決算書。
企業の顔ですから誰でも体裁を飾りたいのです。
粉飾決済と云う言葉がありますが、1回だけならば誰でも粉飾も出来ますが、此れを長く続ける事は至難の技です。
M工業の社長は青息吐息です。
大した金額ではありませんが、毎月赤字です。
其れを何とか黒字に見せかけます。
安く現金で仕入れるB勘仕入れや、自分が使う経費など、全て仮払処理にして、利益を出す操作をして居ります。
此れがため、仮払金はどんどん増えていきます。仮払金だけが非常に多くかつ増えていく会社など、どの銀行も用心して、貸してくれません。
M工業は直ぐにでも参りそうなものですが、救いがありました。
同郷人で作っている組織です。
この組織が貸してくれるのでなく、この組員が助け合いのため、融通をしあうわけです。
社長はこの組織の実態をつぶさに教えてはくれませんが、「私は2億までならば、この仲間から借りることが出来る。」と豪語して居ります。
特に社長は、その組織のためには懸命な協力をして、中心的な存在です。其れも手助けしてくれて居るでしょう。
此処から借りるお金、仮受金で処理をして居ますが此れも仮払いが増えるとほぼ同額でうなぎのぼりに増えていきます。
当初此れを正直に試算表に計上していましたが、銀行からは絶えずこの明細を要求されます。社長は困り果ててしまいました。
この同郷人の会に、各会社の困った時の為の相談役が居ります。社長はこの相談役と相談をしたのです。
しかし実情は言わず、一過性の仮払いと仮受金と云うことで此れを何とか決算書から消す方法はないかと尋ねました。
相談役は簡単です。「一過性の物ならば、直ぐにこの費目は消えるだろうから、銀行などに提出する場合は、仮払いと仮受を、両方を相殺しなさい。決算書は非常に良くなりますよ。」とアドバイスしたのです。
本当です。
すっきりした決算書に生まれ変わりました。
ただ仮払金と仮受金とが、決算書からなくなっただけでこうも違うでしょうか。
社長はこの言葉を基にして一歩処理を進めたのです。
其れからは従来のB勘や社長の持ち出しは今まで通り仮払い金で処理をし、仲間融資も借りると仮払いの戻しとして処理を進めたのです。
B勘も社長の持ち出しも仲間融資の明細も全て社長仮払い一本になり、中身がどんなに変わろうが表面的には極平穏に過ぎて行きました。
このやり方は、取引をしていない銀行には効果がありました。
お金を貸してくれるのです。
今までの銀行にはリスケもして居りません。
利益も毎年出しています。過去の決算書を提出するときは仮払いと仮受金とを相殺すればよいのです。
一見優良企業です。
しかし内部は大変でした。
貸してくれる人は、人によって違いますが、300万から2000万くらいです。
当初3-5人で済んだお金の都合がたちまち膨れ上がりました。
貸手を増やし、転がすよりありません。
高利貸しから借りているのと同じです。
世間の景気は次第に上向いてきました。
会社の業績も上向き、B勘は正規の仕入れ計上が出来るようになりました。10万だった社長も給料も増やしました。
会社の月次もかろうじて黒字を計上するようになりましたから、少しでも返済が出来るようになりました。
ところが此処で困ったことになったのです。
今までは借りたお金は、仮払金で処理をし、帳面には一切出て来ません。返したくても、何処をどう処理をしてよいか解らないのです。今までと同じ処理をすれば仮払金が増えるだけであって、つまり新たに会社から貸したという処理しか出来ません。
此処でただ一人、何もかも打ち明けて此れを処理してきた年取った女事務員が退職をしました。
金策の手伝いと、処理の難しさに音を上げたのです。
医者は直ちに静養しなさいと薦めるほどのノイローゼになってしまったのです。
社長は、新しい事務員をこのために採用、育てようとして居ます。出来るまでは
自分でやらないといけません。
人一倍やせた社長の体が持つか心配です。
其れより仲間融資が最近はスムーズではありません。
一旦途切れるとこの会社は終わりです。
折角今まで持ちこたえた会社、先が明るくなった時に不幸が訪れ様として居ります。
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企業の顔ですから誰でも体裁を飾りたいのです。
粉飾決済と云う言葉がありますが、1回だけならば誰でも粉飾も出来ますが、此れを長く続ける事は至難の技です。
M工業の社長は青息吐息です。
大した金額ではありませんが、毎月赤字です。
其れを何とか黒字に見せかけます。
安く現金で仕入れるB勘仕入れや、自分が使う経費など、全て仮払処理にして、利益を出す操作をして居ります。
此れがため、仮払金はどんどん増えていきます。仮払金だけが非常に多くかつ増えていく会社など、どの銀行も用心して、貸してくれません。
M工業は直ぐにでも参りそうなものですが、救いがありました。
同郷人で作っている組織です。
この組織が貸してくれるのでなく、この組員が助け合いのため、融通をしあうわけです。
社長はこの組織の実態をつぶさに教えてはくれませんが、「私は2億までならば、この仲間から借りることが出来る。」と豪語して居ります。
特に社長は、その組織のためには懸命な協力をして、中心的な存在です。其れも手助けしてくれて居るでしょう。
此処から借りるお金、仮受金で処理をして居ますが此れも仮払いが増えるとほぼ同額でうなぎのぼりに増えていきます。
当初此れを正直に試算表に計上していましたが、銀行からは絶えずこの明細を要求されます。社長は困り果ててしまいました。
この同郷人の会に、各会社の困った時の為の相談役が居ります。社長はこの相談役と相談をしたのです。
しかし実情は言わず、一過性の仮払いと仮受金と云うことで此れを何とか決算書から消す方法はないかと尋ねました。
相談役は簡単です。「一過性の物ならば、直ぐにこの費目は消えるだろうから、銀行などに提出する場合は、仮払いと仮受を、両方を相殺しなさい。決算書は非常に良くなりますよ。」とアドバイスしたのです。
本当です。
すっきりした決算書に生まれ変わりました。
ただ仮払金と仮受金とが、決算書からなくなっただけでこうも違うでしょうか。
社長はこの言葉を基にして一歩処理を進めたのです。
其れからは従来のB勘や社長の持ち出しは今まで通り仮払い金で処理をし、仲間融資も借りると仮払いの戻しとして処理を進めたのです。
B勘も社長の持ち出しも仲間融資の明細も全て社長仮払い一本になり、中身がどんなに変わろうが表面的には極平穏に過ぎて行きました。
このやり方は、取引をしていない銀行には効果がありました。
お金を貸してくれるのです。
今までの銀行にはリスケもして居りません。
利益も毎年出しています。過去の決算書を提出するときは仮払いと仮受金とを相殺すればよいのです。
一見優良企業です。
しかし内部は大変でした。
貸してくれる人は、人によって違いますが、300万から2000万くらいです。
当初3-5人で済んだお金の都合がたちまち膨れ上がりました。
貸手を増やし、転がすよりありません。
高利貸しから借りているのと同じです。
世間の景気は次第に上向いてきました。
会社の業績も上向き、B勘は正規の仕入れ計上が出来るようになりました。10万だった社長も給料も増やしました。
会社の月次もかろうじて黒字を計上するようになりましたから、少しでも返済が出来るようになりました。
ところが此処で困ったことになったのです。
今までは借りたお金は、仮払金で処理をし、帳面には一切出て来ません。返したくても、何処をどう処理をしてよいか解らないのです。今までと同じ処理をすれば仮払金が増えるだけであって、つまり新たに会社から貸したという処理しか出来ません。
此処でただ一人、何もかも打ち明けて此れを処理してきた年取った女事務員が退職をしました。
金策の手伝いと、処理の難しさに音を上げたのです。
医者は直ちに静養しなさいと薦めるほどのノイローゼになってしまったのです。
社長は、新しい事務員をこのために採用、育てようとして居ます。出来るまでは
自分でやらないといけません。
人一倍やせた社長の体が持つか心配です。
其れより仲間融資が最近はスムーズではありません。
一旦途切れるとこの会社は終わりです。
折角今まで持ちこたえた会社、先が明るくなった時に不幸が訪れ様として居ります。
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