入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

      ’24年「冬」(27)

2024年12月10日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 先週の撮影の下見の時にも誰かが聞いてきた、「この辺りにもクマはいるのですか」と。時々同じ質問をされることがあって、それにはいつも「ええ」と応えることにしている。
 実際にいるからで、3回目撃している。また、それだけでなく鹿捕獲用のくくり罠にもクマが掛かったこともある。いわゆる錯誤捕獲というので、母親と一緒に連れていた子熊2匹と計3頭ということもあった。
 
 狩猟期以外のこういう場合は、地方事務所の林務課の担当者に連絡し、麻酔銃を扱える専門家と担当者を呼ぶことになっている。彼らが来て、麻酔銃で撃たれ、動けなくなっている間に細かい個体調査をし、確か標高1千㍍以上だったと思うが、私有林を避けた主に国有林内に放獣することになっている。それも、麻酔が切れない40分ほどで行ける範囲、距離になるが、手伝いはさせられても放獣場所は教えてくれない。

 先月30日、秋田市のスーパーに入ったクマは、店内に仕掛けた罠により捕獲され、店外に運び出されたまでは分かった。しかし、その後どうしたかは報道されてない。
 想像できるこのクマに対する処置は、1)前述の学習放獣、2)殺処分、この2方法のいずれかだろう。ただし、殺処分は例外的な処置で、もしこれを行い、それが報道されると、「可哀想だ」という声が全国から寄せられる。だから、それ以上の詳細は控えたのだろうが、可能性としては2)もあったと思う。
 
 最近北海道では、人の生活圏に現れたクマの殺処分を行い、撃った猟師が狩猟法に違反した廉で、銃の所持許可を取り消されてしまったことがあった。詳しい状況は分からないが、現場に警察官がいなかったとは思えないし、そうであれば銃の発砲が容認されていたのではなかったのか。全道の猟友会がこの裁判所の処置に反発した気持ちはよく分かる。

 人家の近くに出没したクマへの対応は簡単ではない、難しい。身の危険に晒されている人とそうではない人との間には冬山と夏山以上の大きな隔たりがあり、被害にあった人よりかクマに同情する人も少なくない。
 行政もまた、そういう人たちの声をエラク気にし、本当かどうか分からないが、クマの殺処分を警察がやらず猟友会に任せるのは、警察がそうした市民感情に配慮しているからだと聞いたこともある。
 
 焼肉に唾を飲み込み、口の周りの汚れも気にせずに黄色い声で「オイシイ!」と叫ぶ人の中にも、この種の人がいる。その軽はずみな同情心には首をかしげたくなる。
 被害者の身になってみろと言いたいし、ならば、あの野生の動物たちと同じように、ブタや牛、ニワトリたち家畜にも同じ思いを寄せたらどうかと思うが、そういう人にはまだ会ったことがない。(続く)
 本日はこの辺で。
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