入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

       ’24年「夏」(39)

2024年07月15日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 8頭の和牛が山を下りて、また牧場が少し淋しくなった。ただ、朝一番の見回り、そのために出入りする第2牧区の入り口の開閉、電気牧柵の電圧状況、給餌や給塩などを気にしなくて済むようになった。あれを、つまり下牧の選択が満点の解決方だとは今も思わないが、そういう肉体的な労力、精神的な負担からは解放されたのだという思いは大きい。
 今頃あの牛たちは牧舎での窮屈で、単調な日常を過ごしているのだろうが、頭の隅にここで過ごした短い日々の記憶が残っているだろうか。
 
 第1牧区の和牛たちは、迎えに行って呼べば300メートルほど離れた塩場までも列を作ってやってくるようになった。
 きょうは良い子たちにそういう牛の様子を見せるため第1牧区へ連れてった。小学校4年のK君と年長組のHちゃんだ。多分二人は、好奇心と恐怖心をないまぜにして、二人が乗った軽トラに近付いてくる黒い牛の群れに身体を固くしていただろう。
 それでも、ひと夏の思い出としては二人にとっていい体験だったと思う。広大な放牧地からの眺めにも目を丸くしていた。


 
 横浜の学校に通うK君の小学校はもう20日から夏休みになるのだとか。「大学並みじゃないか」と思わず言葉が出た。
 確か、われわれの時代の田舎の小学校の夏休みはたったの17日間だった。ただそれ以外に田植え休み、稲刈り休み、寒中休みがあって、それらの休みを合わせると、都会の小学校と休みの日数は変わらないと言われたが、信じなかった。

 囲いの草も大分少なくなってきたのが分かる。近々に乳牛と2頭の鹿を第4牧区に移す。厄介な電気牧柵の洗礼を受けさせて、それからは梅雨の開けるのを待つことにする。
 当然、牛たちが電気柵の衝撃を体感するまでには時間がかかり、それまでには何度となくアルミ線やリボンワイヤーを切られるはずだ。しばらくは点検と補修のため、小入笠までの往復に耐えねばならない。

 K君Hちゃん二人の写真は掲載に当たり両親の許可を得た。帰るのを渋る二人を、今度は望遠鏡を使って、星を見せてあげるからと約束し、見送った。

 山小屋&キャンプ場の営業案内は下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする