近所にある公園は、昔「シュークリーム公園」と呼ばれていました。コンクリートで作ったシュークリーム状の滑り台が、その名称の由来です。
しかし、老朽化したため公団は作り変えをしました。新たに出来あがった滑り台は、柔らかいプラスチック製で、面白みのない傾斜の緩やかなものへと成り下がっていました。どうやら、子供達への安全を配慮してのことらしいのです。一見、子供達への配慮のように思えますが、おそらくは大人たちの事故に対する責任回避が真相でしょう。
子供に対し安全を考慮しているかに見えますが、私には全く逆に思えます。安全な遊び場所でだけ遊んで育った子供は、いったい何時危険を回避するすべを学ぶのでしょう。子供というものは、砂場で転ぶよりも、堅いコンクリの上で転んで痛みを知ってこそ、危険を察知する能力を得とくするものです。子供達から危険を察知し、回避する場所と機会を奪うことが、果たして子供達の教育になるのでしょうか。
今の大人達は、子供を育てることより、子供から生じる事故を回避することを優先しているように思えて仕方ありません。一体、この子供たちはどんな大人に育つのでしょう。危険に対処できない子供を育てて、いったいどうなるのでしょうかねえ?