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淋しい写真だ。集団離村した芝平の誰もいないこの家を、少し高い所を通る林道から、毎日のように目にしてきた。いつも気になっていたが、こんなふうに家の前に立ったのは、初めてのことだ。この家の左隣、林道のすぐ下にあるのが次の写真の家で、この家も無人である。まだそれとなく手入れがされているようにも見えるが、やがては住む人を得ることもなく朽ち果て、草に埋もれ、跡形もなくなってしまうのだろうか。北原のお師匠の生家もすぐ近くにあったが、家屋は取り壊されてしまって、現在は更地だけが残っている。
通称「三六災害」と呼ばれる、1961年に長野県南部、伊那谷を襲った台風による大被害が、集団離村の引き金を引いたと聞いている。現在のような交通手段の発達が予測できていたとしたら、果たして長い歴史を持つ芝平の全村移住が決定されたかという疑問は残る。この村落の長い歴史は、「芝平誌」に詳しい。
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これこそ虫の知らせと言うしかない。実は、お師匠はしばらくご不例の身であったのだが、本日退院の報がご自身よりあり大いに安堵した。牛と一緒にしては畏れ多いが、お師匠の姿のない入笠は、まるで牛のいない牧場のようなものだと、今日も木々の葉の散るのを目にしながら感じていたばかりのことだった。よかった、よかった。
今日で山の天候は、大きく変わった。吹く風が違う。昨日タイトルを「暮秋」としたばかりなのに、ついに冬が来た。昨日のブログの冒頭、「木は葉を落ち尽し」でなく「落とし尽くし」にしないと、ウムーだ。今夜は「みろく山の会」とOZWさんがやってきたので、山の人になる。巣鴨さん、とても興味のある情報でした。多謝。名古屋のNさん、あまりの饒舌に驚かれたでしょう、反省してます。
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