気にいった言葉。
「好きな言葉」とは違います。「お世辞」でもありません。
M子の思っている事を言ってくれる言葉です。
サービサーに対する返事は明日が期限です。
相手は1200万を要求して居ます。
逆立ちしてもそんなお金はありません。貸してくれるところもありません。
M子の主人は他界して居ります。嫁入り先の祖父の代からの店を潰したくない。嫁として守り抜きたい。M子は意地の亡者になって居ます。
銀行返済が出来なくなった頃、主人は他界しました。
困り果てたM子に、この頃知り合った先生が、いろいろアドバイスをしてくれました。
おかげで保証人は義母だけ、後は誰も保証人になっておりません。
自宅と会社は名義こそ違え、買戻しをしました。
先生は此処で懸命に廃業を薦めましたが、M子は会社の再生を志して社長になって居ます。
しかし業績はどうしても上がりません。
M子の虎の子は減って行きます。
この頃からM子は、特に先生に頼っています。
M子が考えて居ることをズバリ言い、その解決案を何とか示してくれるからです。
お世辞も言わない人ですが、的確に悩みを言ってくれます。そして解決の言葉をくれます。
M子が気にいった言葉をくれます。
しかし、それでも業績は上がりません。
その上、其処にひょっこり現れたのがサービサーでした。
「私どもは銀行から債権譲渡を受けました。残債がまだ2億近くあります。返済して頂きたい。」と飛んでも無いことを言ってきたのです。
1度は訪問しましたが後は電話で交渉です。
サービサーは満額から少しづつ下げてきています。
こちらは出来ると思われる最高額の300万を提示、後は変えたことがありません。
2回目を会いました。
M子は会って話せば何とかなるかも知れないと淡い希望を持って申し込んだのです。
しかしその際、サービサーは最終通告と云ってM子に言い渡しました。
「1200万です。揃わない場合は、当初現金で300万、後は5年位の分割でも検討します。それ以下にはどうしても出来ません。話が纏まらないとき、やむなく売掛金など法的回収をせざるを得ません。この月末までに是非のご返事を願います。」
今まで先生は「300万でも揃うか解らないのに、それ以上増やすな。」
の一転張りです。
今回は少し妥協して、且つ、出来そうな案を示してくれると思っていたが
相変わらず同じです。
「できない事をいっても仕方無い。かえってまずい結果になる。
本当の事を言おう。今までの答えが其れだ。それで差押えになったら会社を止めよう。その方が貴方には良いと思うよ。」
一生懸命、先生がアドバイスをしてると云うのに、その言葉の端から、M子ははめいております。
「困ったな、困ったな。これからどうすればよいんだろう。良い知恵がないかな。」
自分に気に入った言葉でないと受け入れる予知はありません。
翌日、相手から電話がありました。
M子は今までの300万を少し吊り上げ、毎月の返済を承諾しようと思いましたが、出来ないことは自分でもよく解って居ます。
先生の教えてくれた通りを答えました。
喋っている自分の声は他人の言葉のように聞こえました。
「解りました。私の方もやむなく法的回収を取らせて頂きます。」
サービサーの言葉はM子の予想の通りです。
「お宅様が其れを折れないとこは、私共が廃業します。明日から取り掛かります。其れと、申し訳ありませんが、300万揃うと云った件も揃わなくなります。よろしく願います、」
電話が切れました。
これほどM子の気に入らない電話は、初めてです。
「廃業します。」先生に報告です。
「よく言ったね。すっきりしただろう。
しかし、事態はこれからもっと変わると思うよ。廃業するかしないかは1ヶ月後に決めよう。其れまで普通に仕事を続けよう。」
先生は又違ったことを言います。
翌日、サービサーの上司から電話がありました。
部下の非礼を詫び、360万で和解の申し入れです。
M子は初めて痛感しました。
「自分の気に行った言葉だけが言葉じゃない。嫌な言葉でも、勇気を出して云えば助けてくれる。」と。
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「好きな言葉」とは違います。「お世辞」でもありません。
M子の思っている事を言ってくれる言葉です。
サービサーに対する返事は明日が期限です。
相手は1200万を要求して居ます。
逆立ちしてもそんなお金はありません。貸してくれるところもありません。
M子の主人は他界して居ります。嫁入り先の祖父の代からの店を潰したくない。嫁として守り抜きたい。M子は意地の亡者になって居ます。
銀行返済が出来なくなった頃、主人は他界しました。
困り果てたM子に、この頃知り合った先生が、いろいろアドバイスをしてくれました。
おかげで保証人は義母だけ、後は誰も保証人になっておりません。
自宅と会社は名義こそ違え、買戻しをしました。
先生は此処で懸命に廃業を薦めましたが、M子は会社の再生を志して社長になって居ます。
しかし業績はどうしても上がりません。
M子の虎の子は減って行きます。
この頃からM子は、特に先生に頼っています。
M子が考えて居ることをズバリ言い、その解決案を何とか示してくれるからです。
お世辞も言わない人ですが、的確に悩みを言ってくれます。そして解決の言葉をくれます。
M子が気にいった言葉をくれます。
しかし、それでも業績は上がりません。
その上、其処にひょっこり現れたのがサービサーでした。
「私どもは銀行から債権譲渡を受けました。残債がまだ2億近くあります。返済して頂きたい。」と飛んでも無いことを言ってきたのです。
1度は訪問しましたが後は電話で交渉です。
サービサーは満額から少しづつ下げてきています。
こちらは出来ると思われる最高額の300万を提示、後は変えたことがありません。
2回目を会いました。
M子は会って話せば何とかなるかも知れないと淡い希望を持って申し込んだのです。
しかしその際、サービサーは最終通告と云ってM子に言い渡しました。
「1200万です。揃わない場合は、当初現金で300万、後は5年位の分割でも検討します。それ以下にはどうしても出来ません。話が纏まらないとき、やむなく売掛金など法的回収をせざるを得ません。この月末までに是非のご返事を願います。」
今まで先生は「300万でも揃うか解らないのに、それ以上増やすな。」
の一転張りです。
今回は少し妥協して、且つ、出来そうな案を示してくれると思っていたが
相変わらず同じです。
「できない事をいっても仕方無い。かえってまずい結果になる。
本当の事を言おう。今までの答えが其れだ。それで差押えになったら会社を止めよう。その方が貴方には良いと思うよ。」
一生懸命、先生がアドバイスをしてると云うのに、その言葉の端から、M子ははめいております。
「困ったな、困ったな。これからどうすればよいんだろう。良い知恵がないかな。」
自分に気に入った言葉でないと受け入れる予知はありません。
翌日、相手から電話がありました。
M子は今までの300万を少し吊り上げ、毎月の返済を承諾しようと思いましたが、出来ないことは自分でもよく解って居ます。
先生の教えてくれた通りを答えました。
喋っている自分の声は他人の言葉のように聞こえました。
「解りました。私の方もやむなく法的回収を取らせて頂きます。」
サービサーの言葉はM子の予想の通りです。
「お宅様が其れを折れないとこは、私共が廃業します。明日から取り掛かります。其れと、申し訳ありませんが、300万揃うと云った件も揃わなくなります。よろしく願います、」
電話が切れました。
これほどM子の気に入らない電話は、初めてです。
「廃業します。」先生に報告です。
「よく言ったね。すっきりしただろう。
しかし、事態はこれからもっと変わると思うよ。廃業するかしないかは1ヶ月後に決めよう。其れまで普通に仕事を続けよう。」
先生は又違ったことを言います。
翌日、サービサーの上司から電話がありました。
部下の非礼を詫び、360万で和解の申し入れです。
M子は初めて痛感しました。
「自分の気に行った言葉だけが言葉じゃない。嫌な言葉でも、勇気を出して云えば助けてくれる。」と。
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