時々、無性に腹の立つことがある。家族で仕事をして、何が悪い。
日本の企業の9割、特に中小企業はほとんどが家族を経営の主体とした、いわゆる同族会社だ。別に日本だけではない。世界中の企業、特に中小企業の多くは、家族経営が普通だ。
もちろん大企業は違う。規模が大きくなれば、家族だけでは手が回らないし、優秀な人材を登用して経営陣に加えることが重要になるため、家族経営から脱却を図る。そうすることで、変化する市場経済に対応して、生き残り更なる拡大を目指す。
しかし、中小企業とりわけ零細事業では家族こそが、もっとも頼りになるパートナーだ。家族ゆえに無理も利くし、背任や横領の危険性も少ない。もちろん、デメリットもある。その最たるは、身内ゆえに甘くなることだ。それゆえに、家族以外の従業員が疎外感を抱き、モチベーションの低下を招くことがままある。
それでも家族経営ゆえに、経営は自由自在だ。それゆえ20%の課税を厭い、配当金さえ払わない企業は多い。また職場に顔さえみせない社長の奥さんや親族に、給与が払われていることも多い。はっきり言えば、所得を分散することによる節税目的であることが多い。
だからこそ、税務署は家族への利益の分配を目の敵にする。会社に利益を蓄えすぎだと言って、留保された利益に課税する。これを「留保金課税」と言う。さらに家族への役員報酬、給与が過大だといって、給与の経費性を認めない。これを「過大役員給与等の否認」と言う。
何を持って、利益を蓄えすぎだと判断するのか。また何を持って、給与が多すぎると判断するのか。大概は、その地域の同種同業同規模の企業の平均値を根拠にする。ちなみに、この平均値の資料は非公開で、いきなり課税してくる。
実に馬鹿げた課税だと思う。架空給与ならいざしらず、給与である以上所得税は天引きで課税されている。本当に過大なら、資金不足に陥り、結果的に経営危機に陥るはずだ。利益が十分にあるからこそ給与は払える。いくら払おうと自由なはずだ。これこそ経営責任というものだ。役人の仕事ならいざしらず、民間企業は自由競争であり、平均的給与を指標にしているわけではない。稼ぐ企業が、その利益の範囲で給与を払って何が悪い。
配当をせずに会社に利益を留保するのは、いざって時の蓄えだ。中小企業は、誰も助けてくれない。銀行や大企業と違い、政府も公的支援なんぞしてはくれない。だからこそ利益を蓄える。それだけのことだ。
年末に発表された税制改正大綱で、かねてより悪評の高かった「留保金課税」の撤廃が盛り込まれている。ようやくである。マスコミは、中小企業対策の一環だと概ね好評しているが、馬鹿言っちゃいけない。もともと形骸化していた規制法で、それほど実害はない。撤廃しても税収はたいして落ちないことを財務省は知っている。
むしろ今年から適用された「オーナー社長の給与の一部否認」による増税のほうが税収アップに大きく貢献するはずだ。だからこそ財務省は「留保金課税」の撤廃にGOサインを出したのだろう。
要するに相変わらず日本政府は、同族経営を悪いものだとみなして課税を強化しているだけ。これで中小企業の経営が悪化することは避けられないことは確実だ。「オーナー社長の給与の一部否認」という悪質な増税策を見て見ぬふりしたマスコミの猿芝居には辟易する。
日本の企業の9割、特に中小企業はほとんどが家族を経営の主体とした、いわゆる同族会社だ。別に日本だけではない。世界中の企業、特に中小企業の多くは、家族経営が普通だ。
もちろん大企業は違う。規模が大きくなれば、家族だけでは手が回らないし、優秀な人材を登用して経営陣に加えることが重要になるため、家族経営から脱却を図る。そうすることで、変化する市場経済に対応して、生き残り更なる拡大を目指す。
しかし、中小企業とりわけ零細事業では家族こそが、もっとも頼りになるパートナーだ。家族ゆえに無理も利くし、背任や横領の危険性も少ない。もちろん、デメリットもある。その最たるは、身内ゆえに甘くなることだ。それゆえに、家族以外の従業員が疎外感を抱き、モチベーションの低下を招くことがままある。
それでも家族経営ゆえに、経営は自由自在だ。それゆえ20%の課税を厭い、配当金さえ払わない企業は多い。また職場に顔さえみせない社長の奥さんや親族に、給与が払われていることも多い。はっきり言えば、所得を分散することによる節税目的であることが多い。
だからこそ、税務署は家族への利益の分配を目の敵にする。会社に利益を蓄えすぎだと言って、留保された利益に課税する。これを「留保金課税」と言う。さらに家族への役員報酬、給与が過大だといって、給与の経費性を認めない。これを「過大役員給与等の否認」と言う。
何を持って、利益を蓄えすぎだと判断するのか。また何を持って、給与が多すぎると判断するのか。大概は、その地域の同種同業同規模の企業の平均値を根拠にする。ちなみに、この平均値の資料は非公開で、いきなり課税してくる。
実に馬鹿げた課税だと思う。架空給与ならいざしらず、給与である以上所得税は天引きで課税されている。本当に過大なら、資金不足に陥り、結果的に経営危機に陥るはずだ。利益が十分にあるからこそ給与は払える。いくら払おうと自由なはずだ。これこそ経営責任というものだ。役人の仕事ならいざしらず、民間企業は自由競争であり、平均的給与を指標にしているわけではない。稼ぐ企業が、その利益の範囲で給与を払って何が悪い。
配当をせずに会社に利益を留保するのは、いざって時の蓄えだ。中小企業は、誰も助けてくれない。銀行や大企業と違い、政府も公的支援なんぞしてはくれない。だからこそ利益を蓄える。それだけのことだ。
年末に発表された税制改正大綱で、かねてより悪評の高かった「留保金課税」の撤廃が盛り込まれている。ようやくである。マスコミは、中小企業対策の一環だと概ね好評しているが、馬鹿言っちゃいけない。もともと形骸化していた規制法で、それほど実害はない。撤廃しても税収はたいして落ちないことを財務省は知っている。
むしろ今年から適用された「オーナー社長の給与の一部否認」による増税のほうが税収アップに大きく貢献するはずだ。だからこそ財務省は「留保金課税」の撤廃にGOサインを出したのだろう。
要するに相変わらず日本政府は、同族経営を悪いものだとみなして課税を強化しているだけ。これで中小企業の経営が悪化することは避けられないことは確実だ。「オーナー社長の給与の一部否認」という悪質な増税策を見て見ぬふりしたマスコミの猿芝居には辟易する。