戦後の日本の最大の欠陥の一つは、軍事学を高等教育から排除してしまったことです。
困ったことに日本は議会制民主主義を採用しています。つまり有権者たる国民が選択した政治家が国政を司る。それなのに国民から軍事に対する知識を遠ざける。マスコミは兵器がなければ戦争はないといった夢想に呆けている。たまに国防に関する記事を書いても、もっぱらハードウェアばかり。軍事法制や国防戦略などのソフト面での報道は反対するか無視するかの二拓。
書き出すとキリがないので、この辺で納めますが、多額の税金が投じられるのですから真面目に議論して欲しいもの。
現実問題、日本の国防の最前線はロシアや共産シナの軍用機による領空侵犯への対応としてのスクランブル発進。これが冷戦時代から今日に至るまで、最も日本の兵器(戦闘機)を摩耗させる原因です。あまりに多すぎて麻痺しているのかもしれませんが、領空侵犯は重大な主権毀損であり、断じて放置していい問題ではありません。
そして、今後日本の空を守る戦闘機はステルス戦闘機であるF35なのです。ステルス戦闘機であるF35は、敵機に気が付かれずに長距離からミサイル攻撃をして撃退することを最も得意にしている戦闘機です。撃墜する気がないのならば、むしろ領空侵犯に対する警告の役目を担わせるには不向きな機体なのです。
にもかかわらず今後の主力戦闘機の座をF35に任せて良いのか。これは推測ですけど、この選択はアメリカからの意図を含有したものだと思います。先遣隊として敵国の最前線に気が付かれずに接近して、その基地や施設を攻撃する情報を入手させる。そして、そのあとに多量のミサイルで敵基地、敵施設を攻撃する。
その先遣隊の役割を日本に委託させるが故に、アメリカ本国以外で最も多くのF35を優先的に配備させたのではないかとの思いが拭いきれません。従来の敵国の領空侵犯に対する警告役としてのスクランブル発進ならば、運用コストの低い第四世代の戦闘機で十分だと思うのです。
F35の運用コストの高さは、アメリカ本国でも議会から異議が出るほど高額なのです。少子化で人口が減り、経済規模が縮小していく日本にとって、100機を超えるステルス戦闘機であるF35は、いささか荷が重いのではないか。
これは防衛省内部でも議論の対象のようで、防衛白書などを読むと既存の第四世代の戦闘機の延命が予定されているようです。でも、マスコミはろくに報じないし、予算付けもされていません。結果的に重税に喘ぐのは日本国民なのです。それだけではありません。
私個人としては、F35を削減し、自衛隊員の福利厚生に予算を投じて頂きたいです。いくら優秀な兵器を揃えても、それを使う兵士がいなければ無意味です。豪華な議員宿舎や高級官僚の庁舎と比べ、一般の自衛隊員の宿舎はオンボロ。しかも靴は旧式で、服装も考慮が足りない。これで自衛隊員を十分集められると思っているのか不思議で仕方ない。
いい加減、真面目に軍事を、国防を国会の元、公に議論していただきたいものです。