入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

      ’25年「冬」(31)

2025年02月10日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日の朝、午前7時の気温はついに氷点下10度を超え11度、今朝の気温は1時間のズレがあったものの午前8時の段階で零下1,2度と、信じられないような気温の差、いずれのときも寒暖計を2度確認したから間違いない。ただし、体感的にそんな違いがあったとは感じなかった。
 これだと昨日上も17,8度と、恐らく今冬最低の気温となっただろう。
  
 それでも昨日の日中はかなり気温が上がり、しばらく部屋の窓を開けていたくらいだったが、夜散歩に出たら「洞口」の日が当たらない坂の一部は雪が融けずに凍結していた。 
 その先にも、瀬澤川の谷へ下る坂道、八手の集落の外れにある竹林坂、福与へ至る峠手前の登り、そして「長い下り坂」などが待っているからと、いつもよりか気を引き締めて歩いた。

 そんな道中、月齢が進んで、昨夜は凍てる月がまた夜道を照らしてくれた。林の中を歩けば、樹々の枝が月の光を浴びて路面に複雑な影絵を落としていたり、雪と見紛うような白い光に照らされた緩やかな登りもあったりして、視界の効かない山の中でも天然の光の演出を結構気分良く味わうことができた。

 まだ10代、中学から高校のころだったが、このころにもよく夜の散歩に出た。いまより気温が低く、一度雪が降れば天竜川まで続く田圃は一面白い雪原に変わり、日中に融けた雪も夜になれば気温が下がって凍てつき、充分に体重を支えてくれた。
 その頃は、いまのような大型店舗や自動車の行き交う道路などなかったから、犬を連れて月の光を浴びながら、広い雪原のどこでも自由に歩くことができた。
 月明りに浮かぶように見える西山の白い峰々、かなり上部まで樹林を残し、まだら模様の山肌が却って寒々しく見えていたものだ。ただし、そこへ登ってみたいという気になるまでには、まだ2,3年はかかっただろう。
 冴え渡る月の光ばかりに気を取られていて、散りばめられた無数の光の粒を特に意識したかどうかは記憶にないが、頭上の青色でもなければ黒色でもなく、面と言うよりか無辺、底知れぬ広大な闇には謎めいたものを感じていた。

   〽白銀(しろがね)煙るアルプスの小屋にやさしい娘ひとり・・・

 沖縄出身の仲宗根美樹という歌手が歌っていて、今でもうろ覚えの歌詞だが歌うことができる。昨夜も歌った。この歌も、遠い過去への道案内である。
 本日はこの辺で。

 
コメント
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