奈良のシカを殺害した男性が捕まったとの報道に驚いた。
神様の使いとして扱われている奈良のシカだが、素手の人間風情に簡単に殺されるほど軟な生き物ではない。変に思い詳しく報道を読んでみたら、刃物で殺していた。車を傷つけられた腹いせだそうだが、正直こんな人間とはお近づきになりたくない。
それはともかく、現在はコロナ禍のせいで観光客が激減している。世界的にも有名な奈良のシカたちは、さぞや腹をすかしているだろうと考える方もいるだろうが、それは大きな勘違い。
シカの主食は草木であり、名物のシカセンベイはオヤツ程度である。
ところが、どこにでも善意で勘違いする馬鹿はいるようだ。この観光客不足で、奈良のシカはお腹をすかしていて可哀そう。だから、私がお菓子をあげるのよと、人間用のお菓子などを与える人が実際にいたらしい。
馬鹿たれが!
雑食性の人間と異なり、草食動物であるシカには、人間用の食事が有害であることが少なくない。またパンやお菓子なども食べるだけでなく、その匂いを覚えてゴミ捨て場でビニール袋ごと食べる事件が頻発している。
その結果、路上に死んだシカの遺体が年に数件発生している。慌てた奈良市役所及び県庁が、シカへの餌やり禁止を訴える始末である。
シカはペットじゃない、野生動物だ。いくら可愛らしく見えても、シカにはシカの世界の生活がある。人間の好む加工食品は、多くの場合、野生動物には有害である。
ところが「シカちゃんが可哀そう」「お腹を空かしているシカを助けよう」と無知なる善意を振り回す。如何に善意であろうと、それは結果としてシカの命を奪う以上、残酷な悪行に他ならない。
ある意味、冒頭のシカを惨殺した人よりも性質が悪いと思います。善意ですべてを美化するなと言いたいですね。
このシカ、泡吹いています。なにかマズイものを食べたのだと推測されます。これも善意の犠牲者でしょう。
kinkachoにとってはもっとも馴染みのある野生動物ですね、奈良の鹿。
kinkachoの出身地あたりの小学校の遠足の定番は奈良公園、写生会も奈良公園でしたので、必ずお弁当を鹿に喰われる同級生が毎回いました。なので、奈良の鹿は敵認定しています。鹿せんべいをやる時以外は近寄らない、近寄らせないが鉄則です。
件の事件、犯人は江戸時代なら石子詰めだったのに、文化財法違反で済むんですね。
本来は野生の生き物であり、決して家畜化はできない生き物なんです。人間と共存していること自体、異例というべきでしょうね。外人さんが驚くのも無理ないでしょう。
しかし、件の犯人。正直ちょっと異常だと思いますけどね。ちょっと罪が軽すぎる。あたしゃ、シカよりこの犯人のほうが嫌ですね。