ワールドカップ大会アジア三次予選の組み合わせが決まった。
正直、このC組をトップで突破できないようでは、本大会での活躍は絶望的だ。アジアの国々との対戦は、日本にとって厄介なのは承知の上。なにせ日本は今やアジアトップクラスの実力国だと看做されている。だから対戦相手は引いて守っての引き分け狙いも平気でしてくる。
それでも無敗で予選を勝ち抜けたのは、日本人選手の基礎的な能力が向上したうえに、戦術的理解が格段に上がっているからだ。特に前線の選手の大半が欧州リーグで活躍しており、相手の守備陣を切り裂ける。選手たちの相互理解により、無人のスペースを作り、そこへボールを出しての得点機の創出は、日本サッカーの進歩を象徴する動きだと思う。
ただ日本人選手はアジアではスター選手であり、その情報は広く知られており、対策をされるケースが多く、それが苦戦の理由となる。その一方で、対戦相手のチームの情報は極めて少なく、そのせいで戸惑うことも多い。まだ見ぬ未知の強敵は、いつ現れるか分からない。これはこれで楽しいのだが、戦う選手は大変である。
今回のC組の対戦相手のうち、日本とは相性がいいオーストラリアの体格差は厳しいが、試合は僅差の勝負が出来ると思う。むしろサウジアラビアが問題で、アウェイで戦う場合は引き分けさえ厳しい。決して楽な相手ではないが、首位通過を狙うなら負けられない相手である。
問題はバーレーンとインドネシアで、どちらも虎視眈々と一勝を狙っている。特にバーレーンは難敵といってよく、油断すれば危ない。インドネシアは現在、サッカー熱が凄まじく母国の応援を糧に向かってくるのが明白なので、緊張感のある試合になる。ただし先制すれば一気にモチベーションが落ちるようなので、そのあたりを狙って欲しいな。
で最後はシナだ。よくぞ三次予選に来れたと思う程度のチームだが、問題はコリアに負けない暴力プレーだ。カンフーサッカーと揶揄されてはいるが、選手の怪我が怖い。若手主体で試合をして欲しい。
かつては緊張感のあったW杯最終予選ではあるが、選手たちの技量向上により、私は安心して座って視ていられるのが嬉しい。実際1990年代まで私はTVの前で立って応援していた。不安で座っての観戦なんて出来なかったのだ。
ただ課題はまだ残っている。森保監督の戦術の引き出しの少なさ。これはもう致し方ない部分ではあるが、対戦国のヴェテラン監督に弱点を突かれるのが分かっているから悔しい。ろくに本大会にも出場経験がなく、欧州などのプロリーグで戦ったこともない経験値不足の監督でも、経験を積ませ育成したい気持ちは分かる。でも、やっぱり最大の弱点だよね。
次が日本サッカー協会のボンクラぶりだ。頼むから強化試合は国外でやってくれ。アジア予選に慣れ過ぎると、欧州や南米、アフリカの高レベルなサッカーに早く慣れる必要がある。早めに手を打たないと、強い国との親善試合は組めない。過去、幾度となく失敗してきたことを反省して欲しい。
そして最後は未だに野球とサッカーの区別がつかないとしか言い様がないマスコミ様である。日本国内ではやはり野球が一番人気なので、どうしてもスポーツ担当記者は元野球部員となりやすい。先輩後輩の仲を利用して取材相手に食い込めるメリットは確かにあるだろうが、サッカー出身の記者はまだまだ少数派だ。
だから一般紙はもとよりスポーツ新聞でさえろくな記事を書かない。さりとて欧州の強豪クラブの戦術を引き合いにだして、自らのサッカー偏差値の高さをアピールするしかない若手評論家も困る。クラブチームと代表チームのサッカーは別物。
私は70年代の日本サッカーが情けないほどに弱かった時代から応援していたので、今の強さは嬉しく、かつ誇りでもあるのですが、それでも文句は絶えない。その文句が選手ではなく、協会やマスコミであることは、ある意味幸せなのかもしれませんけどね。
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