように20代なら20時間、30代なら30時間、40代のワタシなら40時間というように年齢に比例して年数がかかることもありますのでターンアウトも不可能と決めつけずトライすることで自分のカラダについて理解が深まったりします。昨年ケガして休んでいる間に気になっていたカラダの左右差を矯正しようとしたら思いがけず全身いろいろな部分を調整したらターンアウトを完成する土台になりました。バレエの筋肉をはたらかせて使えるようになるには全身の筋肉が本来の機能を果たしていないと困難です。ワタシの場合はO脚で出っ尻状態でアシの付け根が引っ込んで腰が硬かったのが全身のアンバランスを引き起こしていたのがネックになっていました。カラダには個人差がありうまくターンアウトの筋肉をはたらかせることができるかどうかはほんのちょっとしたことだったりしますけれどそこを無視すると根本的なところがバレエらしくならないので毎回のレッスンを楽しみながら長期的なイメージをもってバレエを続ける参考にしていただければ幸いです。

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