かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

税務署の判断

2007-07-15 | 事例
何年ぶりかで税務署の調査が入りました。
おかしな事は何もして居ません。むしろ無理をして利益を出して居る位ですから、追徴になるような事は間違っても無いでしょう。

しかし思いがけなく脱税と判断されることが起こりました。
その結果、年商1億2000万のS社に、重加算税、十何%かの延滞税も含めて2000万以上の追徴が掛かってきたのです。

S社の社長は同業者3名とかって協同組合を設立しました。不動産を扱うためです。S社の社長が理事長となって運営することになって居ました。
銀行借入も理事4名とそれに各々の会社まで保証をして居りました。

当初景気が良く配当も充分に有った組合もバブルの崩壊とともに経営は悪化、ついに倒産しかありません。
ところが各理事とも自分の会社は大丈夫ですから、倒産して自分や会社がとばっちりを受ける事は困ります。
約3億の負債を全員で負担しようと云う事になりました。

大分揉めましたが、S社の社長を除き、1人3500万、後の債務ほぼ2億をS社、または会社で負担することにして組合の倒産騒ぎは終わりました。

ところがS社の納入先でもある理事、M社の社長はこの事に強く反対です。
いやいやお金を出して組合の債務は処理したものの、S社の社長に云いました。
「私はあくまで組合の決議に賛同は出来ません。本来この組合はSさんの
ためにあるような会社です。今回もSさんが全額負担すべきと思います。
そのため、私は一応お金は出して借金を処理しますが、此れはあくまで
Sさんに貸したお金として処理をします。Sさんは責任を持って私に返して頂きたい。」

云っただけならば良かったですが、当時、S社はM社に月商3000万以上を売っていたのです。当時の売上は月商2億位でしたから。15%のダントツの売上でした。其の支払いをストップしたのです。

Sさんは慌てました。漸く毎月50万の相殺でお願いする事になったのです。
契約書も何もなく、毎月50万を支払いから相殺すると決まったのです。
M社の言い分は貸した3000万が戻るまでと、はっきりしているのに対し、Sさんが言っていることは「利上げが1000万以上の時に50万を払う」とか「約3000万くらいになるまで支払う」とか何となく語調がはっきりしていません。

様子を見て、思い切って取引をやめればよかったですが、最大手の得意さん、今納入ストップなど考えられません。
最近では少なくなって1000万くらいになったのですがそれでもダントツには間違いなく50万は其の販促費です。

もう5年くらい其の状態が過ぎて残は1200万くらい。其の間にもSさんは
何回もリベートの廃止を申し入れました。
すると承知をしないどころか直ぐに支払いを止める素振りをします。

折も折、SさんはM社の高級材料を使う仕事を、自分は中に入らずに全てM社直接に結びつけました。利益は500万以上あります。
結びつけた後、Sさんは50万の廃止を申し入れたのです。
最初から条件に出すよりこの方が効果があると思って居たのです。

しかし案に相違してMさんは拒否、500万の利益は唯やり損です。
さすがに人の良いSさんも此処で完全に頭にきて、売上が押さえられないように調整し、売上をストップしたのです。完全に喧嘩状態になりました。

税務署の監査が入ったのは、丁度こんな時でした。

調査は淡々と進み何処にも問題は出ませんでしたが、売上値引きの調査でこの50万が出てきました。
Sさんが「1000万以上の時は50万の奨励金を払うことになって居ます。」とでもさらりと説明をしておけば、あるいは何もなく通って居たかも知れませんが、Mさんの仕打ちに頭にきているSさんは、こうなった経緯を延々と説明したのです。

税務署員はM社まで調べに行ったらしいです。
その結果、思いもかけない事が起こりました。
「M社はこの金はM社が貸したお金の返金と云っている。
帳簿処理もそうなっている。この金はS社が借りたお金の返済であり、
値引きではない。其れを何年間も続けている。経費処理をして居るから一種の脱税です。さかのぼり正しい処理にします。」
と云って追徴が2000万以上決定されたのです。

税務署は何故この様な決定をしたか、税務署の説明とSさんの対応は明日書きたいと思います。






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