かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

自己破産も出来ない人

2007-05-14 | 事例
50歳の半ばも過ぎた1級建築士の彼が、商売違いの製水器に手を出したのは2年と
一寸前です。
東京から車で2時間の町、仕事も回ってこなくなりました。
しかし、彼の妻は近くの銀行の長年のパートで結構良いお金を取っています。
85歳の母の年金と合わせ、それだけで生活には充分です。

それだけに、何に付け甘いところが滲み出ています。
ましてや、彼の母は当人とも4人姉妹。母を除いては比較的裕福な家庭です。
彼はそんな叔母たちに背一杯甘えて育っています。

そんな彼が知り合いに薦められて、製水器の販売を手がけたのです。
販路も決まっていないのに、20台仕入れました。200万弱です。
勿論売れる筈がありませんが、最初、義理で3台ほど売れたのです。売れれば倍儲けです。
此れが唯でさえ甘い彼の判断を狂わせました。
奨励金が付くとか言われ、更に仕入れたのです。

支払いは月2回、厳しいです。
2回払ったらお金がありません。

此処からお定まりの借金地獄に入りました。
カード・消費者金融 妻が知った頃は、もう手の付けようもありません。
仕入れた商品は仕入れを無視したダンピング。自宅は2番抵当です。
まだ、商工ローンや街金を知らなかったのが幸いです。
しかし1部の信販は二人叔母が別々に保証をして居ます。
二人とも今は未亡人。自宅の名義人です。共に50台の子供が居ます。

貸せるところがなくなり、最後は叔母のところを日参しました。
叔母も叱るどころか、借りるのに力になって居ます。
しかし此れもつかの間、家族が知って、彼は出入り禁止状態になりました。

最初この叔母たちから借りて、商品代を払っていれば、こうなって居ませんでしたが、
今は利息にもなりません。

電話の攻勢です。
母は2階に閉じ込めて、電話の音から遠避けています。
電話も取ればつい何時ごろ払うと弁解の言葉になりますから、
払えるかと思って、尚、又掛かってきます。

自己破産を覚悟しました。
飛び込んだ弁護士は、もっと早くしなかったことを責めます。そして、直ぐするよう強く薦めています。
破産をすれば、全てが楽になるらしいです。

「銀行では破産を調べて居る人が居るの。貴方が破産をすれば、直ぐに解るわ。
私は直ぐに馘よ。どうして今後生活するの。」
妻の言葉は一番深刻です。
「お義母様の年金手帳も何処かに預けてあるでしょう。戻ってくるの。」
此れは弁護士にも言っています。弁護士も直ちに戻るとは言って居ません。
「年金担保は今禁止になって居るから大丈夫と思うがな。」と云ってくれるだけです。
「自宅は取られるよね。叔母様たちの家は大丈夫かしら。」
自宅は競売になるでしょう。しかし殆どがローン代です。
借金に回るのは僅かです。
叔母たちも、まさか家まで失うことはないでしょうが、虎の子の預金だけでは、
間に合いそうもありません。
そのほか、堅い叔母たちは、自分が紹介した人には、自分で払うでしょう。
母の一族は一大恐慌が巻き起こります。

彼は自己破産をやめました。
いやもう少し延ばすつもりです。其れまでに準備をします。
本で知った経営コンサルタントを尋ね、不動産を守る処置をして居ます。
自宅に居座る方法も教えて頂きました。
母を姉妹の一人に預け込む算段をして居ます。
その間も電話はますますひどくなって行きます。その電話は2ヶ月我慢すると
見違えるように静かになると聞いています。 

彼は知りませんでした。
コンサルタントから教えていただいている方法は今は何の役にも立たない。
詐害行為で必ず負けることを。そして妻が離婚を考えて今住居を探していることを。
母の姉妹は彼の魂胆を知り、母の受け入れには団結して断るつもりです。

買い物は妻が買ってこないと何もありません。
その妻は今晩帰ってくるのでしょうか。






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