かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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2007-07-03 | 事例
父は他界する前、弟の銀行借入の保証人でした。家族は其のことを誰も知りませんでした。知った時、直ちに嫁いだ姉妹は相続放棄をしました。姉妹は何も資産相続をしていませんから出来たのです。が、既に資産を相続したNと母親は弟の保証債務を相続をして居ります。
弟も相続人です。

父親の商売は低迷しておりました。先祖代々の駅に近い土地を持ち、そこで婦人服を扱っていましたが、ビルの借金すら殆ど残っている現状です。
お店をやるのでなければ、その土地も処分して相続放棄をしたい くらいです。
そんな中で、Nは夢中で働きました。
リストラもし、何とかお店の将来が読めるようになった時です。
弟の自己破産が発生しました。

Nさんと母親とは怠惰な弟の性格よりある程度予想をしておりました。
万一の時、保証債務がのしかかってくれば、母は自己破産をしてもよい。
世間にも知られずに済みそうです。
Nはそう云う訳に行きません。出来るだけ粘り、払えるようになるまで待って貰う。
相続の保証であるから、Nの責任は債務の25%です。
其れを何年もかかって弁済していくか、と云う覚悟です。

やがて弟の免責も降りました。
Nのところに債権者の銀行から呼び出しです。
うち2行はNと取引銀行は同じです。
Nは出かけて現状のお店を説明し、払えるようになるまで待って欲しいとお願いします。
どの銀行も1回説明を聞いただけで後は なしの礫です。
請求もありません。

それから半年以上過ぎたでしょうか。Nにも母親にも何処からも何も言ってきません。忘れた頃、あるサービサーから手紙が着きました。
「何銀行から貴殿に対する債権を譲り受けた。ひいては今後の返済について話し合いたい。」と云う内容です。
「おかしいな。譲渡した銀行から、譲渡したと云ってこないがー。
其のうちに云って来るだろう。そしてから話し合えば良いだろう。」
こう思ってNさんはそのまま放っておきました。

1月も経ったでしょうか。Nさんのところに、サービサーから今度は電話が有りました。
Nさんは云いました。
「債権譲渡ならば、先ず譲渡した債権者から其の旨を言ってくるのが筋ではないでしょうか。
譲り受けたことは本当でしょうが、万一此れが事実でない事も今の時世ならば考えておかないとなりません。
私の方から銀行に聞くことはご勘弁願います。貴社と銀行とで話し合い、私に正規な連絡を頂いてから貴社と話し合うことにしましょう。」

30分もしないうちにサービサーからNさんに電話がありました。
「銀行と話しましたが、銀行はNさんから回収など出来る状態ではない。
何とか協力をお願いできませんか。と逆に依頼されました。当社も銀行さんの
意向を尊重しようと思います。」
と電話が切れ、それで以後何もなく今日に至っております。
勿論放棄するとは明言しませんでしたが、Nさんはもう回収には来ないと信じております。

そういえば、譲渡したという債権譲渡通知は着いて居りませんが、譲渡されたと云うサービサーからはよく請求があります。
こんな請求は、話を煮詰めていくと、概して安い額で和解が成立出来ます。
しかし、これらは本当に譲渡通知が来ているかを確認をすれば、更に事件の展開が違っていたかも知れません。

たらい回しになった債権がサービサーから請求を受けることも多いですが、中に時効と思われるような債権は、債権者からの譲渡通知は少ないように思われます。

債権者が譲渡通知を出さない債権譲渡。無意味のことをやって債務者を助けているような気がします。






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