ヌマンタの書斎

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ピクセル

2015-09-16 12:12:00 | 映画

これだけ馬鹿げていると、しかも、それを大真面目にやられると感心してしまう。

1970年代だと思うが、徐々に街角のゲームセンターにコンピューターゲームが増えてきた。当初は、線と点で表現している宇宙船の攻撃ゲームなど、アメリカからの輸入ものが中心であった。

その当時のゲームセンターといえば、メインはコインゲームであり、競馬やスロットなどが中心であり、通称ゲーセンはあまり真面目とは言えない10代の若者たちがたむろする場であった。はっきり言えば、不良のたまり場であった。当然というか、ブロック崩しなどのコンピューターゲームは、あまり受けが良くなかった。

私の記憶では当時のゲームセンターには、ピンボール、卓球、ダーツ、ビリアードなどが主役であった。ボーリング場にゲームコーナーが併設されていることも多かったように思う。その当時は、まだまだコンピューターゲームは、珍しいだけで、たいして人気はなかったと記憶している。

しかし、日本のメーカーがそこに大きな変革を持ち込んだ。1978年のことだが、玩具メーカーであるタイトーが「スペースインベイダー」というアーケイドゲームを開発し、ゲームセンターに卸した。これが学生や若いサラリーマンに爆発的な人気を得た。通称ゲーセンは、インベイダーゲーム一色に塗りつぶされた。

その後、多くのメイカーが参入し、ギャラクシアンやドンキーコング、パックマンという名作が登場し、ゲーセンといえば、コンピューターゲームをやる場所として認知されるほどであった。

ちなみに、当時アメリカの大学に留学中であった孫正義が、このインベイダーゲームをアメリカに持ち込み、大儲けしたことは有名だ。1980年代以降になると、ゲームセンターには、このアーケードゲームをする若者たちが集まり、その腕を競うことは珍しいものではなかった。

この映画の主人公たちは、そんなアーケードゲームに夢中になっていたオタクたち。そのうち、一人はなぜかアメリカ大統領になっているが、あとはさえない人生を送っている。

そんな時、かつてNASAが宇宙へ友好親善のつもりでアーケードゲームのデーターを積んだロケットを入手し、それを挑戦だと勘違いした宇宙人が地球に来襲。三回負けたら地球を滅ぼすと宣告してきたから、さあ大変。

襲い鰍ゥかるギャラクシアンの宇宙船や、ドンキーコング、パックマンを迎え撃つは、かつてアーケードゲームの名人であったオタク戦士たち。さあ、どうなる、地球の運命は?!

あァ、馬鹿らしい。その馬鹿らしいシナリオを、最新のCG技術を駆使して大真面目に製作された映画がこれだ。人間ドラマがイマイチとか、演技に難があるとか、ケチはいくらでもつけられる。

でも、巨大パックマンの映像に馬鹿笑いできる人なら問題ない。思いっ切り馬鹿を楽しむには、最適の映画ではないか。余談だが、パックマンは日本生まれのキャラであり、当然に日本人も出演している。ただし、格好悪いけど、それはそれで楽しめる。

こういったおバカな映画を真面目に作らせると、やはりハリウッドは上手いと思う。この馬鹿らしさを楽しめる人、限定ではあるが、あたしゃ楽しかったです。で、こういう馬鹿な映画は、映画館の巨大スクリーンで、しかも3Dで観るとより効果的。

どうせ楽しむなら、徹底的にね。

コメント (2)
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