ついに11月に入ってしまった。紅葉も見ごろを過ぎた。都会ではつい最近まで残暑だ夏日だと喧しかったが、ここにはとっくにいつもの秋が来て、ひとしきらその絢爛たる様を例年と変わらずに見せてくれた。今は早くもその季節は終わりを告げつつあって、きょうは晩秋を思わせる雨。樹々は葉を散らし、遠くの山々はそのうちには雪化粧を始めるだろう。
昨日、一昨日とテイ沢へ行った。道標の設置もあったし、下から数えて2番目と3番目の丸太橋の間の細い道があのままだと流れに削られてしまうと以前から気にはしていたが、ようやく何とかする気になった。
それで、水流を二分させるために堆積した土砂をどけて新しい導水路を設けたり、護岸工事の真似ごとをした。大水が出れば、もちろんこんなものはいちころに流されてしまうことは承知の上で、しかし敢えてやった。
一か所、両側の大岩に挟まった、これもひとかかえほどある岩だったが、この岩をどければかなり流れがよくなると、大分奮闘した。まるでこちらの気を引くように少しは動くのだが、しまいにはどうにもならずついに断念した。
ところが、一晩寝たら諦めきれなくなって、性懲りもなくまた出掛けていった。何とかなりそうな気がしたのだ。
流れの中の不安定な歩行、重い石、長靴の中は水が入りぐしょ濡れ、何度尻餅をつきそうになったことか。それでも最後はこっちの思いが通じ、岩は動き、下方の淀みに落ちていった。
若いころ、椎間板変性症というのを患った。しかし、いつの間にか治って今は問題ない。それでも、ここでまた痛めたら悲惨なことになると、それなりに注意しながらやったが、幸い、腰のあたりが少し重いくらいで済んでいる。
帰り、北原新道の道標を新しくし、歩きにくい道にも少しだけ手を入れた。
連休が終われば小屋やキャンプ場の水を落とし、冬季も取水できるように一か所だけ水を流しっ放なしにする。そして、少しづつ里の暮らしに戻るための準備を進めながら、残りの日々を過ごすつもりだ。
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本日はこの辺で。明日は沈黙します。