少し前だが、サッカー日本代表のアジア予選で、カンボジアに3-Oで辛勝したと報じられていた。
負けたのなら興味をもって観るが、勝ったのならいいやと思い、特段関心を持たなかった。例によって、日本のマスコミ様やら、サッカー評論家様たちが、日本が3点しか取れないことを取り上げて、さかんにご高説をまくし立てていた。
バカじゃないかと思う。たしかにカンボジアはかつての日本(ほんの30年前)のように、サッカー弱小国だ。だからといって、カンボジアの選手たちが必死であったことに変わりなく、弱いなりに必死なのだから、3点でもそれなりの成果である。
それを得点不足だ、監督の指導力不足だと、マスコミ様は非難轟々である。まったく碌な記事がない。そんななか、一つだけ記憶に残った記事があった。カンボジアの代表監督(韓国人)にインタビューしたものあった。
その記事によると、対日本戦にあたり監督が指導したのは、安全なクリアーを徹底することであった。勝つためではなく、負けないために失点しないことを目標に、それを徹底したそうだ。
これでは、日本の攻撃陣が3点しか取れなくても不思議ではない。それだけの覚悟をもって戦う相手に対し、大量得点を期待する日本のマスコミの軽薄さがよく分かる。誰だって負けたくない。そのために、敢えて勝ちを捨てて、守備を徹底する覚悟がカンボジアにはあった。
アジア予選は、決して楽な戦いにはならないことが、このカンボジア戦からも分かると思う。
一方、アフガニスタン戦では、日本は6点取っての圧勝であった。日本のマスコミ様は、手のひら返して絶賛していたが、これもどうかと思う。アフガニスタンは、3つの民族から構成され、しかも国内にタリバンなどの反政府勢力が根強く残り、しかもパキスタンなどからの干渉も多い。
未だに統一国家として安定しているとは言い難く、当然代表チームもまとまりがない。身体能力的には伝統的に頑健で強壮な人たちではあるが、国内の混乱がチームを一つにまとめない。ある意味、6失点は必然ですらある。
次は難敵といっていいシリアである。過去の対戦を振り返っても、楽な試合はなく、いつも辛勝している相手である。ただし、今回は国内事情が悪すぎる。まずベストメンバーを組むのは難しい。それでも、現在グループ内でトップなのだから侮れない。
私は案外と日本代表は苦戦するだろうと予測している。中東のチームは、カウンター攻撃が得意であることが多く、ホームの観客を意識して攻撃に偏り過ぎた日本の間隙をついてのカウンターアタックに活路を見出すだろうと思う。
その時、日本のマスコミはいかなる報道をするかで、その見識が測れると思います。