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入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

      ’24年「夏」(41)

2024年07月17日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 
 薄い雲の間から久しぶりに太陽が顔をのぞかせている。そろそろ梅雨も終わっていいころのはずだが、予報はどうなっているのだろうか。
 
 囲いの中の牛たちを隣の第4牧区に移す時がやってきた。昨日はそのため、土砂降りの中を幾日ぶりかで電気牧柵の点検と補修のため小入笠の頭まで登った。
 案の定、幾か所も鹿によって電線が切られていて、これからしばらくは断線、補修、断線、補修と、この憎たらしい動物を相手にイタチごっこを繰り返すことになる。それに牛たちも、電気柵の衝撃を身をもって知るまでは同じことをするはずだし、時には人もそれを味わう羽目になるだろう。

 中段を過ぎると鹿が警戒する声は聞こえてきたが、幸い断線の被害はほとんどなかった。よく理由は分からないが、牧柵の向こうは林で、しかもそこから先は急な斜面となって落ちているから、その地形的なせいかもしれなかった。
 頂上まで50メートルほど手前、急な勾配が終わるあたりで上を見ると、数メートル先に1頭の小鹿がこっちを見ていて逃げようとしない。今春生まれたばかりで、もしかすれば初めて人を目にしたのかも知れず、変な動物が近づいてくると思って様子を伺っていたのだろう。

 今はマーガレットの咲く季節、そんな花は牧場にとって好ましいわけではないが、それでも雨に濡れながら咲いている白い花の一群をしばらく眺めた。
 牛が来ればこれらの花はことごとく蹴散らされてしまう。それまでの光景で、あの花もまた短命である。

 小入笠の頭の電気牧柵は近年、鹿の被害から免れている。かつては、そこまでやるのかというほど切られたが、上段をリボンワイヤーにし、下段をアルミ線にし、支柱を細いグラスファイバーに換えただけだが、それでも以前より目立つからその効果だろう。
 いつものように、ここでしばらく休む。雨雲で遠くは見えなくも、放牧地の中に点在するコナシや落葉松の木がここでは牧の眺め、その風情に磨きをかけている。

 鹿にしても、コナシにしても、どちらも牧守にとってはとても好意的には扱えない相手で、どのくらい手を焼かされてきたか分からない。それが時々、所によっても、違った印象を与えてくれて、そういうふうに思える場所の一つがここだと思っている。

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 本日はこの辺で。

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