ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

他が為の議員

2022-01-24 11:19:00 | 社会・政治・一般

サルは樹から落ちてもサルだが、議員は選挙で落ちれば只の人である。

だからこそ議員は選挙での当選に固執する。それは分かる、分かるけど、なれば「都民ファースト」の看板降ろせと言いたい。

先々週のことだが、突如ラジオから流れてきたニュースに吹き出しそうになった。東京のローカル政党である都民ファーストの会と、国民民主党が将来の統合に向けて云々とのこと。

小池さん、これ了解しているのか。よりによって組む相手が旧・民主党の残滓かいな。私の理解では、都民ファーストの会が設立されたのは、既成の政党が与野党問わず、多数の都民の意向を蔑ろにしているからであったはず。

その蔑ろにしていた一派である旧・民主党の残党と合流するってことは、再び都民の意向を蔑ろにするってことなのか。私のような東京原住民は、与党自民党でさえ多数の都民の利益よりも、一部の熱心な支持者のみに偏った都政をやっていると捉えていた。だからこそ、都民ファーストの会は都議会選挙に於いて、大きな議席数を得たはずだ。

都政に於いて旧・民主党のような左派の存在価値は薄く、美濃部以降まったく出番がないだけでなく、マイナーな勢力(教職員組合や国労、動労)の代弁者に成り下がっていたにすぎない。

それは、民主党が国政与党の座に就いていた時も変わらず、多数派の都民は都議会議員選挙に辟易していたはずだ。その経緯を忘れて、ただ議員の席にすがりつきたいが故の国民民主党と、地方政党ゆえに国政選挙でぶつからない都民ファーストの会が組もうという話。

実に都民を馬鹿にした話である。

小池都知事は、都民ファーストの会を足鰍ゥりに、いずれは国政への復帰を目論んでいると私は思う。しかし、その足がかりとなる政党が、反省知らずの自画自賛泡沫野党でいいのかね?

政治家が議席にすがりつく心情は分かるけど、これはあんまりではないかと思うぞ。

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入院生活

2022-01-21 11:49:00 | 日記

正月早々に入院していた私だが、今回はちょっといつもとは違った印象がある。

これはコロナ禍のせいだが、原則として見舞い客が禁じられていたことだ。そのせいだと思うが、非常に静かな入院生活であった。

心臓病には静養が大事なので、話し声のない静かな病室は快適ではあったが、反面活気がなく退屈さが勝るのも事実である。ただ静かすぎるので、時折妙な話が耳に入る。

私が入院していた病棟は、主に心臓病患者であるため非常に高齢者が多い。実際、私なんぞ若すぎて目立っていたぐらいである。でも、私だってもう若くないのだが、それを忘れるほどの老人患者の多さであった。

入院中、徐々に気が付いたのだが、一人暮らしの老人患者が多かったことだ。家族が近隣に住んでいることも多いが、ほぼ完全に一人暮らしをしている老人が多いことが、医師や看護師との会話から聞き取れた。

まァぶっちゃけ私のその一人だが、耳ダンボにして聞いていると、意外なほど自炊している方も多く、料理自慢話などもよくある会話。

その一方、一人暮らしというよりも、家族にぶった切られての入院暮らしと思える老人患者もいて、これはけっこう閉口した。なにしろ我儘である。病院というところは、昼間は看護師やヘルパーも多いが、夕方から朝までは人出が減る。昼間は看護師一人で4人担当するが、夜勤となると12~16人を一人で担当するようだ。

昼間は寝てばかりいる老人が、夜になると目を覚まして小言を騒ぐ。これがけっこうウルサイ。数部屋離れた病室にいる私の耳にも聞こえるほどにウルサイ。

しかも、その文句の内容がクダラナイことが少なくない。寝たきりの方が多いので、ある程度身の回りに関する苦情が出るのは自然の摂理。でも、だったら人出の多い昼間にしておけよと、私なんぞは思うのだが、彼らはそうは思わないらしい。

その上、身体の介護に関してならともかく、どうでもいいような愚痴を聞かせたがる。これに対応している看護師もプロだから、子供をあやすように接している。でも、彼女らも人の子、あまりに我儘すぎる老人患者には、けっこう怒り気味で対応していることもある。

病床に拘束されている私なんぞ、暇つぶしの一環として「そうだ、そうだ。言っちゃえ、怒っちゃえ」と密かに応援していたぐらいである。おそらくだけど、これらの我儘老人たちは、家にいても同様なのだと思う。

病院側でも事態を把握していて、概ねこの手の我儘患者たちは個室に置かれている。他の患者には迷惑すぎるからだろう。実際、私も被害に遭いそうになった。

深夜、尿意を覚えて移動可能な点滴台をゴロゴロと連れてトイレに行った帰り道、個室の中から声がした「ちょっと手伝っておくれ~」。弱弱しい声であるから、知らない人なら騙されるだろう。

でも私は知っていた。その手伝いの内容はたいしたものではなく、要は人の関心を引きたい、人を小間使い扱いしたいといった実に我儘なものであることを。だから看護師にもヘルパーにも嫌われる。いや、同じ病棟の大半の患者が、この人の我儘ぶりを知っていた。

イソップの狼少年ではないが、日ごろからいい加減な言動を繰り返すので、周囲から完全に信頼を失している。ただ、非常に狡賢いことに、体調が悪いなど本当に緊急性があるときは、しっかりとナースコールで看護師さんを呼ぶ。使い分けているんだよね、この人。

一応、家族と同居らしいのだが、その家族が精神的に参っていて、婦長さんと主治医相手にカンファレンスルームでソーシャルワーカーを同席させて退院後の他の施設への移送を相談していた。

私はたまたま隣室の医師の部屋で、自分の病状の説明を聞いていたので、その内容を6割方耳にしていたのだ。私の主治医も肩をすくめて、患者さんだけでなく、その家族のケアも重要なんですよと言っていた。

家族の悲鳴のような相談があまりに生々し過ぎて、主治医と私もいささか閉口していたのだった。

退院して思うのだが、高齢化社会を迎えている日本では、今後もこのような我儘老人に難儀するのだと思う。それに対応する家族の疲弊、世話をする医師や看護師などの対応も含めて考えていかねばならないだろう。

余談だが、その我儘患者の対応をその病院では、おそらく意図的に外国人看護師や外国人ヘルパーに担当させることが多かった。彼女らは「難シイ日本語、ワカリマセン」などと言って、その患者を煙に巻いていた。もちろん看護師試験に合格するくらいだから、相当に日本語は達者なんですけどね。

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ウクライナ危機

2022-01-20 17:48:00 | 社会・政治・一般

私は資本主義と市場経済のなかで幸せに生きている人間です。

それを自覚した上で言いますが、これはアメリカとEUが悪い。これって何かといえば、現在ウクライナとロシア国境に集結している10万人規模のロシア軍によって引き起こされた緊張のことです。

まず世界地図を見て欲しい。北半球の大半を占めるユーラシア大陸からみると、西ヨーロッパは大陸から突きだした半島に相当すると想定できます。西欧中心でみることに馴れていると違和感があるでしょうが、ユーラシア大陸最大の国家であるロシアからすれば、西ヨーロッパは大陸西端部という認識です。

この西端部とロシアとの間にある地域(緩衝地帯)は、バルト海から黒海までの広大な平野部です。遮るものがないこの平たい大地は、ロシアにとって絶対防御線でもあります。

すなわちバルト三国からポーランド、ベラルーシ(白ロシア)、ウクライナと旧ソ連の勢力下にあったのですが、ベルリンの壁が崩壊以降、リトアニア、ポーランドは西ヨーロッパ側に立場を変えており、ベラルーシはロシア側ですが、ウクライナとは微妙な関係。

それゆえに、ロシアからすればウクライナを西側陣営に引き渡すことは絶対に許せない。西側に流し目を送るウクライナに対して、軍事侵攻も辞さぬ覚悟があるからこそのロシア軍派遣です。

これは先だってのクリミヤ半島騒乱でも実際にやらかしていることですから、ロシア軍のウクライナ侵攻は十分ありえることです。それを承知のうえでクリミアを誘惑するEUとアメリカですから、ロシアが不信感を抱くのも当然です。

一方、当のウクライナの心境は複雑でしょう。これは大事なことですが、ウクライナ自身は間違いなくロシア系の国家です。民族的にもスラブ人ですし、宗教的にもロシア正教に属しています。旧ソ連時代は、ソ連を支える大穀倉地帯であり、また多くの軍需工場を有する工業国でもあります。

ただ黒海沿岸にクリミア半島があり、そこのセバストポリ軍港は冬でも凍結しない。それゆえにロシアとしては絶対に手放せない地域でもあります。実際、今もクリミア半島はロシアの支配下にあります。

これがウクライナの民には癪に障る。元々はキエフ公国としてロシアきっての先進国でしたが、ロシア帝国に支配され、そのまま旧ソ連邦に組み込まれていました。それだけに、ソ連が解体されると、潜んでいたウクライナとしての民族意識に目覚めてしまった。

自らをロシアの民だと認識する一方で、ウクライナ人としてのアイディンティティを強く意識している。だからこそロシアの強引さを知りつつも、それに素直に応じられないもどかしさがある。

そこに付け込むEUとアメリカこそ厭らしい。まァ国際関係なんてそんなものですが、わざわざ緊張感を煽る。この緊張により大儲けしているのは、軍需産業であり食料生産業者であるあたり、ますます厭らしい。多分、PMCも双方ともに大儲けでしょうね。

遠く離れたヨーロッパのことですから、日本にとっては他人事です。ですが、ウクライナのような地政学的な緩衝地帯では、このような軍事的緊張はよくあること。この対応を誤ると、なし崩し的に戦争へとつながることがあるから要注意です。

省みてユーラシア大陸と東端でも、緩衝地帯がキナ臭い。特に朝鮮半島南部の国は、西側の一員でありながら東側へすり寄る姿勢が顕著であるため、地域の安定を損なう不安要素となっています。また台湾も緩衝地帯として危険地域であり目が離せません。

日本はその緩衝地帯に隣接する位置にある以上、半島及び台湾で軍事的緊張が生じた場合は無関係ではいられません。その意味で、ウクライナの危機は他山の石となるべきもの。もう少し関心を持った方が良いと思います。

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プロレスってさ カート・ヘニング

2022-01-19 13:13:00 | スポーツ

アメリカのプロレス界には「日本帰りは出世する」というジンクスがあった。

その一例がカート・ヘニングだと思う。最初は新日プロのMSGシリーズだった。まだ若かった彼は碌な戦績も残せず、せっかくのMSGタッグ・シリーズにおいても白星配給役に過ぎなかった。

ただ、ここで日頃接することのない大物レスラーたちと巡業を通じて知り合ったことが、後の出世につながっているらしい。もともとレスリングの技術は高かった。ただ、それをどうアピールするかが分かっていなかっただけ。

日本で活躍する大物レスラーたちは、本国アメリカとは異なるスタイルで試合をする。日本は技と技、力と力といった格闘スタイルの試合を好む。だから、基礎的な実力がないと、それに対応できない。

高いレスリング能力を持ちながらも、それを活かせずにいたカート・ヘニングはここでヒントを得たらしい。その後はアメリカで大活躍。そのギミックはミスターパーフェクト。

野球をやればホームラン、バスケならば軽々とダンク、ゴルフならばあっさりとホールインワン。そんな驚きの映像をCMにして売り出したら大成功となり、アメリカ屈指の人気レスラーとなる。実際、その運動能力は高かった。

自分の売り出し方を覚え、なんでもできる気取り屋のイメージでリングに上がったカートだが、そのプロレスはおそろしく地味なもの。派手な投げ技や大技はほとんど使わない。

その代わりに地味ながら筋金入りの本格的なレスリングのテクニックで相手を追い詰め、最後はパーフェクト・スープレックスで決める。そのせいか、善玉よりも悪役のほうが似合っていた。

しかし、そのレスリングは本物であり、同業者であるプロレスラーたちからお手本とされ、練習などを見学にくるほどであった。あまりの人気で、日本にはあまり来ていないが、全日本でジャンボ鶴田とやった試合は、まさにプロレスの教本といってよい試合だ。

ただ、そのプロレスの完璧ぶりほど人格は磨かれていなかったらしく、最後は薬物での事故死である。試合中に痛めた背中の怪我のせいで、いつのまにやら薬物依存となっていたらしく、そのせいで亡くなっている。

アマレス出身のプロレスラーとしては成功者の部類に入る。また前述したとおり、そのレスリングの技術は同業のプロレスラーからも敬意を払われるほどの代物であった。

反面、人格面ではあまり良い評判は聞いていない。本人は手加減したつもりだったのだろうが、相手を痛めつけるテクニックは、怖れられる以上に嫌われていたのも事実だ。

クリス・ベノアとの試合をユーチューブで視ていて気が付いたのだけど、ヘニングの投げ技、エグいわァ。プロレスのリングでは、見た目派手さを演出するため、投げ技も大きく回転させて(その分、スピードは落ちる)相手を背中から落とす(受け身がとりやすい)のが通例。ところがヘニングは小さく、鋭く回転させて首元近くから落としている。こりゃ、受け身が難しい。

クリス・ベノアはわざわざ日本まで行って新日本で練習生として基礎を鍛えぬいているから良いけど、アメフトやボクシング、ボディビル上がりの見映えバッチリのプロレスラーには、ヘニングの技を受けるのはキツイと思う。

そのせいだと思うが、背中を痛めてからは、そこを狙われることが多かったようだ。挙句痛みに耐えかねての薬物依存ではないかと思う。もっと相手を思いやれるプロレスが出来たのならば、今少し長生きできたのではないか。まァ私の邪推かもしれませんけど、その早過ぎる死は残念に思います。

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猟銃免許取消事件のその後

2022-01-18 11:11:00 | 社会・政治・一般

バカらしい事件には、更に馬鹿らしい裏事情があった。

それが北海道での猟銃免許取り消し事件である。北海道の地方都市でヒグマが街中に出没したため、警察の依頼を受けて地元猟友会の会長がヒグマを射殺した。その場には警察官も立ち会っていて、無事解決したはずだった。

ところが北海道の公安委員会が、この猟友会の会長の猟銃保持免許を取り消した。なんでも会長の発射した猟銃の弾丸が跳ねて民間施設に損害を与えたからだそうだ。

これに怒った会長が訴訟を起こした。同時に警察にヒグマ射殺の依頼を受けても、断わるようになった。もちろん他の猟友会の会員も同様である。おかげで、ヒグマさんは、大手を振って街中を歩きまわり、ゴミは漁るは、番犬は食い殺すはとやり放題である。

以前にも書いたが、発射された銃弾がなにかにあたり別方向へ飛ぶことを跳弾と呼ぶ。アメリカのFBI所属の研究所によると、跳弾をコントロールすることは不可能であり、事故が起きた場合は不可避なものとして扱うよう指導しているとのこと。

銃器に疎い公安委員会が、そのあたり知ってたか知らないのかは不明だが、現場の実情を無視した免許取り消しには、官僚的な事なかれ主義の愚かな結果だと思っていた。

幸いにして裁判所はそこまでバカではなかったようで、年末に猟銃保持免許取り消しの決定を破棄する判決を出している。

それはさておき、ようやく裏事情が見えてきた。実は事件が起きた当時、警官に同行してヒグマを駆除するために駆り出された猟友会の人間は、会長の他にもう一人いた。会長がヒグマを射殺した時、一発の弾丸が跳弾となってもう一人の猟友会の方の私物を壊したらしい。

その弁償を求めたが、会長も警察も拒否。別に狙ったのではなく、跳弾なのだから不可抗力なのが実情だ。でも納得できなかったこの猟友会の方は、公安委員会にねじ込み、トラブルを嫌がった警察官僚が免許取り消しという安易な解決をしたことがあったようなのだ。

実に馬鹿らしい話だが、私が呆れるのはこの事件を報じたマスコミ様である。どうやら碌に取材もせず、記者クラブでの発表を鵜呑みにした間抜けな記事を書いていたらしい。

幸か不幸かネット社会であるため、事件の背景にあった猟友会の会員同士のもめ事が表に出てきてしまった。同時に公安委員会及び警察の事件発表のいい加減さも露呈したわけだ。

更に付け加えるならば、現場に居合わせた会長ともう一人の猟友会会員と警察の間で話し合えば、もっと速やかに解決出来た問題ではないのか。跳弾自体は制御不可であり、その意味で会長に責任はない。

しかし、それが会長の撃った銃弾である以上、なんらかの謝罪や弁済があってもおかしくない。同時にヒグマ射殺を依頼した警察にも責任はあり、一部の補償をしてもおかしくないと思う。

要するに現場のコミュニケーション不足。それを知ってか知らずか、適当な処置を下した公安委員会ともども社会人としての器量不足に思えてなりません。

このような、いささか複雑なトラブルの場合、地元の政治家なり顔役が介在して温和に片づけるのが従来の日本社会でした。私は話し合い万能主義ではありませんが、話し合いの重要さは認識しているつもりです。

日本社会が次第に陳腐化し、劣化しつつある証左に思えて仕方ありません。多分、似たような馬鹿げたトラブル、日本中にあるんではないでしょうかね。

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