かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

最初の相談者

2007-07-11 | 事例
Dさんはある経営コンサルタントに勤めております。まだ見習です。
相談員は所長を含めて3名。それにDさんと女子事務員です。
電話当番をしながら、Dさんは先輩の相談に同席させて貰っていますが、
其のうちに妙なことに気付きました。

例えば資金に困って居ると云う相談に、銀行を定年退職した相談員は、
借りることを主体にしたアドバイスが多いです。
其の交渉法や、又貸してくれそうなところの説明です。
又、借りることが無理でリスケを依頼するときも、銀行を了承させる
話し方が第一となって居ます。

もう一人、倒産をした中小企業の責任者だった人のアドバイスは全然違います。
まず、お金が不足と云う時は、借金を払わない・返さないことから始まります。
リスケの時など、相手に頼むまでは同じですが、それから違います。
銀行の了承など問題ではなく、自分の思う通りにやることを薦めます。
したがって争いになった時の対策がこの人の相談の主体です。

同じ事務所ですから、本当に行き詰って居る時などは、さすがに同じ方向
付けが多いですが、どちらとも云えない様な場合は其の人の持論の方に
傾きます。其れは持ち味の違いどころでなく、基本方針其の物が正反対の
なることも少なく有りません。

話は代わりますが、こんな事もありました。自己破産希望の人です。
「8億ほどの負債が有りますが、相談した弁護士は最低2000万は必要と
云うのです。其のお金があれば破産などしません。もっと安くできる先生は
居ないでしょうか。」

「何で2000万も必要なの。」聞いてみますと次の説明だったようです。
「先ず会社と、それに保証人が二人居る。全部で3件です。
又、負債が8億と云っても、他の保証債務が各々2億一寸あるから、
予納金が1件400万で計1200万。弁護士費用が1件300万ですが100万
負けて800万。」
この件は直ちに3分の1以下の弁護士を紹介して居ります。
これほどでなくても、自己破産の費用の違いは絶えず耳にします。
しかし殆どの皆さん、最初の弁護士を信用して高くても依頼して居ります。

銀行やサービサーからの支払い督促や、請求に関する訴状で相談を
受けたとします。
私だったら「幾ら争っても必ず負けるから放っておきなさい。」と裁判無視の
アドバイスをして後は差し押さえ対策を教えます。
ところが此れをまともに受けて、「出廷しなさい。」と教える弁護士も多いです。
結果は敗訴。裁判所の命令だからと必死に払っています。
最初誰に相談するかで、大分其の後の進行が違います。

考えてみれば、何の相談でも、全てアドバイスを受けるとき、其の意見は
分かれています。
ニアンスが違うくらいではなく、意見が正反対のことも多区あります。
しかし、殆どのことは相談する当人も若干の知識を持ち合わせていることが
多く、其の答えに対して批判も出来ますが、この不良債権の問題については
批判できる人は少なく、つい相談した人の意見に従います。
相手も此れしかないと云う様な顔でアドバイスしますから尚更です。

運とは云う物の、最初の相談する人によってその後の方針は決まることが
非常に多いです。
しかし選ぶ術は評判を聞けるわけでなしに非常に難しいことです。

出来ることは只一つ、正式に依頼する前に少なくとも、もう一人の意見を
聞いてから決定したいと思います。






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