昨日、顧客を一件失いました。顧客の要望に十分に応えられなかったことが原因です。
顧客の要望は、一応は法形式に則ってはいましたし、違法とは言えません。しかし、私の勘が怪しいと、危ないと告げていました。申告はとおるでしょう。問題はその後の税務調査です。私の経験からすると、否認される可能性が高いと感じていたのです。
そのことを説明したのですが、顧客は業者の説明の方を信じたかったようです。業者は私に連絡を取るのを嫌がり、業者の側の税理士を紹介したようです。
私のその顧客に固執することなく、快く顧問契約を解除しました。まあ、経済的に逼迫しているわけではないので、構わないといえば、構わないのですが、やはり気持ちの上でしこりは残りますね。自分に出来ない仕事ではないのですが、顧客が望む形での申告には応じられない。これは本音ですが、反面自分の力量を否定された印象は否めないのも事実。
我々税理士のような仕事は、いわゆる士業、すなわち自由業です。収入を失う自由であり、顧客を失う自由でもあります。そう頻繁にあることではありませんが、やはりまだまだ慣れませんねえ・・・責任と義務がある以上、断らねばならない場合もあるのは当然です。しかし、経営者として資金繰りに逼迫していたら、果たして断る事が出来ただろうか?少し自信がない今日この頃です。