思いついた写真をアップする家

写真を撮ってコメントを書く。それだけ。

16年11月に夕景夜景?の講釈を垂れてみる 3.5

2016年11月20日 12時20分36秒 | 夜景・夕景
広島市の年末恒例「ドリミネーション」が始まる前に、シリーズを完結したかったのですが、諸事情で遅れております。
ま、カメラ月刊誌のhow-toなんかも、毎年同じネタを繰り返しているだけだし。いつか役立つ日もあろうて。
そもそも写真なんてのは、アマチュアでやってる限りは自己満足が全てなんだし。

夕景や夜景撮影では、比較的時間に余裕のある場合が多い代わりに、経験に頼る場面も大きいので、「M」(マニュアル露出)で撮影する事が多い。
周りが黒っぽいため露出計がアテにならないことと、秒単位の露出を多用する事から、カメラに露出設定を計算して貰って決めてしまったのでは、
思うような撮影結果とならない事が多いのです。

次回は、これからシーズン真っ盛りとなる電飾撮影に関するネタを書こうとしているのですが、露出設定について知っておいて欲しいので、
基礎知識を掲載しておきます。理屈抜きで体で覚えるとか、無手勝流でやるからほっとけとか、メンドクセーのに憶えてられっかという
手合いの方には、強制する気はないのでご自由に。今頃のカメラ(スマホ含む)なら、電飾夜景程度なら手持ち可能だし。

【露出の基礎知識】

○露出設定の構成要素は「絞り値」「シャッター速度」「ISO感度」の3つです。互いに倍半分の関係になります。
・「絞り値」を2倍大きくすると、「シャッター速度」を2倍遅く(1/100なら1/50。数学的には大きくなる)するか、「ISO感度」を2倍にすると、等しい露出となる。
・「絞り値」を1/2(数値は小さくなる)にすると、「シャッター速度」を2倍速く(1/50なら1/100。数学的には小さくなる)するか、「ISO感度」を1/2にすると、等しい露出となる。
・「シャッター速度」を2倍遅く(1/100なら1/50。数学的には大きくなる)すると、「絞り値」を2倍大きくするか、「ISO感度」を1/2にすると、等しい露出となる。
・「シャッター速度」を1/2速く(数学的に値は小さくなる)にすると、「絞り値」を2倍にするか、「ISO感度」を1/2にすると、等しい露出となる。
・「ISO感度」を2倍大きくすると、「シャッター速度」を2倍速く(1/50なら1/100。数学的には小さくなる)するか、「絞り値」を2倍大きくすると、等しい露出となる。
・「ISO感度」を1/2にすると、「シャッター速度」を2倍遅く(1/100なら1/50。数学的には大きくなる)するか、「絞り値」を1/2(数値は小さくなる)にすると、等しい露出となる。

組合せを2重にすれば、倍の倍又は、半分の半分。
組合せを3重にすれば、倍の倍の倍又は、半分の半分の半分。

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・「絞り値」は、数値を小さくすると光を通す面積が大きくなるため明るく写せ、大きなボケが得られる。
 代わりに、ピントの合う範囲は狭くなる。どこまで数値を小さく設定出来るかは、そのレンズのFナンバー
 (前レンズ径と、焦点距離の比)で決まる。一般に、大きく重く高価なレンズは、Fナンバーが小さい(F2.0とか)。
 俗に、「明るいレンズ」と呼ばれる。


焦点距離150mm_絞り優先AE_F3.2_1/200sec_+1.0EV_ISO200_オリンパスE-M1。

※ボケは望遠を使うと大きく写ります。ボケの大きさそのものは、レンズFナンバーと投影対象(素子)の面積に依存し、
 素子の面積が大きいほど、ボケが大きく投影されます。量自体は光学的に決まっているので、ごっちゃにしないこと。
 逆に、素子が小さいほどボケが小さくなり、コンパクトデジカメやスマホでは、ボケが小さくなります。
 これは、ピントの合う範囲が広い=ピンボケし難いとも言えます。
 (現に、オイラが成り行き上ずーっと使っているフォーサーズは、135フォーマットに比べてボケが小さい)

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・「絞り値」の数値を大きくすると、光を通す面積が小さくなるため暗く写るが、ピントの合う範囲が手前奥に
 広くなるので、画面の隅々までシッカリと写す事が出来る。代わりに、シャッター速度が遅くなるのでブレ易くなる。
 また、絞り過ぎると「絞りボケ」という、光の回折現象による影響を受けやすくなり、逆に全体が微妙に甘く(ボンヤリ)
 写った感じとなる。


焦点距離42mm_絞り優先AE_F8_1/50sec_+0.3EV_ISO200_オリンパスE-M1。

※まぶしい時や、近視乱視の人が目を細めると見えるというアレです。速い動きを見る為には、目を大きく見開く
 必要があるので、目を細めて素早い動きを見切るというのは、普通有り得ません。瞬間、絶対に目を開いている
 のです。ベッピンサン!とかイケメン!を見て目が大きく開くのは、また、別の話・・・
 (オイラが目を大きく開くのは、ベッピンサン!だけですがw)

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・「シャッター速度」は、速く切るほど被写体をシャープに写すことが出来る。代わりに光を取り込む時間が短くなるので、
 暗くなる。高速シャッターが使いたければ、「明るいレンズ」を使うか、ISO感度を上げる必要がある。

 
左:焦点距離174mm_シャッター速度AE_F4.7_1/400sec_-0.3EV_ISO800_オリンパスE-M1。
右:焦点距離200mm_シャッター速度AE_F10_1/640sec_-0.7EV_ISO400_オリンパスE-5。注:作例は、不適正露出を+1.7EV持ち上げ。

※ISO感度を上げると画面が荒れますが、荒れてでもブレなく撮りたいシーンもあります。撮影者の意図次第。

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・「ISO感度」は、数値を小さくするとノイズが少なく美しい描写となる。代わりに、光を受け取る量が小さくなるので、
 シャッター速度を遅くするか、「明るいレンズ」を使う必要がある。


焦点距離20mm_マニュアル露出_F8_20sec_ISO200_オリンパスE-M1。

※作例では、シャッター速度が遅いため、中央の船が波によって揺れることで「ブレ」てしまっている。被写体によっては、
 工夫したり、何度も撮ったり、気象条件次第では諦めたりする必要がある理由ともなります。

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☆風景写真は、基本的に「絞り値」で被写界深度(ピントの合う範囲)を決める事が多いので、「A」(絞り優先AE)で使う。
 スポーツ写真や、相手が頻繁に動くものを止めたい時には「S」(シャッター速度優先AE)で使う。
 適正露出が良く分からない時、考えてる時間的余裕がない時、取敢えず写ってなきゃ話にならない時は「P」(プログラムAUTO)で使う。

  
左:焦点距離290mm_シャッター速度AE_F7.1_1/1600sec_+1.0EV_ISO400_オリンパスE-5。
中:焦点距離228mm_シャッター速度AE_F10_1/400sec_-1.0EV_ISO200_オリンパスE-5。
右:焦点距離224mm_シャッター速度AE_F7.1_1/250sec_+0.3EV_ISO200_オリンパスE-3。

※ヒコーキは、基本的に高速シャッターで止めます。相手が速いから。但し、プロペラ機やヘリコプター(回転翼)の場合は、
 高速シャッターを使うとプロペラまで完全に止まってしまい、動きが感じられずに不自然となるため、シャッター速度を
 意図的に遅くすることで、プロペラ部分に「ブレ」を残す方が好ましい結果となる。
 (カープの写真を出したかったが、今シーズンはオイラの腰痛問題で一度も観に行けなくて非常に悔しかったのでヤメタ)

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散々、エ?読めば読むほど、頭こんがらがるとか、なんだか妙に腹立って来るんだけど?!という人も居るでしょう。
そもそも、今回の作例は夜景ですら無いのが混じってるし! という方もいるでしょう。ごもっとも(だから、3.5なのであって…)。

ここで、上で散々書いたことが参考程度にしかならんという実例も上げておきます。つまり、近年のカメラなら、
あまり難しい事を考えなくても、しっかり構えて落ち着いて撮れば、相当撮れるのだという証拠を挙げておきます。
一種の免罪符ですな。取敢えず、撮らなきゃ始まらねーぜというコトですわ。


焦点距離23mm_プログラムオート_F2.8_1/2sec_-1.0EV_ISO1600_オリンパスE-M1。※手ぶれ補正(IS)使用。

これねー、昔なら有り得ない値なんです。オイラが10年前に自信をもって、手振れを抑えて手持ち撮影出来た
シャッター速度(下限)は、換算28mm相当で1/15秒まで(これですら、確実ではなかったが)。
この写真は、カメラ(E-M1)にオート(露出補正は-1.0EVしています)で撮らせたらどうなるのか、
テストを兼ねてやってみたら、あまりの設定値に呆れてしまったという例。しかも、割とキッチリ撮れてるし。
夜景でも、照明(ココのは、そんなに明るくはないです)当たってたら三脚イラネーじゃんか・・・

これくらい、今のカメラって凄いんです。で、一度、楽を覚えてしまったら、これが標準となってしまう。
技術の進歩と人間の退化は比例関係にある。複雑な気持ちになって来る。

だから、三脚とレリーズ持って夕景夜景を撮っているオイラは、古いカメラマンになっているのかも知れん。
(腰悪いと、たちまち撮れなくなる理由でもある)

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※注釈 1:フォーサーズ規格のデジタル一眼カメラは、135フォーマットに対し、焦点距離が倍換算となります。
 記事中の撮影データに記載した「焦点距離」を倍にすると、135フォーマット相当となります。

※注釈 2:作例は、結構古いものや、もう撮れないものが有ります。悪しからず。
コメント
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