かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

執行妨害

2007-07-09 | 事例
Yさんは街道筋に、ファミリーレストランを経営して居ります。
折からの不景気で、レストランも入りが悪く、建築にかけたお金が
返済できず、ついに競売の話までに至りました。
しかしYさんは未練が有ります。善悪に関わらず何とか競売を
阻止させたいです。銀行が薦める任意売却に耳も貸しません。

藁にもすがる思いで相談した人は妙な事を言いました。
「出来ますよ。ほらこの道路わきのところに1㎡ばかりの土地は
分筆されています。
役所と道路を作るときの何かの名残ですね。見落としか、この土地だけは
担保にもなって居ません。
この土地に大きな柱を建てて何処かの企業の広告塔に貸せなさいよ。
土地の入り口にそんな他社の看板があり、しかも出入り邪魔になるなんて、
そんな土地が、競売になっても買う人は 居りませんよ。」

云われれば其の通りです。万一土地を買った人が居て、其の看板を
外してくれと云って来た時は、思い切り高い価格で売ればよいとも
言えます。良い話です。
早速其の話に載ることにして、念のためにもう一人の人に相談しました。

「どんな目的で看板を作るの。其れが商売の邪魔になるならば、
今の商売の邪魔にはならないの。第一、そんなところにお金を
かけて作っても、利用する人は居るかしら。
看板を立てる人は曰く付きの看板と云う事が直ぐにわかるし、
第一屋外広告を建てるには、レストランの入り口のど真ん中に
広告看板を立てる人は居ませんよ。もっと安い畑の中を選びます。
折角お金をかけても、作り損になることは判りきって居ますね。」

結局広告塔は作りませんでした。
競売になる前に、広告塔に反対した人の言葉もあり、任意売却で
土地は売られました。
其の1㎡くらいの土地も含まれて居ます。

この競売を邪魔しようとする考えが執行妨害です。
執行妨害、嫌な言葉です。
しかし7-8年前は随分流行った言葉です。法すれすれの行為で
競売の邪魔をする事です。
それから何回も法改正もあり、債務者の認識も高まって
執行妨害と云う事は、随分減りました。
この例のようなことを考える人は本当に少なくなって居ます。

保証人になった時に、自宅を奥様にの名義に変えておきましょうと
幾ら薦めても実行せず、それから3年後、其の会社が駄目になり、
保証人のところに請求が行く寸前に、自宅を奥さんの名義に変えた人が
居ます。勿論詐害行為となって、何とかしてくれと泣きこんで来ましたが、
どうしようもありません。もうこんな人は居ないかと思って居ましたが
以外に多く驚きます。

件外物件にすがっている人も又多いです。
件外物件とは担保の土地に経っている担保でない建物のことです。
この建物は固定資産税を払ってはいるが、未登記だから最初から担保で
ありませんと云う人は多いです。
面白いと調べてみると、債務者の自宅で債務者が住んでいます。
何の役にも立ちません。

どころか後で車庫を建てて、此れは担保で無いから大丈夫と
云っている人も居ります。
それが有るから競売にならないんだと自分に言い聞かせて安心を求めています。

先週、こんな相談が3軒ありました。
重なるときは無いと思っている相談も重なるものです。
早くから、何も起こらないうちに、将来を考えていろいろと手を
打っておくことは良いですが、殆どの人は急場にならないと手を打てません。

そんなところに人間の弱さを感じます。






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