入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

      ’24年「秋」(36)

2024年09月16日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 9月もすでに16日、日の経つのが早い。牛たちが山を下る日が来週の金曜日の27日、ここまで来ると入牧以来の約3か月の期間も実に呆気なく過ぎた気がする。近年は放牧日数も短くなるばかりだ。
 
 例年と比べ、今年は初めから脱柵などいろいろと厄介な事が立て続き、気を揉む日々が続いた。そして、さんざん梃子摺らせてくれた挙句、南信州から来た和牛は全頭が山を去っていった。
 その牛たちの放牧期間はせいぜい1週間程度で終わったと思っていたところ、作業日誌を見ると実際にはもっと長く20日以上になる。ということは、その間は連日のように苦労が続いたわけだ。
 ようやく牧草に慣れたと思っていた矢先に下牧が決まり、それまでの苦労は何のためだったのか、報われないまま終わった。
 
 深夜、スルメを噛みながらそんなことを思い出しつつウイスキーを飲んでいる。雨の音で目が覚め、それからすでに1時間以上が過ぎて、気が付けばいつの間にかまた雨は止んだようだ。
 キャンプ場には、もうテントは2張りしか残ってはいない。留守中にメモを残して帰っていった夫婦は20年ぶりだったと記し、「また来る」とあった。
 そうかと思えば、留守電予約がよく聞き取れず、そのことを苛立ち気味に伝えた単独の人は、多分不快感を拭えないまま帰っていっただろう。

 電話を掛けたら応答が録音では、まごつくのも無理のない話だ。キャンプ場の管理人の本業が牧場とは知らなかっただろうし、こちらが文句など言えた話ではない。
 それでも大概の場合、一度で先方の電話番号を聞き取れることは少なく、ついついイラついてしまう。また、予約確認の返事をする際には、間違い電話を怖れ、筆記具と紙を用意して何度も録音を聞き直す。予約者の都合も考え、電話をするのにも戸惑うこともある。
 円滑な予約対応こそ大切であることを重々承知の上で、まだまだである。

 能登半島地震で妻子を亡くした年恰好60代の人が、それでも笑顔を絶やさず報道関係者の問いに答えていた。「千枚田」の取入れの場面では、稲を刈りながら「あの二人は見てくれているでしょうか」と、この時も失った家族への思いを寄せつつ穏やかに語り、それを見ていたこっちがもらい泣きした。
 こういう人格者には感心するばかりで、とても真似はできないと諦めている。どちらも、持って生まれた性格だろうか。

 中央道は連休中、道路工事のためにひどい渋滞となり、こういう時には決まって事故まで起こる。昨日、3時間以上遅れて撮影の下見に来た人たちとは、そのせいではないが最初はぶっきらばうを装い、それでも次第に和やかに対応できてよかった。やれやれだ。

  山小屋&キャンプ場の営業案内は下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。


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