今や北海道だけでなく、全国に波紋を投げかけているのが猟友会による「クマ駆除要請の拒否」問題。
私が不思議でならないのは、これだけ全国に波及した事件にも関わらず、マスコミに登場した公安委員会の委員が皆無であることです。つまりマスコミ様は公安委員会に対して取材をしていないということなのでしょう。
別に委員会のメンバーは秘密でもなんでもなく、堂々とプロフィール公開されています。しかし、彼らに取材を敢行したマスコミ様は皆無。政治家やら芸能人、プロ野球選手には家族を含めてずけずけと取材を強行するマスコミ様とは思えない。
いったいこの落差はなんなのか。まぁ憶測混じりではありますが、取材を強行しない理由は分からないでもない。公安委員会のメンバーは財界の著名人や地方の引退した議員などが中心ですが、その人選にあたり何よりも重視されるのは警察の意向に忠実であることです。
つまり北海道公安委員会が砂川の猟友会会長に下した猟銃免許取り消しは、警察の意向に沿ったものなのです。警察担当の記者様なら当然ご承知のこと。では、誰がこの免許取り消しの指示を出したのか。実はそれすらも碌に取材しないのがマスコミ様です。
報道の自由が聞いて呆れますが、会社の社員という制約のなかで警察を敵に回したくない記者様の繊細なお気持ちも分からないではない。せっかくの出世コースである官庁の当番記者です。家族もあるし、住宅ローンも抱えたサラリーマン記者に危ない橋は渡れない。
猟友会のクマ駆除要請の拒否問題は、単なるクマ駆除問題のゆがみを明らかにしただけではありません。日本のマスコミ様の覚悟の無い自堕落な報道姿勢を明らかにしていることこそ重要なのです。
誰も口に出しませんが、警察の目的は国民から銃を取り上げることでしょう。そのくせ危険な野獣から国民を守ることには興味がないのが日本の警察であり、それを報じる覚悟さえないのが日本のマスコミ様ですぜ。
なお裁判ですけど、おそらく最高裁で差し戻し判決が出ると思います。だからといって問題の本質が解決した訳ではないのですけどね。