ヌマンタの書斎

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上げ底じゃない?

2024-11-05 09:16:19 | 経済・金融・税制

コンビニ業界の覇者、それがセブンイレブンであった。

だが常に追われる立場であり、模倣者は絶えず、先駆者としての苦しみも知る企業であった。それでも業界一を保持し続けたのはさすがとしか言いようがない。

ところが私はセブンイレブンに対して、十数年前から批判的であった。理由は単純かつ情緒的なもので、一言で云えば「あざとい」。

私はけっこうサンドイッチが好きで、近くのコンビニに軽食として買いに行っていた。当時は銀座の事務所にいたが、ampmかセブンイレブンが近かったので、夕刻に買いに出かけていた。

はっきり言うが、セブンイレブンのサンドイッチは見た目こそ具沢山に見えるが、それは店頭で見える部分だけ詰まっている。事務所に持ち帰り、サンドイッチをばらすと見事な偏りで、パッケージの字などで見えない部分はスカスカであった。

これはサンドイッチだけではない。お弁当なども、底に膨らみを設けて見た目よりも量を削ったりしていた。要は原価削減による利益向上を目指した方策であり、詐欺というほどには悪質ではないが、印象が悪くネット上には誹謗、悪口、愚痴などがあふれた。

これははっきり言いたいが、セブンイレブンのお弁当は決して味は悪くない。値段を考えれば相応だと評価している。しかし、中身を削って利益を捻出する遣り口は陰湿であり、気分が悪い。だから私はここ数年、お弁当をセブンイレブンで買ったことはない。せいぜいオニギリくらいだ。

ちなみに、このような原価削減による利益ねん出は、他のコンビニ、飲食店でも大なり小なりやっている。その中でセブンイレブンが誹謗の中心になりやすいのは、いささか狡猾であり、あざとさが業界トップに相応しくないからだと思う。

円安により輸入食材の価格が上昇し、国内食材もそれにつられて値上げしている以上、企業は利益を出すためにあれこれと工夫する。それは分かる、分かるのだけどやり方があざとい。そう思っているのは、私だけではなかったようで、気が付いたらコンビニ業界で一人負けと云われる始末である。

そんな矢先に行われたセブンイレブンの社長さんの発言が炎上した。簡単に云えば「あれは上げ底ではなく、電子レンジで加熱するさいの工夫です」とかなんとか。

馬鹿だね、この社長さん。多分、嘘はついてないのかもしれない。だけど、消費者はそんな説明を聞きたかった訳ではない。この社長さん、デフレ下で手取りが増えない消費者たちの気持ちがまるで分かっていない。

私の邪推ですけど、本音は原価高騰に対応するために値上げを避けて、かつ見た目の豪華さを維持したいが故の工夫だったはず。今風に云えばステルス値上げなのでしょう。他の業界でも当然のように行われていることです。

たとえば牛乳、現在は1リットルのパッケージではなく、900㏄の紙パックで販売されています。これもステルス値上げですが、別に隠してはいません。消費者もそれに納得して購入している。ところが会見に応じたセブンイレブンの社長さんは、あくまで体面にこだわり、逃げの答弁に終始した。

おそらく社内での方針を優先して、消費者向けの視点を軽視していたのでしょう。コンビニ業界の雄であるセブンイレブンの失墜が目に入っていないのでしょうかね。

 

コメント
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